可愛い魅力が満載、人気シリーズに新たな息吹を吹き込んだ映画『バンブルビー』

『トランスフォーマー』シリーズに登場するバンブルビーを主人公にしたスピンオフ作品

日本生まれの有名キャラクターは、いまや世界中で大人気となっています。そんな大人気キャラクターの一つが「トランスフォーマー」。80年代のタカラトミーのラインナップから派生し、アメリカで大ヒットしたものが日本に逆輸入される形で広まったこのキャラクターは、今やハリウッドの大ヒットシリーズとなり、世界中で愛されるようになりました。

映画『バンブルビー』はそんな『トランスフォーマー』シリーズに登場するバンブルビーを主人公にしたスピンオフ作品です。『トランスフォーマー』シリーズは、マイケル・ベイ監督によって5本の作品が製作されていますが、本作はシリーズ1作目の前日譚にあたるエピソードになっています。

黄色いボディが印象的なバンブルビーがなぜ地球にやってきたのか、B-127というコードネームしか持たなかった彼がなぜバンブルビーと呼ばれるようになったのかのいきさつを、地球の少女との交流を通じて描く本作。アクションだけでなく、異世界の住人同志の友情にもスポットをあてて、人間味のあるSF大作映画になっています。

孤独な少女と赤ん坊のバンブルビー?

地球から遠く離れた惑星サイバトロンで、オートボットとディセプティコンとの戦争が勃発。オートボット側のリーダーであるオプティマスプライムは、バンブルビーことB-127に、劣勢を立て直すべく、地球に向かい拠点とするよう命じます。

地球はそのころ1987年。バンブルビーはたまたま遭遇した米軍に追われ、ディセプティコンの追っ手とも交戦。戦闘の末にしゃべる機能と記憶を失ってしまいます。

黄色いビートルに変形して潜むことにしたバンブルビーはしばらくして、父を亡くした、自動車いじりが好きなティーンエイジャーの女の子・チャーリーと出会います。チャーリーは、母が新しいボーイフレンドと付き合っていることに納得がいかず、亡くなった父を思い続け、家族から孤立しています。そんな孤独な彼女もバンブルビーにだけは心を開くようになります。記憶を失い、子供のような行動をとるバンブルビーに手を焼きながらも、2人の交流は続いていくのですが、そこに地球を侵略せんとするディセプティコンの魔の手が忍び寄り、チャーリーとバンブルビーは戦いに巻き込まれてゆくのです。

孤独なティーンエイジャーと地球外生命体の交流がストーリーの柱となっている点が本作の成功要因でしょう。それは名作『E.T』のようでもあり、90年代のアニメーション映画の傑作『アイアン・ジャイアント』などを彷彿とさせます。そして、こういうタイプの作品は、少年が主人公となることが多かったですが、本作はその役を女の子にしているのも特徴的で、機械いじりが好きというステレオタイプではない少女像を作ることに挑んでいるのも現代的と言えるでしょう。その結果、よくある設定の物語にもかかわらず、新鮮な印象を与えます。

また、本作の時代設定が80年代なのもポイントで、当時の名曲ミュージックが多数使われ、物語を彩っています。バンブルビーはしゃべることができず、車のカーラジオを使って、その歌詞で意志を伝えようとするのですが、その設定のおかげで多数のヒット曲を聴けるのも本作を魅力的なものにしています。

バンブルビーがとにかく可愛い

本作の最大の魅力は、何と言ってもバンブルビーの可愛さ。オートボットの機体の中では小柄なバンブルビーですが、人間と比べれば大きな存在。そんな大きなバンブルビーが縮こまって隠れたり、怒られた時にシュンとしてしょげたりする姿がとにかく可愛いのです。また、車に変形する時のフォルクスワーゲンのビートルが丸みを帯びたデザインであるためか、バンブルビーの立ち姿もどこか丸みを持っていて、それも可愛いらしさを強調しています。

そしてなにより、記憶喪失で赤ん坊のような状態なので、なんにでも興味を示すのです。見ていると母性本能がくすぐられるという人も多いかもしれません。こういう大作映画のロボットキャラクターが可愛い特徴を持っているのもなかなか珍しいことで、このキャラクター設定が本作を非凡なものにしていると言えるでしょう。

SF大作は男性の観客向けであることが多いですが、本作は女性を含め、誰もが楽しめる要素が満載です。一度見るとバンブルビーの魅力にはまること間違いなしです。

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構成・文
杉本 穂高
編集
アプリオ編集部