お手軽系から本格派まで、無料の動画編集アプリおすすめ7選【iPhone/Android】
iPhoneやAndroidスマホのカメラ性能の進化、またInstagramなどSNSの普及に伴って、撮った動画をいろいろ編集して楽しみたい、シェアしたいというニーズも高まっています。
そこで本記事では、音楽(BGM)・テロップ(文字/字幕)の追加や、カット(トリム)、エフェクト適用、再生速度(早送り/巻戻し)の変更などの機能を備え、手軽にいい雰囲気の動画に仕立ててくれる無料の動画編集アプリを7本紹介します。
Adobeの他アプリとも連携できる「Adobe Premiere Clip」
「Adobe Premiere Clip」は、ビデオクリップを読み込むだけでムービーが完成する自動編集機能を搭載したアプリです。また、Adobeの各種アプリと連携し、本格的な動画編集が可能になります。
自動編集を使うには、使いたいビデオと写真を選んだ後、[自動編集]を選びます。
トリミングやカットを自分で行う「Freeform」モードも備えており、自動編集を選んだ場合でも後でFreeformへ切り替えることができます。
自動編集をおこなうと、クリップのカットやサウンドトラックが自動で作成されます。その場で再生してみて、必要ならサウンドトラックを好きな曲に選び直すことができます。
また「フィルム」や「シネマ」といったフィルターをかけたり、クリップの並び順を入れ替えたりできるので、自動編集といっても自分でカスタマイズできる余地は広いです。自動編集からFreedomエディタへ移行することで、手動の編集モードへと切り替えることもできます。
サウンドトラックは10種類が用意されていますが、他アプリと比べると少し寂しい気もします。
また、Adobeの他のアプリと連携できるのも特徴です。「Adobe Lightroom」があれば、コレクションから写真や動画を読み込むことができます。
作業中のファイルをAdobe Premiere Pro CCへ送ることもできます。Adobe Premiere Pro CCでは、映像全体の色味を細かく変化させるなど本格的な編集が可能になり、こだわりの強い作品に仕上げることができるでしょう。外出先で素材をまとめた後、家で続きを作業するといった使い方にぴったりです。
完成した作品を公開することも可能です。「コミュニティ」では、ユーザーが公開しているムービーを見ることができます。
数秒で毎週の思い出が完成する手軽な「Quik」
「Quik」は、小型の防水・防塵カメラ「GoPro」シリーズでおなじみのGoProが提供している動画編集アプリです。ライブラリにある動画や写真から撮影日時や撮影場所を分析し、ほぼ全自動でムービーを作成できます。
では、ビデオや写真を自由に選んでクリップを作成できるほか、端末に保存されているビデオや写真を分析し、「毎週の思い出」として自動でまとめてくれる機能があります。
[あなたへ]をタップすると、テーマごとに整理された作品がすでにリスト化されていて、タップするだけで作品を編集できる仕組みです。多くのアプリがクリップを選ぶことから始めますが、素材選びも自動というのはQuikならではの特徴です。
編集画面はシンプルです。画面下に並んでいるスタイルを選ぶと、それぞれのスタイルに合った内容へと即座に反映され、トランジションなども音楽に合わせて自動で挿入されます。
必要ならクリップの入れ替えや不要なクリップの削除、テロップの挿入といった編集もおこなえます。
編集機能でサウンドトラックを変更できます。サウンドトラックは70種類以上と豊富です。
出力フォーマットは横長の「シネマ」と「正方形」の2種類が用意されています。作品の長さは秒単位で調整でき、BGMに合わせて最適な長さになるようガイドが表示されます。
また完成した作品は、その場でInstagramやLINEなどへ投稿できます。SNSで共有するための作品作りにもおすすめです。
豊富なエフェクト、多彩な機能を備える本格派「Splice」
GoProが提供しているもう一つの動画編集アプリが「Splice」。こちらはiOS専用です。Spliceは、デスクトップPCでおこなうようなビデオ編集をスマートフォンやタブレットで実現するために用意されています。先に紹介したQuikに比べても、より多彩な編集機能を搭載しています。
Spliceはカメラロールやギャラリーだけでなく、GoogleドライブやFacebookなどからも動画を読み込むことができます。
ビデオを読み込んだ後は、タイムラインで編集します。
トリミングやカット編集のほか、0.2倍速から2倍速まで再生速度を変更するための機能を備えています。
動画にエフェクトをかけることもできます。
モノトーンやセピアなどのエフェクトが用意されていて、タップするだけで適用できます。
フリーのサウンドも多数付属しています。膨大な量のサウンドがクラシックやジャズなどジャンルごとに整理されていますので、好みのBGMがきっと見つかるはず。iTunesライブラリから音楽を読み込むことや、録音した音声をナレーションとして挿入することも可能です。
またエフェクトには、「おなら&げっぷ」「のこぎり」など様々な効果音まで用意されています。
物語感のあるムービーが自動で出来上がる「Magisto」
「Magisto」は、編集スタイルとサウンドトラックを選ぶだけで、おしゃれなクリップを完成できる動画編集アプリの老舗です。
人工知能(AI)による自動編集を実現しており、クリップをただ順番につなげるだけでなく、背景に流れる音楽に合わせてカットやフィルター、トランジションが挿入されます。無料版では読み込めるクリップが10個までと制限がありますが、凝った演出付きの楽しい作品が仕上がります。
ビデオや写真を選んだ後、編集スタイルとサウンドトラックを選ぶだけでムービーを作ることができます。
素材の順番や効果などはすべてアプリが自動的に判断します。編集スタイルは「ラブ」や「Travel」など36種類(一部有料)で、そのスタイルに合ったサウンドトラックが表示されます。
最後にタイトルや長さを決めます。
長さはInstagramへの投稿用に15秒に設定することもできます。
ムービーの編集には少し時間がかかります。完成すると通知が届いて自分のタイムラインで公開できるようになります。ドラフトを見た後、スタイルやサウンドトラックを変更することも可能です。スタイルを変えると、作成されるムービーの内容も変わるので、いろいろ試してみましょう。
Magistoはアカウント作成なしでも使えますが、無料のアカウントを作成することで、ほかのデバイスからムービーを再生できるようになります。またURLによる共有や、「シングルムービーダウンロード」(120円)を購入して作品をダウンロードできるようになります。
ステッカー付きのおしゃれ動画が作れる/撮れる「VivaVideo」
「VivaVideo」は、ビデオカメラ機能と動画の編集機能を搭載したアプリです。フィルターを適用しながら味のある映像を撮影したり、撮影した動画にステッカーを貼り付けて飾ったり、スライドショームービーを作ったりと、これ1本で撮影も編集もこなします。
オールマイティなアプリなので機能も多いのですが、使ってみると驚くほど簡単な操作でショートムービーを制作できます。アプリ内から他のユーザーをフォローしたり、人気の動画を楽しんだりもできます。
アプリを起動すると、メニューが表示されます。動画編集をおこなう「編集」と、スライドショームービーを作成する「写真ムービー」、撮影をおこなう「キャプチャ」や「自分撮り」といった機能から選びます。
SNSやショップ機能も搭載しています。すべての機能を利用するには、ユーザー登録(無料)が必要です。
「キャプチャ」を選んで撮影を始めます。
撮影を停止すると、直前に撮った映像と自動でつながります。映像にはフィルタをかけることができます。
撮影を終了すると、撮影した順に映像がまとめられています。
テーマを選ぶだけで映像に音楽付きのエフェクトが自動で加わり、さくっとおしゃれな映像が完成します。
本格的な編集機能を備え、各クリップのトリミングや画質調整などをおこなえます。動きのあるステッカーやエフェクトなどが豊富に用意されていて、多彩な作品を作ることができます。
なお、5分以上の動画を作成したり、HD動画を保存したりするには、アップグレードが必要です。
進化したApple純正のショートムービー編集アプリ「Clips」
「Clips」は、アップルによる純正の動画編集アプリです。アップルの動画編集アプリといえば「iMovie」が有名ですが、こちらはよりモバイルで利用することを想定して作られています。
見ているものをその場で撮影するほか、素材をあとから組み合わせてムービーを完成させるオフライン編集に対応し、好みの方法でムービーを作れるのが特徴です。またフィルタやアニメーション付きのテロップ、スタイリッシュなBGMなど、ムービーを楽しく演出するための素材も豊富です。
Clipsの使い方はとてもシンプル。画面にある赤いボタンを押し続けてビデオを撮影します。ボタンを押し続けている間は撮影が続き、次々に撮影することでクリップをつなぎ合わせられます。ライブラリから写真やビデオを追加し、1本のムービーにまとめることも可能です。
ユニークなのは、マイクから音声を拾ってテキスト(テロップ)を挿入できるライブタイトル機能です。アニメーションのパターンは数種類から選ぶことができ、話すタイミングに合わせてテロップが自動で表示されます。句読点の位置などを後から編集することも可能です。
映像を加工するための機能としては、コミック風のカラフルなフィルターをはじめ、7種類のフィルターが使えるほか、アニメーション付きの吹き出しや矢印、絵文字などを付けてデコレーションできます。
また「乾杯」や「完」など、動画に挿入できる全画面のポスターが数種類あり、これらはテキストを自由に編集できるようになっています。
クリップの順番をドラッグで並べ替えたり、トリムしたりという編集も直感的におこなえます。トリムはハサミのアイコンをタップして残したい範囲を指定するだけです。
映像にはBGMを付けることができます。いろいろなシチュエーションに合わせるため、40種類以上のBGMが用意されています。音楽の長さは動画の尺に合わせて自動的に調整されて、尻切れトンボになることがありません。
完成したムービーはiOSの共有メニューを通じて、FacebookやInstagram、YouTubeなど様々なSNSへ投稿できます。
アップル純正の動画編集アプリ「Clips」、ディズニーやピクサーのキャラクターが利用可能に
Android最強クラスの編集機能と使いやすさ「PowerDirector」
iOSにはApple純正の「Clips」が登場していますが、同程度の機能を備えるGoogle純正アプリはAndroidには存在しません。そんな中、Android最強ともいえる動画編集アプリの一つに「PowerDirector」があります。PC向けビデオ編集ソフトで定評のあるサイバーリンク社によるAndroid向けアプリで、Windows版は数々の賞を獲得しています。
タイムラインをベースにした使いやすい編集画面を採用し、スワイプ操作でトリミングやクリップの分割、複数ビデオの取り込み、BGM挿入、タイトル・テロップ追加、エフェクトやトランジション(切り替え効果)などが無料でおこなえるのが特徴です。
アプリを起動してプロジェクト(編集動画)を新規作成します。動画が格納されているフォルダを開いて(Googleドライブにも対応)ベースとなる動画ファイルを追加します。
画面下のタイムラインに動画が表示され、これを元に編集作業をおこないます。別の動画を途中に挿入したり、カットしてトリムしたりと、操作は左右のメニューアイコンから選択し、タイムラインへのドラッグ&ドロップで簡単にできます。
動画にエフェクトを加えたり、クリエイティブなタイトル・テロップ、サウンド(端末内にある音楽ファイルのみ)も自在に追加することができます。動画内の音声と追加したBGMの音量サイズを調整できるオーディオ・ミキシングなども可能です。
編集が完了したら動画を書き出ししますが、端末内やSDカードのほか、FacebookやYouTubeへの共有も可能です。フルHD以上の画質で書き出したい時には、有料版(699円)へのグレードアップが必要となります。
また、無料版では動画右下に「PowerDirector」のロゴが挿入されるので、これも気になるようなら有料版の購入を検討しましょう。