2017年における国内Androidスマートフォンのメーカー別シェアで1位に立ったシャープ。ソニーモバイルを上回ったのには少し驚かされました。AQUOS Rのような先進的モデルを投入する一方で、手ごろな価格で必要な機能だけを押さえたAQUOS senseシリーズも人気を集めています。
2018年の夏モデルには、SIMフリー専用端末として「AQUOS sense plus(アクオスセンスプラス)」が登場します。格安SIMなどで予算を抑えつつ、ガラケーからスマホに乗り換えたい人にも最適なモデルになっています。
本記事では、開発機をお借りしてレビューしています
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AQUOS senseシリーズらしい実用重視のデザイン
AQUOS sense plusはホワイト、ベージュ、ブラックの3色をリリースしています(ここではブラックを取り上げます)。背面は光沢のある仕上げで、なかなか高級感があります。ボディサイドはつや消しの黒になっていて、滑りにくいのが好印象です。
また、中央部分が微妙に盛り上がっているため、テーブルの上などに置いても持ち上げやすい形状となっています。これは他のAQUOS senseシリーズと同じコンセプトで、とても実用性が高いポイントです。
液晶は5.5インチの大画面モデルですが、最近主流になっている細長いタイプなので、横幅は71ミリに抑えられています。iPhone Xが70.9ミリ、iPhone 8が67.3ミリ、iPhone 8 plusが78.1ミリと考えれば、なかなか持ちやすいことがイメージできるでしょう。
背面はつやのある仕上げで高級感がある
本体サイドは真ん中が盛り上がっているスタイルで、テーブルの上でも持ち上げやすくなっている
液晶は美しい表示だが高級機には負ける
IGZO液晶はとても美しいのですが、いま流行の超狭額縁モデルではありません。iPhone Xと比べると、表示エリアが意外に狭いことに気付くでしょう。もちろん慣れてしまえばAQUOS sense plusでも十分で、画面が狭く感じることはありませんが、デザインとしての先進性が高級モデルにはかなわないのです。
iPhone X(右)と比べると、縁(フチ)が太いので表示エリアが狭い
iPhone Xは液晶ではなく有機ELを採用しています。一方、AQUOS sense plusのようなミッドレンジのSIMフリースマホはまだまだ液晶が主流。価格を考えれば十分に満足できるクオリティです。AQUOSシリーズの最上位モデル「AQUOS R2」と比べても、AQUOS sense plusのほうが明るく感じます。これは、AQUOS R2の解像度が非常に高いために、どうしても暗めになってしまうからです。
つまり、最高のスマホを求めない人には十分なディスプレイです。先進的とまでは言えませんが、今後数年間は満足して使えるレベルはクリアしています。
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iPhone X(右)のほうが数段明るく、画像もくっきりとしている
AQUOSシリーズ最上位モデルのAQUOS R2(右)と比べると、精細さでは負けているが明るさはAQUOS sense plus(左)が勝る
斜めから見てもAQUOS sense plusは十分に明るい
充電は今後主流のUSB-C端子を採用
本体の構成は一般的なスマホと同様です。向かって右側面に電源ボタンとボリュームボタンを配置し、左側にSIMスロットを装備します。SIMはnanoSIM1枚のみを挿すことができます。また、microSDカードにも対応します。
対応バンドは以下のようになっています。NTTドコモ、ソフトバンクのLTEは問題なく使えます。
- 3G:Band1(2.0GHz)、Band2(1900MHz)、Band4(1700MHz)、Band5(850MHz)、Band6(800MHz)、Band8(900MHz)、Band19(800MHz)
- 4G:Band1(2.0GHz)、Band2(1900MHz)、Band3(1800MHz)、Band4(1700MHz)、Band5(850MHz)、Band8(900MHz)、Band19(800MHz)、Band26(800MHz)、Band28(700MHz)、Band41(2.5GHz)
- GSM:850/900/1800/1900MHz
充電用の端子は、これから主流になるUSB-Cを採用しています。古いスマホを使っている人はケーブルの買い換えが必要になります。イヤホン端子も装備するため、ごく普通に利用できます。指紋センサーを搭載し、防水にも対応するので安心して利用できます。
一番わかりやすい、失敗しないUSB Type-Cケーブルの選び方
充電用の端子はUSB-Cで互換性が高い
SIMカードスロットはキャップになっており、防水に対応
指紋センサーは本体の正面下に位置している
カメラは価格を考えれば十分なレベル
カメラは1640万画素のシングルです。最近はデュアルカメラを採用する機種が増えていますが、2つあれば美しいわけでもありません。
今回はAQUOS sense plusとiPhone Xを撮り比べてみましたが、確かに写真の美しさでは少し劣ります。しかし価格差が大きいことを考えれば、十分に妥協できるでしょう。特に古いスマホやガラケーから乗り換えるユーザーなら満足できるはずです。普通に撮影するとやや明るめに写ることが多かったので、気になる場合は明るさを調整するとよいでしょう。
なお、動画は4Kの撮影にも対応しています。
明るい公園で撮影。AQUOS sense plus(左)ではやや明るく写っている。もう少し暗く調整したほうがよさそうだ
iPhone Xのほうが色に深みがあって美しいが、AQUOS sense plus(左)も合格点だ
AQUOS sense plus(左)がやや明るすぎるのは空の色を見るとよくわかる
薄暗い部屋で撮影。AQUOS sense plus(左)は窓がやや白飛びしている
SIMフリーでは稀少な「おサイフケータイ」対応
ベンチマークテストを実施すると、性能は程々でした。ミッドレンジのSIMフリースマホはだいたいこれくらいの性能なので、可もなく不可もなくといったところでしょう。ヘビーなゲームなどをしない限り、2年程度は満足して使えるはずです。
内蔵ストレージ(ROM)は32GBです。音楽や動画をそれなりに保存するにはちょっと物足りないので、microSDカードをうまく使いこなすとよいでしょう。そして何より嬉しいのは、おサイフケータイが利用できること。SIMフリースマホでは対応機種が少ないため、これは特筆すべきポイントです。
ベンチマークの結果は程々。ヘビーなゲームをプレイしない限り十分だろう
おサイフケータイに対応しているのが嬉しいポイントだ
まとめ
10万円クラスのスマホは確かに高速ですが、仮に3万円強のモデルなら3回買い換えられます。そう考えると、あまりスマホにこだわりがない人はこのクラスで妥協するのもよい選択です。
特にガラケーから乗り換えるユーザーには、シャープ製である点も心強いでしょう。ヘルプなどもわかりやすく、またホーム画面を「AQUOSかんたんホーム」に切り替えれば、操作に戸惑わずに利用できるはずです。
メニューなどがわかりやすく配慮されている
AQUOSかんたんホームに切り替えると、ガラケーからの乗り換えでも操作しやすい
構成・文:戸田覚
編集:アプリオ編集部