「Apple Watch Series 10」レビュー、前モデルより軽く見やすく操作性も向上

薄型化してさらに大画面になって魅力を増した

今やApple Watchはすっかりスタンダードな腕時計となり、街中でも見かける機会が増えました。年々進化するApple Watchですが、今回は2024年9月20日(金)に発売された10世代目にあたる新登場の「Apple Watch Series 10」をレビューします。最新モデルは大画面で薄型化され、かつてないモデルチェンジを遂げました。

なお、低価格の人気モデル「Apple Watch SE(第2世代)」「Apple Watch Ultra 2」も併売されています。

Apple Watch Series 10
Apple Watch Series 10
ブランド
Apple
発売日

新色のジェットブラックをレビュー

今回はアルミニウムのジェットブラック46mmをレビュー

今回はアルミニウムのジェットブラック46mmをレビュー

Apple Watch Series 10では、いつもと同じように2つのサイズ(46mmと42mm)がリリースされました。もちろんどちらを購入しても良いのですが、小さなタイプも1mmサイズが大きくなったため小型モデルでも画面は見やすくなりました。

本体の素材は、アルミニウムとチタニウムの2タイプが選択でき、チタニウムが高価なモデルとなります。なお、今回は新色のジェットブラックアルミニウムをレビューします。つやのある黒で、つや消し仕上げの多いアルミニウム製には見えません。とても高級感のある素敵なカラーです。

バンドも、いつものようにさまざまなデザインがリリースされています。CellularモデルとGPSモデルが用意されるのも、これまでと同様です。

最も薄いボディ、ディスプレイも大画面になった

ディスプレイは薄く大画面化した

ボディは薄くなり、ディスプレイは大画面化した

Apple Watch Series 10の最大の特徴は、ボディが一新されたことでしょう。とはいえ、基本的なデザインは変わらず、フェイスは四角形です。円形のスマートウォッチも登場していますが、ひと目でApple Watchとわかるデザインはとても優れています。

最大の特徴が、ボディが薄くなったことです。カタログ値で1mmも薄くなっています。さらに、ディスプレイも大画面化しています。にもかかわらず、重量は軽くなった点が大きな変化と言えるでしょう。

Apple Watch Series 9とのサイズ比較
  サイズ(タテ×ヨコ×厚さ) 重量
Apple Watch Series 10 46mm×39mm×9.7mm(46mmケース) 36.4g(アルミニウム、GPSモデル)
42mm×36mm×9.7mm(42mmケース) 30g(アルミニウム、GPSモデル)
Apple Watch Series 9 45mm×38mm×10.7mm(45mmケース) 38.7g(アルミニウム、GPSモデル)
41mm×35mm×10.7mm(41mmケース) 31.9g(アルミニウム、GPSモデル)
重量は非常に軽く、テキスタイルバンドを着けた状態で50gを切っている

重量は非常に軽く、テキスタイルバンドを着けた状態で50gを切っている

重量は1割ほど軽くなっています。機械式の腕時計にはかなりどっしりとした重い製品も多々あります。こういった機械式の腕時計はある程度重量があっても許容できるのですが、スマートウォッチは運動のデータや睡眠情報を計測するので、できるだけ軽い方が好ましいのです。

この点でおいて、新モデルは素晴らしい進化を遂げています。テキスタイルバンドを付けた状態でキッチンスケールで計測してみたところ、約44gと非常に軽量でした。

ディスプレイはとても見やすく進化

Apple Watch Ultra(右)と比べても大画面になっていることがわかる

Apple Watch Ultra(右)と比べても大画面になったことがわかる

ディスプレイは非常に見やすくなっています。大画面化しているので、文字が読みやすく情報が把握しやすくなりました。

最大輝度は2000ニトと、Apple Watch Series 9と変わりません。しかし、搭載するOLEDが広視野角に進化しており、斜めから見たときの明るさが40%向上していると言います。

斜めから見ても見やすくなった

斜めから見ても見やすくなった

実際に画面を見るととても明るく、くっきりしています。確かに、斜め横から見ても読み取りやすくなっています。新文字盤には、角度が変わると表情が変わるものも用意されています。

バッテリー駆動時間は相変わらず残念な結果

バッテリー駆動時間はApple Watch Series 9と変わらず、最大18時間となっています。他のスマートウォッチでは1週間ほど動作するモデルもあるので、比較するととても残念です。18時間では、たとえば海外旅行で長時間フライトしていると途中で切れてしまいます。

ただし、充電時間は速くなりました。Apple Watch Series 9は45分で80%まで充電できましたが、Apple Watch Series 10は30分で80%まで充電できます。睡眠データを計測したいなら、夜寝る前の入浴時間などに充電し、朝起きたら支度しながら充電するように心がければよさそうです。とはいえ、頻繁な充電が面倒なことは間違いありません。せめて36時間くらいは動いてほしいところです。

健康データの取得項目数はかなり豊富

複数のセンサーを搭載している

複数のセンサーを搭載している

Apple Watchは、複数のセンサーを搭載しており、さまざまなデータを取得できます。特に電気心拍センサーによる心電図アプリはライバルに先んじています。

光学式心拍センサーを搭載し、血中酸素濃度、排卵の推定、皮膚温度計測、睡眠記録などが計測可能です。

心拍を計測中の画面

心拍を計測中の画面

睡眠データも取得できる

睡眠データも取得できる

心電図機能も搭載

心電図機能も搭載

watchOS 11が提供され、睡眠時無呼吸の計測もできます(Apple Watch Series 9やApple Watch Ultra 2も対応)。一定期間睡眠データを計測することで、問題の可能性があると通知してくれます。

アクティビティデータの取得も優れている

各種アクティビティデータを計測できる

各種アクティビティデータを計測できる

水深や水温も計測可能

水深や水温も計測可能

潮位アプリも追加された

潮位アプリも追加された

従来通り、さまざまな運動のデータを取得することができます。ランニングや筋力トレーニング、水泳、サイクリングなどから、クリケットや太極拳など一般的にはマイナーなスポーツもたくさん用意されています。

また、水深や水温も計測できます。新しい潮位アプリを使うと、世界中のさまざまな位置で潮の満ち引きが把握できます。これは、釣りやサーフィンなどにとても役立つでしょう。

画面が大きくなったことで、各種の運動中でもとても見やすいのがいいところです。特に水中ではより見やすくなったのが嬉しいポイントです。

まとめ:バッテリー問題以外は魅力的に進化

Apple Watch Series 10は、とても魅力的に進化しています。本文では触れていませんが、チップもS9 SiPからS10 SiPに代わり、素晴らしいレスポンスで快適に操作できます。

従来同様に、CellularモデルとGPSモデルも用意されていますし、耐水、おサイフケータイ搭載なども優れた点です。また、Apple Watch Series 9より搭載された、指をタップして操作するジェスチャー機能も継承されています。

Apple Watch Series 10価格表
素材 サイズ 価格

アルミニウム

42mm 5万9800円〜(GPSモデル)
7万5800円〜(GPS + Cellularモ‍デ‍ル)
46mm 6万4800円〜(GPSモデル)
8万800円〜(GPS + Cellularモ‍デ‍ル)

チタニウム

42mm 10万9800円〜
46mm 11万7800円〜

価格は、GPSモデルで5万9800円〜です。今回レビューした46mmのCellularモデルは8万800円〜となります(価格はバンドで異なる)。

Apple Watchは下取りや買い取り価格も高いので、間違いなく時計として高い価値があると言えるでしょう。

Apple Watch Series 10
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今回のApple Watch Series 10を実際に使ってみたレビュー動画をYouTubeで公開中です。こちらもぜひ参考にしてみてください。

EDITED BY
MATSUBA