スマホの周辺機器メーカーの中でも人気の高いAnker(アンカー)から、バッテリーやケーブルなどの新製品が登場しました。今回はバッテリー2モデル、ケーブル1製品をレビューします。
ケーブルは、ついに登場した純正以外のUSB-C & ライトニングです。バッテリーはコンパクトな10000mAhモデルと、USBハブ機能を内蔵する19000mAhの新しいカテゴリのモデルです。手ごろな価格ながら品質に定評のあるAnkerの新製品ですから、スマホの使い勝手を向上したいユーザーは注目です。
Ankerの最新おすすめモバイルバッテリー・充電器まとめ、用途に応じた選び方も
価格は2019年3月5日時点の税込表示です
MFi認証のUSB-C & ライトニングケーブル登場
MFi認証とは「Made For iPhone/iPad/iPod」の頭文字を取った規格で、AppleがiPhoneなどに利用できることを認証した製品です。LightningケーブルはApple独自の規格なので、この認証を受けている製品を選べばハズレがありません。MFi認証が取れていれば、OSのアップデートなどで使えなくなる可能性は低く、安心して使えるわけです。
iPhone XS、XS Max、XR、X、8、8 PlusはUSB PowerDelivery(USB PD)相当の充電に対応しており、30分で50%の急速充電が可能です。充電器やバッテリーは18WのPDに対応していればOKですが、ケーブルが問題でした。市販のUSB-C & ライトニングケーブルでも急速充電できるケースもあったものの、OSのアップデートで使えなくなるなど課題がありました。そのため純正のケーブルを使うのが一般的ですが、価格は1800円(1メートル)と高価でした。
Ankerから登場した「Anker PowerLine II USB-C & ライトニングケーブル」(0.9メートル)は、アップル製以外で初めてMFi認証されたケーブル。1599円と価格も2割程度手ごろです。1万2000回以上の折り曲げテストもクリアしているので安心して使えます。
上がAnkerの新製品
下がAnkerのケーブル。コネクター部分がいかにも強そうだ
iPhoneを急速充電するのにおすすめ
Anker PowerLine Ⅱ USB-C & ライトニングケーブルは、言うまでもなく対応するiPhoneの充電におすすめです。とはいえ、一般的な充電器やバッテリーでは使えないケースもあります。このケーブルは、片方がUSB-Cで逆側がライトニングになるのです。
基本的には充電器もPDに対応し、USB-Cコネクターを採用している充電器やバッテリーと組み合わせて使います。MacBookなどの充電器で利用でき、Ankerからも小型のPD対応充電器が登場しています。iPhoneを急速充電するには18W以上の出力があればOKなので、PD対応の充電器やバッテリーはほぼ利用できるはずです。
MacBook Pro用の充電器で急速充電可能
こちらはAnkerのコンパクトなPD対応充電「PowerPort Atom PD 1」
手にしやすいサイズの10000mAhバッテリー
日常的に利用するバッテリーは10000mAhのモデルが人気。最近はスマホの内蔵バッテリーが大容量化しているので、5000mAh程度のバッテリーでは物足りないのです。また、20000mAhを超えるモデルは重くなるため、日常的な持ち歩きには負担が大きくなります。バランスのよいのが10000mAhというわけです。
Ankerは10000mAhのバッテリーを5モデル展開していますが、今回さらに新しい製品「Anker PowerCore 10000 Redux」が登場しました。価格は3299円で、特徴は持ちやすさ。本体が細長い形になって手にしやすいのです。また、表面が目に見えないほど細かなメッシュ加工になっており、滑りにくく安心して使えます。
ただし、バッテリーの性能としてはシンプルで、最大5V=2.4Aの12W出力になります。QuickChargeやPDには対応していません。急速充電はAnker独自のPower IQになります。
左から6700mAhのAstor E1、 PowerCore 10000 Redux、PowerCore 10000。PowerCore 10000 Reduxが細長いデザインなのがよくわかる
キッチンスケールで重量を量ると、10000mAhの2モデルはほとんど変わらない。つまりコンパクトになったのではなく、形が変わったわけだ
端子は通常のUSB。ボタンを2度押しすると低電流モードに切り替わり、イヤホンなどの充電に向く
バッテリーへの充電はmicroUSB端子を利用する
19000mAhと大容量のビジネス向けPDバッテリー
Anker PowerCore+ 19000 PDは、19000mAhの大容量バッテリーです。iPhone XSを5回充電できるという大きなバッテリーですが、容量だけなら20000mAhを超える製品も多数存在します。
最大の特徴は、ビジネス向けの製品として考えられていることです。出力ポートは3つあり、1つは27WのPDに対応します。他の2つは10W、15WのUSB端子です。最大3つの機器に同時に充電できます。
PD対応パソコンへの充電も可能です。ただし、機種によって必要な出力が異なります。手元にあるGalaxy Bookは問題なく充電できました。ThinkPad X1 Carbonも充電は可能でしたが、出力が不足しているので充電時間が長くなります。また、パソコンの機種によってはスタンバイや電源オフでなければ充電ができなかったり、そもそも対応していないケースもあります。
価格は1万999円とやや高価ですが、30WPD対応のACアダプターとUSB-Cケーブルが標準で付属しています。バッテリー本体を3.5時間でフル充電できるほか、パソコンなどにも利用できます(機種による)。この点を考えると、お買い得とも言えるでしょう。ただし、20000mAh以下の容量としてはやや大ぶりで、425グラムと重いのが欠点です。
PowerCore+ 19000 PDと付属品
USB端子を2つ、USB-C端子を1つ備える
PDの出力は最大27W
付属の充電器は30WのPD対応
iPhoneに急速充電が可能だ
最大3つの機器を同時に充電できる。ただし0.5A以下の充電はできないので、Bluetoothイヤホンなどには使えないケースがある(写真のようにZolo Libertyへの充電も可能だが、低電流モードによる充電がおすすめ)
USBハブとしても使える
PowerCore+ 19000 PDは、USBハブとして使える機能を持っています。USB-C端子しか持たないMacBookや最新のモバイルノートに接続して充電しながら、USB端子を周辺機器接続に利用できるのです。
使い方は簡単で、ボタンを2秒間長押しにします。ランプが3回光ったら切り替え完了で、USBハブとして利用可能です。USBメモリーからファイルをコピーしたり、USB接続のマウスやキーボードも利用可能です。
残念ながら、タブレットはスマホに接続してもハブとしては機能しません。なお、ハブとして利用している際には、10Wの出力となります。
ボタンを長押しするとランプが回転するように光って、USBハブモードに切り替わる
マウスなどUSB接続の機器を使えるようになる。USB-C端子しか持たないパソコンやMacBookで便利だ
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構成・文:戸田覚
編集:アプリオ編集部