今回は、2025年10月に新しく登場したAmazonの「Fire TV Stick 4K Select」と以前から販売されている上位モデル「Fire TV Stick 4K Max」を比較しつつレビューしていきます。
新登場のFire TV Stick 4K Selectは、4K対応モデルながら7980円と低価格なのが特徴です。11月のブラックフライデー期間は半額の3980円で購入できました。
最上位モデルのFire TV Stick 4K Maxは1万2980円ですが、こちらもセール時には安くなっています。今回はこの2機種の違いを含めて紹介していきます。
4Kながら低価格の新モデル
新登場のFire TV Stick 4K Select
Fire TV Stick 4K Selectは、4Kに対応した高画質モデルながら、非常に低価格なのが特徴です。
エントリーモデルとしてHDモデルの「Fire TV Stick HD」も用意されていますが、4K対応Fire TVはFire TV Stick 4K Selectの登場で5モデル中4モデルに拡充されており、今後そう遠くないうちに最廉価モデルがFire TV Stick 4K Selectになる可能性もありそうです。
Fire TV Stick 4K Selectの内容物
そもそもFire TVは、単体で動画が視聴できるストリーミングメディアプレイヤーです。パソコンのモニターやテレビなどのHDMIに接続することで、YouTubeやNetflixなど各種動画が視聴できます。普通のテレビがスマートテレビと同じように機能できるようになります。もちろん、プロジェクターに接続しても同様に使うことができます。
使い方は全モデル共通で、テレビなどのHDMI端子に接続してセットアップしていくだけなので、とても簡単です。ただし、一般的には電源に接続する必要があります。
電源をつなぐ端子は最新のFire TV Stick 4K SelectでもmicroUSBだ
電源に接続する端子はmicroUSBとなります。さすがに新モデルはUSB Type-C端子を期待していたので少し残念です。電源はテレビなどのUSB Type-A端子に接続するか、Fire TV Stickに付属の充電器をつなげばOKです。
| 値段(税込) | 7980円 |
|---|---|
| サイズ | 99×30×14mm |
| 重量 | 42g |
| 映像出力 | 2160p、1080p、720p、最大60fps |
| ポート、コネクタ | HDMI(2.1、2.0、1.4b)、microUSB(電源用) |
| ストレージ | 8GB |
| 付属品 | Alexa対応音声認識リモコン(第3世代)、USBケーブル、電源アダプタ、HDMI延長ケーブル、単4電池2本 |
基本的な使い方とFire TV Stick 4K Selectにできること
Fire TVのホーム画面
ステップで進めていく初期設定を終えると、Fire TVのホーム画面が表示されます。Fire TVシリーズを使うには、Wi-Fiに接続している必要があるので気をつけてください。また、電波が悪いなどで通信速度が遅くなると、映像の再生が乱れたりできないこともあります。
Netflixにログインしてホームを表示したところ。動画も普通に再生できる
ホーム画面には動画コンテンツを再生できるアプリが並んでいます。YouTube、Netflix、PrimeVideo、ABEMAなど。基本的にはそれぞれにログインをして使うことになります。
操作は原則リモコンでおこなうので、テレビ感覚で利用可能。難しいことはないので、すぐに使いこなせるでしょう。低価格のFire TV Stick 4K Selectでもレスポンスは上々で、「遅い」と感じることはほとんどないはずです。
音声での操作も可能
音声で検索すると、画面の下に青いバーが表示される
Fire TV Stick 4K Selectでは、リモコンのマイクボタンを長押しして音声による操作ができます。たとえば、「YouTubeで戸田覚Bizを開いて」と話すと、該当のページが表示されるわけです。
「戸田覚ビズ」と認識されたが、問題なくYouTubeが開いた
ゆっくり丁寧に話せば、かなりの高認識率で利用できます。画面上のスクリーンキーボードで検索などをするよりも手軽に操作できるでしょう。
特に、テレビやプロジェクターでは重宝する使い方です。ライバルとなるとAndroid TVともさほど変わらずに操作可能です。
Fire TV Stick 4K Maxとの違い
上がFire TV Stick 4K Select、下がFire TV Stick 4K Max。本体はほぼ同じだ
今回登場したFire TV Stick 4K Selectと上位機のFire TV Stick 4K Maxは、2モデルともに本体の外観はほぼ共通です。
左がFire TV Stick 4K Select、右がFire TV Stick 4K Max。リモコンは少し違うができることは大差ない
ただし、性能の違いが色々あります。リモコンも上位モデルのほうが少し高機能です。
現在発売されているFire TVシリーズのスペックを以下にまとめてみました。左から右に行くほどグレードが高くなります。
Fire TV Stick 4K SelectとFire TV Stick 4K Maxの主な違いとして、Fire TV Stick 4K Selectは、高画質なDolby Vision(ドルビービジョン)と最新の立体音響技術であるDolby Atmosオーディオに対応していません。
このほか、Wi-Fi 6に非対応な点などが大きな違いとなります。ストレージの違いは、主にアプリのインストールの差です。
| デバイス名 |
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|---|---|---|---|---|---|
| 価格 | 6980円 | 7890円 | 9980円 | 1万2980円 | 1万9980円 |
| 解像度 | 1080p HD | 4K Ultra HD | 4K Ultra HD | 4K Ultra HD | 4K Ultra HD |
| 映像 | HDR10、HDR10+、HLG | HDR10、HDR 10+、HLG | Dolby Vision、HDR10、HDR10+、HLG | Dolby Vision、HDR10、HDR10+、HLG | Dolby Vision、HDR10、HDR10+、HLG |
| オーディオ | Dolby Encoded オーディオのHDMIパススルー | Dolby Encoded オーディオのHDMIパススルー | Dolby Atmosオーディオ | Dolby Atmosオーディオ | Dolby Atmosオーディオ |
| リモコン | Alexa対応音声認識リモコン | Alexa対応音声認識リモコン | Alexa対応音声認識リモコン | Alexa対応音声認識リモコンEnhanced | Alexa対応音声認識リモコンEnhanced |
| ストレージ | 8GB | 8GB | 8GB | 16GB | 16GB |
| Wi-Fi/イーサネット対応 | Wi-Fi 5 | Wi-Fi 5 | Wi-Fi 6 | Wi-Fi 6E | Wi-Fi 6 + イーサネットポート内蔵 |
| クラウドゲーム | - | Xbox(※近日対応予定) | Xbox | Xbox | Xbox |
| スマートホームカメラをピクチャーインピクチャーで表示 | - | - | ◯ | ◯ | ◯ |
| ハンズフリーでアレクサ | - | - | - | - | ◯ |
| HDMI入力ポート | - | - | - | - | ◯ |
| アンビエントディスプレイ | - | - | - | ◯ | - |
とはいえ、普通に使っているぶんにはほとんど違いを感じないでしょう。Fire TVのホーム画面もほとんど変わらず、同じに感じると思います。
Amazon Fire TV Stick 4K Maxのホーム画面。ほとんど同じに見える
新しいOS「Vega OS」を採用
Fire TV Stick 4K Selectの設定画面はデザインもよくとてもわかりやすい
Fire TV Stick 4K Selectは、Amazonが新開発した「Vega OS」を採用しています。これまでは、AndroidベースのOSを利用していましたが、独自のOSに切り換えることで低コスト化を実現したとも考えられます。
最大の違いは、アプリの対応です。従来のモデルはAndroidアプリの多くと互換性があり、ゲームも多数インストールできました。もちろん、リモコンでのゲームプレイが快適なものは限られますが。
Fire TV Stick 4K Maxは多くのゲームにも対応している
ところが、Vega OSはLinuxベースの独自OSなので、専用のアプリストアからしかインストールができず、現時点ではゲームは見当たりません。なお、ゲームに関しては、有料でXboxのクラウドゲームに今後対応予定としています。
有名なストリーミングサービスにはだいたい対応しているので、ほぼ動画を視聴するだけに使っている人なら困ることはないでしょう。もし、マイナーな配信サービスを利用したい場合には、対応しているかどうかを確認してから手に入れてください。
まとめ:手ごろな価格で4K動画を観たいなら買って損なし
新登場のFire TV Stick 4K Selectは、4K対応のFire TVが手ごろな価格で利用できるので人気になることは間違いないでしょう。特にセールでは安く手に入るのが魅力的です。
最近はテレビやプロジェクターにGoogle TVが内蔵されているケースが増えているので、以前ほどのニーズはないかもしれません。とはいえ、Fire TV Stick 4K Selectは価格が手ごろなので、古いパソコンのモニターやテレビをスマートテレビ化して楽しむなど、まだまだ活用の道は多くあるはずです。