第2世代「AirPods」レビュー、進化した完全ワイヤレスイヤホンを第1世代とも比較

大人気の完全ワイヤレスイヤホン「AirPods(エアポッド)」に第2世代となる新モデルが発表され、2019年3月下旬より販売スタートしました。名前は変わりませんが、本記事ではわかりやすいように「新型AirPods」と表記します。

新製品はイヤホンとしては1種類ですが、ケースが2種類登場しています。新型AirPods+ワイヤレス充電対応ケース(Wireless Charging Case)が2万2800円、新型AirPods+従来型のワイヤレス充電非対応ケース(Charging Case)が1万7800円となっています。

また、Wireless Charging Caseのみも8800円で販売されており、第1世代のAirPodsを入れて充電することが可能です。第1世代のAirPodsが1万6800円だったので、1000円ほど値上がりしたことになります。

価格(税別)
AirPods with Wireless Charging Case 2万2800円
AirPods with Charging Case 1万7800円
Wireless Charging Case 8800円

なお、第1世代AirPodsのレビューは以下の記事を参照してください。

非常に便利な音声によるSiri呼び出し

新旧モデルを比べても、まったく見分けが付きません。本体の形状はほぼ一緒と考えてよいでしょう。ワイヤレスチャージングケースは若干構造が変わり、充電のランプが正面に付きました。また、背面のペアリングポタンがやや上に位置しています。さらに、蝶番(ちょうつがい)の金属がおそらくステンレスからアルミへと変更されています。

また、よく見るとケースの色合いが若干明るくなっています。パッと見では、ケースもどちらが新しいのかはわかりにくい程度の差です。新型AirPodsでも、そのシンプルで便利な機能は継承しています。耳から外すと音楽が一時停止し、装着するとまた再生します。

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第2世代 AirPods 新型 完全ワイヤレスイヤホン

右が新AirPodsだが、見分けはまったく付かない

第2世代 AirPods 新型 完全ワイヤレスイヤホン
第2世代 AirPods 新型 完全ワイヤレスイヤホン

ケースは正面、背面ともに変わっている

加えて、Siriを新たに「Hey Siri」のウェイクワードで起動させられるようになり、ハンズフリー操作の幅が広がりました。

たとえば、新型AirPodsを耳に装着したまま声で「Hey Siri、ボリュームを下げて」と話しかけると、音楽がいったん小さな音になってSiriが認識したことがわかります。その上で音量を下げられます。天気などを訊いても音声で答えてくれるので、手が離せないときにはとても役立ちます。

ワイヤレス充電が気軽に利用できる

AirPodsは、ケースのサイズがコンパクトなのが特徴の一つです。ポケットに入れていてもほとんど負担がありません。市販の完全ワイヤレスイヤホンは数多くありますが、ケースが大きなものがほとんどで、AirPodsは最小クラスなので持ち歩きが便利です。

さらに、フル充電で最大5時間の再生が可能。ケースを利用すれば24時間以上の再生ができます。15分間ケースに入れておくだけで、3時間再生できるまで充電されます。バッテリー残量が、Siriに訊けるようになったのも便利です。

第2世代 AirPods 新型 完全ワイヤレスイヤホン

ケースから取り出せば充電ができている仕組みは変わらない

第2世代 AirPods 新型 完全ワイヤレスイヤホン

ランプの位置が外側になっただけで使い方は同様

これまで、充電はiPhoneと同様にLightning端子で接続していました。新型AirPodsでは、ワイヤレス充電に対応したケースが登場しています。

残念ながら、Appleから自社製のワイヤレス充電パッドは販売されない見通しですが、新型AirPodsはQi規格に対応するため、一般的なワイヤレス充電パッドが利用できます。ただし、スマホ向けのスタンドタイプはやや無理があるので、平置きのパッドをおすすめします。

なお、ワイヤレス充電に対応したケースもLightning端子は備えており、2種類の充電方法から選べます。

第2世代 AirPods 新型 完全ワイヤレスイヤホン

従来同様、Lightning端子も搭載する

第2世代 AirPods 新型 完全ワイヤレスイヤホン

ワイヤレス充電パッドも便利に使える

接続デバイスの切り替えも高速化

iPhoneで音楽を聴いていて、iPadで映画を観る、もしくはその逆など、デバイスの切り替えがしやすいのもAirPodsの特徴の一つです。新型AirPodsでは、この処理速度がさらに高速化しています。

実際に試してみたところ、数秒早くなったようです。これは、新しいApple H1ヘッドフォンチップの採用による工場です。デバイスの切り替えは2倍高速、通話の切り替えは1.5倍高速になったとしています。また、このチップの恩恵により、ゲームのレイテンシーが最大30パーセント低減しています。

以前から優れていたBluetoothの接続性ですが、こちらは試した限りでは、いい意味で変わりませんでした。満員電車に乗っても音楽が途切れるようなことは皆無で、気になる音質も明らかに向上しています。同じ音量で聴いてもボリュームが一段大きく、立体感が向上し低音の迫力もアップしています。

第1世代AirPodsの接続切り替え

新型AirPodsは切り替え速度が向上している

まとめ

新型AirPodsは、ワイヤレス充電やSiriが便利で、音質もアップしたイヤホンとして強く推奨します。実質1000円アップであれば間違いなくお買い得。ワイヤレス充電のスマホなどを使っているなら、ワイヤレス充電ケースのモデルがおすすめです。第1世代のAirPodsも人気が高く、売り切れが散見されました。欲しい人は早めのオーダーが賢明でしょう。

AirPods - Apple(日本)

構成・文:戸田覚

編集:アプリオ編集部