今回はソニーの「Xperia 1 IV(エクスペリア ワン マークフォー)」をレビューします。Xperiaの上位モデル最新シリーズとなり、高価なハイエンドスマホに属しています。NTTドコモ・ソフトバンク・auから販売されます。
最大の魅力は、光学ズームを採用したカメラ機能にありますが、そのほかにも他社スマホにはないさまざまな特長をもっています。
本体仕上げは高級そのもの
Xperia 1 IVは、非常に高級感のある本体仕上げとなっています。外観は前モデルのXperia 1 IIIとあまり変わっていません。また、Xperia Proシリーズとも近いデザインで、ぱっと見でXperiaらしい高級感が伝わってくる素敵な仕上げとなっています。カメラ部分に小さく印字されたZEISSの赤いロゴも素敵です。
本体はつや消し黒で、ダイヤモンドカットなどの装飾は皆無。高級なデジタルカメラに近い質感と言っていいでしょう。持つと金属フレームの硬さが手に伝わってきます。
ディスプレイとフレームの間もピタリと仕上げられていて、とても素敵です。ディスプレイはCorning Gorilla Glass Victusを採用しており、上質で頑丈。非常に高級でシンプルな仕上げは、物欲をそそること間違いありません。

細長いボディーはXperiaシリーズらしいデザイン

真っ黒のつや消し一色の本体が素敵だ

ZEISSのロゴは、カメラ好きにはたまらない
ディスプレイは6.5インチ、細長く持ちやすい
Xperia 1 IVは、縦横比が21:9というワイドなディスプレイを採用しています。これによって、本体の横幅が狭くスリムで持ちやすくなります。今回は、Galaxy S22 Ultraと比較してみましょう。
Xperia 1 Ⅳ | Galaxy S22 Ultra | |
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ディスプレイサイズ | 6.5インチ | 6.8インチ |
本体サイズ(高さ×幅×厚さ) | 165×71×8.2mm | 163.3×77.9×8.9mm |
横幅はXperia 1 IVのほうが7mm近く短いのでぐっと持ちやすくなります。逆に高さは、Xperia 1 IVが微妙に大きい程度の差です。画面サイズは対角線の距離をインチで表示しているので、細長いほどサイズの割に面積が広くならないというわけです。

Galaxy S22 Ultra(左)と比べると細長いことがよくわかる

やや文字は小さくなるが、情報量は満足できるだろう
性能は文句なし、カメラボタンを搭載
CPUはSnapdragon 8 Gen 1を搭載し、RAMが12GB、ROMが256GBです。素晴らしい性能ですが、カメラにこだわるモデルとしてはストレージがもう少し欲しいところでしょう。特に4K動画を撮影すると、すぐにストレージが一杯になってしまいます。ただし、microSDカードは利用できるので、いざとなったら増設することができます。
指紋センサーは本体の脇に配置しており、最近トレンドの画面内蔵タイプではありません。フィルムを貼る際にはこちらのほうが便利ですが、車への取り付けなどで使いづらくなるケースもあるので、良し悪しはユーザーによります。
指紋センサーの下にはカメラのシャッターボタンを搭載するので、デジカメ感覚での撮影が手軽にできます。音量調整ボタンの流用とは違って、ベストな位置で使いやすいのがポイントです。本体の上部には3.5mmイヤホンジャックを搭載。高級なケーブル接続イヤホンを愛用している人には嬉しい配慮です。
縦長の画面を活かして、画面分割機能が使えるのも特徴の一つ。2分割してもそれぞれの画面が使いやすい縦横比になります。独自のメニュー「サイドセンス」からも簡単に分割できるようになっています。

電源ボタンと指紋センサーが一体化している

ボディの下部分にはUSB Type-CポートとSIMのスロットを配置

本体上部にはイヤホンジャックを搭載

細長い画面は分割しても使いやすい


タスク切り替えや「サイドセンス」から、簡単に画面を分割できる
12MPカメラを3つ搭載、望遠レンズは85〜125mm
アウトカメラは3つ搭載し、すべて1200万画素です。16ミリの超広角、24ミリの標準、85~125ミリの望遠となっています。望遠レンズが最大の特徴で、85~125ミリまでの間で自由に焦点距離を変えられるのです。
ズームが自由に使えるようになると、遠くの被写体を拡大して撮影できます。また、近くの被写体を撮影する際にも、あえてズームを使うことでゆがみを押さえられます。カメラ好きにはたまらないスマホというわけです。なお、動画撮影には、独自の高性能アプリ「Cinema Pro」も利用できます。
今回は、Galaxy S22 Ultraと写真を比べてみました。当日は今にも雨の降りそうな曇り空だったので、写真がやや暗い点はご容赦ください。

標準カメラで撮影。どちらも自然で美しいが、Galaxyのほうが明るい

超広角で撮影。Galaxyのほうが広く撮れるが、自然なのはXperiaだ

Xperiaの3.5倍ズームで撮影。Galaxyも表示上の倍率を合わせた。Xperiaのほうが葉がくっきりしている

同じくXperiaの5.2倍ズームに合わせた

花を近くから撮影。Xperiaのぼけ方も素敵だ

標準カメラで撮影するとこのようにゆがんでしまう

3.5倍ズームで少し離れて撮影すると、このように見た目に近い正しい形の撮影が可能だ
20万円近い価格が課題
Xperia 1 IVは非常に魅力的なスマホですが、ドコモの新規契約一括払いで19万872円(税込)と驚くほど高価です。とはいえ、ほかの製品も値上がり傾向でGalaxy S22 Ultraも、同じくドコモの新規契約一括払いで18万3744円(税込)となっています。つまり、スマホが全体的に値上がりしているわけです。
カメラ好きな人にはおすすめのモデルですが、スマホにこれだけの金額を出せるかどうかが判断の分かれ目になるでしょう。今後は、上位モデルのスマホの20万円近い価格設定が当たり前になってくるかもしれません。