ワイヤレス充電に対応したスマートフォンが増えてきました。iPhoneの新モデルはもちろん、Androidスマートフォンでも上位モデルは多くがワイヤレスで充電できます。それに伴って、市販のワイヤレス充電器も矢継ぎ早に登場。もはや選ぶのが大変なほどです。そこで今回は、最新のワイヤレス充電器のおすすめモデルをまとめました。
なお、本記事ではiPhone、Androidスマートフォンへの充電について説明していますが、すべてスマホ自体がワイヤレス充電に対応していることが前提になります。たとえば、iPhoneの場合はXSシリーズ、XR、X、8シリーズが対応しています。iPhone 7シリーズ等はワイヤレス充電自体ができません。
ワイヤレス充電器の選び方 3つのポイント
ワイヤレス充電器は、「スタイル」「出力」「価格」の3つの視点で選ぶのがおすすめです。
「スタイル」を決める(スタンド/平置き)
ワイヤレス充電器には、直立しているスタンドタイプと平置きタイプがあります。それぞれのポイントをまとめておきましょう。
大きく分けて、スタンドタイプと平置きタイプがある
スタンドタイプ
机の上で比較的置き場所を取りません。また、時計などの情報を表示しながら使うことも可能です。見逃せないのが、スタンドタイプは位置がぴったり決まることです。
スタンドタイプのセンターに併せてスマホを立てかけることで、位置がずれることがほとんどありません。非常に使いやすく、充電に失敗することが少ないので、以前まではこのタイプをおすすめしていました。
ところが、最近増えているワイヤレスイヤホンを充電できないという重大な欠点があります。ワイヤレスイヤホンを使わない人にはおすすめです。
スマホを立てかけて充電できるスタンドタイプ
平置きタイプ
机やテーブルの上に置くパネルのような充電器で、上にスマホを置けば充電が始まります。シンプルで元祖とも言えるスタイルなのですが、スマホの位置がずれてしまうと充電できません。夜寝ている間に充電しようと思っていても、若干ずれているだけで朝電池が足りない——という状況もあるので、ずぼらな方にはおすすめしません。
ただ、前記のようにワイヤレスイヤホンも充電したいなら、このタイプを選ぶべきです。
平置きタイプはスマホを上に置く。位置がずれると充電できないので注意が必要
平置きタイプは、ワイヤレス充電対応のイヤホンも利用できる
充電するスマホに応じて「出力」も注意
ワイヤレス充電器は「Qi」と呼ばれる規格に準拠している製品がほとんどです。スマホも、Qiに対応していれば充電可能です。
出力は、これまでは5Wのものが主流でした。しかし、最近は10Wに充電できる製品が増えて、一般的になっています。さらに、iPhoneを急速充電するなら、7.5Wに対応した製品を選ぶべきです。
5Wでも、ほとんどのAndroidスマートフォンとiPhoneに充電が可能です。しかし、出力が低いと充電時間が長くかかります。今回紹介する製品は、すべて7.5Wに対応しています。
iPhoneの急速充電は7.5W。対応しているモデルは明記されている
Androidスマートフォンは、スマホ自体が対応している出力が異なります。新しいモデルは10Wに対応している製品が多くなっています。たとえば、Galaxy S10シリーズは12Wに対応していますが、充電器の選択肢がほとんどありません。無難な選択として10W対応のモデルを選ぶとよいでしょう。
なお、10W対応の充電器でも、7.5Wでは充電できない製品もあります。iPhoneを充電するなら、必ず7.5Wへの対応をチェックしてください。モデルが古く、安売りされている5Wのモデルも、やや充電が遅いことを承知ならおすすめです。
こちらも7.5Wに対応しているモデル。最大出力は10Wだ
「価格」を左右するのはコンセントにつなぐ充電器
ワイヤレス充電器自体をコンセントにつなぐ充電器が付属している製品としていない製品があります。ワイヤレス充電器の出力が7.5W・10Wのモデルは、充電器がQuickCharge 3.0・2.0に対応してることが求められる製品がほとんどです。
つまり、適当な充電器やパソコンなどに接続しても、急速充電ができないのです。適切な充電器を所有していないなら、付属している製品を選ぶのが正解です。ただし、そのぶん価格は高くなります。
スタンダードタイプのおすすめワイヤレス充電器5選
スタンダードタイプのおすすめワイヤレス充電器を5つ紹介します。いずれも充電に特化したスタンドタイプ、または平置きタイプのモデルです。
Anker PowerWave 7.5 Pad(アンカー)
最大10Wの出力に対応するパッドタイプの充電器です。7.5WでiPhoneにも充電可能。価格は4599円で、QuickCharge 3.0に対応する充電器も付属します。やや大きめですが、上面が滑りにくい素材で質感も良好です。
Anker PowerWave 7.5 Stand(アンカー)
最大10Wの出力に対応し、7.5Wでも充電できるスタンドタイプのモデルです。この製品は充電器が付属せず価格は2799円ですが、充電器が付属して価格が4999円のモデルもあります。スマホを置いても位置がずれにくいのが特徴で、コンパクトなので机の上で場所を取りません。
W-QA06BK (エレコム)
7.5W・10Wに加え、サムスンの9Wにも対応するモデルです。充電器は付属しないので、QuickCharge2.0対応の充電器を別途用意する必要があります。やや小さめなので机の上で場所を取りませんが、スマホの位置はしっかり合わせる必要があります。
BOOST UP ワイヤレス充電パッド(ベルキン)
シンプルなワイヤレス充電パッドで、充電器が付いて3980円と手ごろな価格です。出力は10Wで、iPhoneの7.5W、サムスンの9Wにも対応しています。
BOOST UP ワイヤレス充電スタンド(ベルキン)
まるで平置きの充電パッドを立てたようなスタイルのスタンド充電器です。最大の特徴は、スマホを縦横どちらに置いても充電できること。出力は10Wで、iPhoneの7.5W、サムスンの9Wにも対応しています。
ワザありタイプのおすすめワイヤレス充電器4選
通常の充電に加えて、プラスαの性能を持ったワザありタイプのおすすめモデルを4つ紹介します。
Anker PowerWave+ Pad with Watch Holder(アンカー)
最大10W、iPhoneは7.5Wに対応した充電パッドに、AppleWatchを充電するためのホルダーが付いています。ワイヤレス充電用の充電器は付属しますが、Apple Watchの充電のためには別途専用のケーブルと対応する充電器が必要になります。価格は4099円と案外手ごろなので、Apple Watchユーザーには魅力的です。
IXPAND ワイヤレスチャージャー(サンディスク)
充電中にiPhoneやAndroidスマートフォンをバックアップできるという、一石二鳥のワイヤレス充電器です。最大10Wでの充電に対応し、ストレージは256GB備えています。家族の写真をそれぞれ別にバックアップすることも可能です。実際に使ってみると、バックアップはWi-Fiで接続するのでとても早くて快適でした。
販売はauとソフトバンクのキャリアショップになります。ソフトバンクセレクションの価格は3万2112円です。
SuperMobileCharger(CIO)
8000mAhのモバイルバッテリーに加え、PD(18W)の充電に対応する充電器、さらには10W(7.5W対応)のワイヤレス充電器の機能も持っているというマルチな製品。8.2センチ角とやや大きく、バッテリーとしては240グラムと重いのがネックですが、いろいろな用途に使えるのが便利です。
本体を直接コンセントに挿してバッテリーを充電できる
Anker PowerWave 7.5 Car Mount(アンカー)
車でもワイヤレス充電は可能です。スマホを固定するカーマウントを兼ねたワイヤレス充電器で、車内では面倒なケーブルの抜き差しが不要になるため、使い勝手がよいのが特徴。10W・7.5Wの充電にも対応するので、iPhoneやAndroidスマートフォンを急速充電できます。ただし、充電にはQuickCharge2.0、3.0に対応した充電器が必要です。
車に取りつけてナビとして使いながら、ワイヤレスの急速充電が可能だ
まとめ
ワイヤレス充電は、ケーブルに比べると充電速度は劣ります。しかし、スマホを置くだけで充電できる手軽さはもちろん、イヤホンなども充電できるといったように利便性が日々増しています。価格もこなれてきたので、そろそろ購入のチャンスです。
本記事の内容を中心に、ワイヤレス充電器の選び方を動画でもまとめています。ぜひご覧ください。
構成・文:戸田覚
編集:アプリオ編集部