LINEは2016年9月5日、MVNO(格安SIM)サービス「LINEモバイル」を開始しました。9月5日14時から2万契約限定で先行販売。その後、10月1日から本販売をスタートします。利用料金は月額500円(税別)からで、端末セット販売もおこなわれます。
ここではLINEモバイルのサービス内容についてざっくり解説します。
料金表記について
以下、特に記載のない限り税別表示です。
LINEモバイルの料金プラン
LINEモバイルには大別して2種類の料金プラン、すなわち「LINEフリー」プランと「コミュニケーションフリー」プランが提供されます。いずれも一部のデータ通信量が使用容量にカウントされない「カウントフリー」の仕組みを採り入れている点が大きな特長です。
利用する回線はNTTドコモ回線(下り375Mbps、上り50Mbps、低速時200kbps)。MVNEはNTTコミュニケーションズです。
ざっくり解説:NTTコミュニケーションズ(MVNE)がNTTドコモ(MNO)から回線を借り、LINEモバイル(MVNO)に貸し出す仕組み
LINEフリープラン
LINEフリープラン
LINEフリープランは、毎月1GBのデータ容量に加え、LINEのトークや音声通話、画像・動画の送受信、タイムライン投稿・閲覧が使い放題となる料金プラン。1GBの中に使い放題部分は含まれません。
料金は「データ通信のみ」SIMが月額500円、「データ通信+SMS」SIMが月額620円、「データ通信+音声通話」SIMが月額1200円(音声通話は20円/30秒)。初月の月額基本料は無料です。
当月で余ったデータ容量は翌月末まで繰り越し可能。また、データ容量が不足した場合の通信速度は200Kbpsの低速に切り替わるものの、別途データ通信量を0.5GBあたり500円で追加購入することで高速通信に戻すこともできます(0.5GB/1GB/3GBごとに購入可)。
留守番電話(月額300円)や割込通話(月額200円)のほか、国際電話/国際ローミングにも対応します。
コミュニケーションフリープラン
コミュニケーションフリープラン
コミュニケーションフリープランは、LINEフリープランの強化版だと考えればよい料金プラン。LINEだけでなくFacebookとTwitterも使い放題の対象となります(※1、※2)。データ容量は3GBと5GB、7GB、10GBから選択可能。
料金は、「データ通信+SMS」SIMが月額1110円から、「データ通信+音声通話」SIMが月額1690円からとなっています。LINEフリープランと異なり、SMS機能なしの「データ通信のみ」SIMはありません。
その他の仕組みはLINEフリープランと同じです。
※1 Facebookで使い放題となるデータ通信
タイムライン・ニュースフィードの投稿、リクエスト、お知らせ、その他の画面表示、プロフィール編集。
※2 Twitterで使い放題となるデータ通信
タイムライン、ホーム、ニュース、通知、メッセージ、プロフィールの編集。
カウントフリーの注意点
LINEモバイルの目玉機能である「カウントフリー」ですが、使い放題の対象となる通信が限定されている点に注意が必要です。
特に注意すべきは、動画ストリーミングサービスに関するデータ通信が使い放題の対象外となっていること。LINE LIVEやFacebookのライブ動画、Twitterのライブ動画ストリーミング(Periscope)で動画を視聴しすぎると、データ容量を消費してしまいます。
また、LINEが提供する「LINE」アプリ以外のサービスやFacebookメッセンジャー、外部リンクへの接続などもカウントフリーの対象外です。
LINEモバイルならではのサービス
LINEモバイルならではのサービスとして注目すべきは、MVNOであるにもかかわらずLINE ID検索機能が可能となる点です(18才以上)。これまでLINEのID検索機能は通信キャリアの年齢確認システムに依存していたため、MVNOユーザーだと基本的にID検索機能を利用できませんでした。ID検索を使えないというデメリットがあるために格安SIMに手を出していなかったユーザーにとっては朗報でしょう。
また、LINEモバイルのデータ通信専用SIMでは、電話番号によるSMS認証やFacebookアカウント連携がなくてもアカウントを新規で作成できます。ここも従来と異なる部分です。
さらに、フィルタリングサービスの無償提供や、LINEモバイル公式アカウントを利用したカスタマーサポート(新規申し込みやマイページ機能、データ残量確認機能、データプレゼント機能などを利用できる)などもLINEならではのサービスだと言えます。LINEモバイルユーザー同士なら誰とでもデータ容量をプレゼントし合えるのも面白い特徴です。
LINEモバイル公式アカウントによるカスタマーサポート
支払い方法には、クレジットカード(LINE Payカードを含む)だけでなくLINE Pay(クレジットカード登録が必要)による決済も用意されています。LINE Payカードは銀行口座とコンビニ、ペイジーなどから電子マネーをチャージできるため、LINE Payカードを決済手段として選択すれば、クレジットカード不要でLINEモバイルと契約可能です(申込時、決済手段選択画面でクレジットカード支払を選択し、LINE Payカード情報を登録すればよいと説明されている)。
そのほか、LINEポイントとも連携。月額基本料の1%がLINEポイントとして貯まります。
端末セット購入も可能
セット購入できるSIMフリー端末
LINEモバイルでは、SIMのみの契約だけでなく、端末をセット購入することも可能です。低価格モデルから最新端末まで全8機種がラインナップしています。
セット購入する端末ではSIMが挿入された状態になっているので、すぐに使いはじめることができるとのことです。
カウントフリーの仕組み
カウントフリーを実現する上で多くのユーザーが感じるのが「通信の秘密が守られるのか?」という疑問です。
この点、カウントフリー対象となるサービスは、MVNEであるNTTコミュニケーションズの保有設備において、IPアドレスやポート番号、パケット内容のヘッダの一部によって機械的および自動的に識別すると説明されています。言い換えれば、LINE社が、テキストや動画、画像などのデータ内容をチェックして、カウントフリーの対象となるか否かを判別するわけではないということです。
また、カウントフリーを導入する上で利用申込時の明確な個別同意を必要とすることとされており、その同意がなければLINEモバイルの利用は不可となります。
LINEモバイルの申し込み
現在、LINEモバイルの申し込みは公式サイトのみに限定されています。
今後、家電量販店などのリアル店舗でも販売される見通しです。