ソフトバンクユーザーのなかには、月額料金を下げたいといった理由でワイモバイルへの乗り換え(番号移行)を検討している人も多いのではないでしょうか。乗り換えを検討するときに気になるのが、どんなメリット・デメリットがあるのかという点です。
本記事では、ソフトバンクとワイモバイルをデータ容量・料金・特典などの観点で比較しながら、乗り換えのメリット・デメリットをまとめています。自身の使用状況と照らし合わせながら、乗り換えの判断材料としてみてください。
下記の記事では、ソフトバンクからワイモバイルの乗り換えに使える最新のキャンペーン・手順を詳しく解説しています。
ソフトバンクからワイモバイルに乗り換えるデメリット
ソフトバンクからワイモバイルに乗り換えるときに気になるのが、乗り換えで生じるデメリットです。ここでは、ワイモバイルに乗り換えたときのデメリットを具体的に解説します。
データ容量無制限プランを選べなくなる
ソフトバンクには、毎月のデータ使用量に制限のない「メリハリ無制限+」(月額7425円)、「ペイトク無制限」(月額9625円)というプランがありますが、ワイモバイルにはデータ容量無制限のプランはありません。

ワイモバイルの「シンプル2」は、データ容量ごとにS/M/Lの3種類からプランを選べます。ワイモバイルで毎月のデータ容量を最大限増やしても、合計40GB(シンプル2 Lの35GB+データ増量オプションの5GB)までとなります。
40GBを超えて通信速度が低下したときは、データ量を追加購入できます。ただし、データ量を追加購入しても、1回あたり550円で0.5GBしか追加できないため、あまりコスパが良いとはいえません。
契約者特典の充実度が下がる


ワイモバイルに乗り換えると、ソフトバンクのスーパーPayPayクーポンやエンタメ特典などが使えなくなる
ワイモバイルに乗り換えると、対象のPayPay加盟店で最大半額相当のPayPayポイントが戻ってくる「スーパーPayPayクーポン」や、サブスクの月額料金から毎月最大20%分のPayPayポイントが付与される「エンタメ特典」が使えなくなります。
さらにワイモバイル契約者の特典は、ソフトバンクに比べてPayPayポイントの付与率が下がったり、サブスクの無料期間が短くなったりしてしまいます。
ソフトバンク | ワイモバイル | |
---|---|---|
最大半額相当戻る「スーパーPayPayクーポン」(※1) | ◯ | ✕ |
Yahoo!ショッピングのポイント付与率がアップ | 最大17% | 最大12% |
エンタメサービスの利用で毎月最大20%のポイント付与(※2) | ◯ | ✕ |
LINE MUSIC 6カ月無料特典 | ◯(無料期間終了後、1年以上の利用で毎年PayPayポイント500pt付与) | ◯ |
YouTube Premiumバリュー特典(※3) | ◯(4カ月無料+5カ月目以降も毎月20%オフ) | ◯(1カ月無料+2カ月目以降も10%オフ) |
Perplexity Pro 1年間無料特典 | ◯ | ◯ |
Apple TV+ 3カ月無料特典 | ◯(無料期間終了後、毎月月額料金の5%分のPayPayポイントを付与) | ◯ |
Apple Arcade 3カ月無料特典 | ◯(無料期間終了後、毎月月額料金の5%分のPayPayポイントを付与) | ◯ |
長期継続特典(毎年誕生月にPayPayポイント1000pt付与) | ◯ | ✕ |
子育て応援特典(子どもが12歳になるまで毎年PayPayポイント1000pt付与) | ◯ | ✕ |
※1:クーポンのポイント付与率は対象加盟店により異なる
※2:Netflix・U-NEXT・Huluなどのサブスクが対象
※3:過去にYouTube PremiumまたはYouTube Music Premium(無料キャンペーンを含む)を契約したことがある人は無料特典だけ対象外
上表のとおり、Yahoo!ショッピングの最大ポイント付与率は5%減ってしまいます。
また、ソフトバンクユーザーだとYouTube Premiumの無料期間が4カ月分付与されるのに対して、ワイモバイルユーザーは1カ月分だけ。2カ月目以降に適用されるYouTube Premium月額料金の割引率も、ソフトバンクユーザーより下がってしまいます。
家族間の無料通話がなくなる
ソフトバンクは「家族割引」を使うことで、家族同士の国内通話が24時間無料になります。血縁・婚姻関係にある家族なら離れて暮らしていても対象となり、同一住所であれば別姓でも対象です。1グループにつき最大10回線まで登録できます。


ワイモバイルのシンプル2を契約すると、月額880円(シンプル2 Lの契約者は無料)の「国内通話10分かけ放題」や、月額1980円の「スーパーだれとでも定額+」などのかけ放題プランを追加できますが、家族割引による無料通話特典はありません。
しかし、家族間の通話に無料のLINE通話を普段から使っているのであれば、無料通話のオプションがなくてもさほどデメリットではないといえます。
ソフトバンクメールを継続するなら月額330円かかる

ワイモバイルに乗り換えたタイミングでソフトバンクのキャリアメールは使えなくなります。解約後31日以内にMy SoftBankで申し込めばキャリアメールを継続できますが、1メールアドレスで月額330円(年額だと3300円)かかってしまいます。
- @i.softbank.jp
- @softbank.ne.jp
- @●.vodafone.ne.jp
- @disney.ne.jp
- @y-mobile.ne.jp
- @willcom.com
- @pdx.ne.jp
- @●●.pdx.ne.jp
ちなみに、ワイモバイルの初期登録をおこなえば、Y!mobileメール(@yahoo.ne.jp)を無料で使えるようになります。ソフトバンクのメールボックス容量は200MB(最大5000件)ですが、Y!mobileメールなら容量無制限で使えます。
詳細は「無料のY!mobileメールを使える」で解説しています。
取り扱い機種の種類が減る


ワイモバイルで販売されている機種の例
格安SIMにありがちなのが、取り扱い機種が限られていることです。
実際にワイモバイルとソフトバンクの公式サイト(2025年5月時点)を見比べてみると、ソフトバンクではiPhone 16シリーズ(iPhone 16e/iPhone 16 Pro/iPhone 16 Pro Max/iPhone 16 Plus/iPhone 16)が全種類揃っているのに対し、ワイモバイルはiPhone 16eしか販売されていません。
ソフトバンクではAndroidスマホのラインナップも豊富ですが、ワイモバイルはPixelだと8aのみ、GalaxyはA25 5Gのみの取り扱いとなっています。
キャリアから最新機種を購入して使いたい人や、幅広いラインナップから選びたい人にはあまりおすすめできません。
ソフトバンクからワイモバイルに乗り換えるメリット
ソフトバンクからワイモバイルに乗り換えると、月額料金が安くなる、安いわりに通信速度が安定している、などのメリットがあります。以下では、乗り換えのメリットを詳しく解説しています。
月額料金が安くなる
ソフトバンクとワイモバイルの違いとして着目したいのは、何といっても月額料金の安さです。

ワイモバイルの料金プラン「シンプル2」は、S(4GBまで)、M(30GBまで)、L(35GBまで)の3種類。ソフトバンクのように大容量プランやデータ容量無制限プランは提供されていないため、普段使うデータ量が小容量か中容量程度ならワイモバイルで契約するのがおすすめです。
プランの最低料金を見ると、ソフトバンクの「ミニフィットプラン+」は1GBまでの利用でも3278円かかりますが、ワイモバイルなら4GBまでのプラン(シンプル2 S)が毎月2365円の支払いで済みます。毎月30GBまでの利用で比較してみても、ワイモバイル「シンプル2 M(4015円)」とソフトバンク「ペイトク30(7425円)」で、ワイモバイルは3400円ほどお得に使えます。
通信速度が安定している
格安SIMのデメリットとしてよく挙げられるのが、通信速度の低下です。料金が安い反面、通信品質に不安をおぼえる人もいるかもしれません。この点、ワイモバイルはソフトバンクの自社回線を利用してサービス提供しているため、大手キャリアと遜色ない安定した速度で利用できると考えて差し支えありません。
ワイモバイル | ソフトバンク | |
---|---|---|
朝 |
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|
夕方 |
|
|
※引用元:みんなのネット回線速度「Y!mobile(ワイモバイル)の通信速度レポート」「ソフトバンクの通信速度レポート」より。2025年4月24日時点
※「下り」はデータ受信(Webサイトの閲覧・メール受信など)、「上り」はデータ送信(メール送信、SNS投稿など)を指す。「Ping」はネットワークの疎通にかかる時間(タイムラグ)を表している
上表は、東京都内で計測したソフトバンクとワイモバイルの平均通信速度(直近3カ月分)です。「下り」と「上り」の数値が大きいほど通信速度が速く、Pingの数値が小さいほど送受信のタイムラグが少ないことがわかります。
朝の時間帯はソフトバンクのほうが下りも上りも通信速度が速いですが、ワイモバイルの下り速度も快適な通信速度の目安とされる30Mbpsを超えているため、ウェブサイトの閲覧やメール受信は問題なくおこなえます。実際に通勤時間帯の混雑した地下鉄でワイモバイルの回線を使っても、ネット接続が重くなることはなくサクサクと使えている印象です。
なお、通信速度は端末を使用している場所や時間帯によって変動するため、あくまでも表の数値は参考程度としてください。
LYPプレミアムを引き続き無料で使える

ソフトバンクの契約者はLINEヤフーのサブスク「LYPプレミアム」を追加料金なしで使えますが、ワイモバイルに乗り換えても変わらず無料で使えます。
ただし、下記の対象プランを個人契約しているユーザーでないとLYPプレミアムを無料で使えないため注意してください。
- シンプル2 S/M/L
- シンプルS/M/L
- スマホプラン/スマホベーシックプラン
- データプラン/データベーシックプラン

ワイモバイルユーザーはYahoo!ショッピングで最大12%付与
LYPプレミアム会員は、「Yahoo!ショッピング」「LOHACO」「クイックマート」の買い物で常にPayPayポイントの付与率が+2%アップし、ワイモバイルに契約していればさらに+5%上乗せされます。これにより、ワイモバイルユーザーは常に最大12%のポイント付与率となります。
なお、ワイモバイルユーザーがLYPプレミアムの特典を使うには、ワイモバイルの初期登録やYahoo! JAPAN IDとPayPayアカウント・LINEアカウントの連携が必要です。アカウント連携の手順や注意点は下記の記事で解説しています。
店舗サポートも受けられる
ワイモバイルとよく比較される、ソフトバンクのオンライン専用ブランド「LINEMO」には店頭サポートがありません。格安SIMには、各種手続きやサポートがオンライン限定となっているものも多く、自力で手続きなどができるか不安に感じる人もいるのではないでしょうか。
ワイモバイルなら、ショップで対面のサポートを受けられるため安心です。2024年9月時点のソフトバンクの店舗数は2631店舗、ワイモバイルは450店舗ほど。ソフトバンクに比べるとワイモバイルの店舗数は少ないですが、ソフトバンクショップのなかにはワイモバイル取り扱い店もあるため、まずは自宅周辺など行きやすいエリアで店舗を探してみるとよいでしょう。



ネットでワイモバイルショップの来店予約ができる
ワイモバイルの公式サイトからワイモバイルショップを検索すると、来店予約ができます。曜日や時間帯によっては店舗が混雑する可能性もあるため、あらかじめ予約しておくとスムーズです。
店舗では、機種変更・乗り換え・新規契約などの手続きをおこなえます。データ移行や初期設定なども同時にサポートしてもらえますが、追加料金がかかる場合があります。

ワイモバイルとソフトバンクには「店頭スマホサポート」というサービスがあり、個人向けには定額プラン・有料プラン・無料プランが提供されています。
無料プランだとMy Y!mobileアプリやY!mobileメール、PayPay・Yahoo!ショッピングなどのワイモバイル関連サービスのサポートを受け付けています。有料プランならデータ移行(3960円)、Apple Account・Googleアカウントの設定(1100円)などをサポートしてもらえます。
定額プランは、データ移行やアカウント設定などを含む全25種類のサポートが月々990円で使い放題となるサービスです。
無料のY!mobileメールを使える

ワイモバイルを契約し「ワイモバイルの初期登録」をおこなうと、Y!mobileメールを無料で使えるようになります。Y!mobileメール(@yahoo.ne.jp)はYahoo!メール(@yahoo.co.jp)と異なり、ワイモバイルが提供しているメールサービスです。
Y!mobileメールの容量は無制限です。Android版アプリとブラウザ版があり、スマホ・PC・タブレットで操作できます。Android版アプリにはメールの表示形式が2種類用意されており、通常のリスト型と、チャットのような見た目の会話型に切り替えられます。

iPhoneだと「Yahoo!メール」アプリでY!mobileメールが使える
iPhone向けにはY!mobileメールのアプリは提供されていません。ただし、iOS版の「Yahoo!メール」アプリでYahoo! JAPAN IDのアカウントをY!mobileメールに切り替えれば、Y!mobileメールを使えます。
【結論】ワイモバイルに乗り換えるべきなのはどんな人?
前述したメリット・デメリットを踏まえると、ソフトバンクからワイモバイルに乗り換えるべきなのは次の人です。
月々のデータ使用量が35GB以下の人

毎月のデータ使用量が35GB以下の人なら、ソフトバンクよりもワイモバイルがおすすめです。ソフトバンクにも小容量・中容量プランはありますが、ワイモバイルのほうが料金をおさえられます。ただし、ソフトバンクの「スマホデビュープラン+」のユーザーがワイモバイルに乗り換えると損してしまう場合もあるため、乗り換えは慎重に検討しましょう(後述)。
一方で、月々のデータ使用量が35GBを超える人や、データ無制限で使いたい人にはワイモバイルは不向きです。データ使用量が多い人がソフトバンクからの乗り換えを検討しているのであれば、月額3168円でギガ無制限になる楽天モバイルがおすすめです。
今よりも月額料金を下げたい人
ワイモバイルはソフトバンクよりも基本料金の時点で安いですが、割引サービスを追加すればさらに月々の料金をおさえられます。

上表には、毎月30GBまで使えるワイモバイルの「シンプル2 M」とソフトバンクの「ペイトク30」に割引サービス(「おうち割 光セット」「PayPayカード割」「ワイモバ親子割」「新みんな家族割」)をそれぞれ適用した金額を記載しています。
ソフトバンクは割引を複数適用しても、基本料金が高いこともありワイモバイルのお得感には勝てません。ワイモバイルの「ワイモバ親子割」は2025年6月2日に終了しますが、キャンペーン終了後も割引前の約半分の料金で使えるためお得です。


ワイモバイルはソフトバンクよりも基本料金が安いケースがほとんどで、毎月のデータ使用量が35GBを超えなければワイモバイルを契約したほうがお得です。
ただし、ソフトバンクの「スマホデビュープラン+」(5〜22歳で新規契約、ガラケーから乗り換え・機種変更する人が対象)に契約中の人で、現在のデータ容量で足りるのであれば、ワイモバイルに乗り換える必要はあまりないといえます。
スマホデビュープラン+ | シンプル2 | |
---|---|---|
4GBまで | 1078円(14カ月目からは2266円 ※) | 2365円 |
20GBまで | 2728円(14カ月目からは3916円 ※) | - |
30GBまで | - | 4015円 |
※:「1年おトク割+」が適用されると、契約月の翌月から12カ月間だけ1188円割引となる
ソフトバンクの「スマホデビュープラン+」(4GB/月)とワイモバイルのシンプル2 S(4GB/月)を比較すると、ソフトバンクのほうが100円ほどお得です(「1年おトク割+」の適用中は1100円ほどお得)。
また、「スマホデビュープラン+」には、ワイモバイルでは提供されていない20GBまでのプランがあります。20GBでちょうど良いと感じるなら、今のプランを継続することをおすすめします。