スマホ画面に表示されたテキストを簡易朗読してくれる「読み上げ」機能。この機能を利用すれば、KindleやGoogle Play ブックスなどで購入した電子書籍などを読み上げてくれるので、いま人気の「オーディオブック」代わりに使うこともできます。
本記事では、スマホの読み上げ機能が役立つ場面や設定方法などを紹介した上で、書籍の内容をプロのナレーターらが朗読するオーディオブック(通常は有料)とも使用感を比較してみました。
利用シーン
両手がふさがっていたり、動きながらでも聴けたりするので、運動中や掃除中のお供にぴったり。また聴き流しは、活字を読むのが苦手な人にもおすすめです。その他にも以下のような場面でも、より便利に使えるでしょう。
- 食器洗いや洗濯をしながら
- おやすみ前に
- ドライアイや老眼などで本を読むのがつらい人に
- 買った本を消化できない・積読状態の人に
- 文字を読むと眠くなってしまう人に
電子書籍を音声で聴く方法と機能の設定方法
電子書籍の朗読を聴く方法は、オーディオブックアプリを使う方法と、スマホやアプリの読み上げ機能を利用する方法があります。
オーディオブックアプリを使う
左:有名人のナレーション起用多い「audible」右:安価な月額料の「audiobook.jp」
書籍の内容をプロのナレーターや声優が朗読してくれるオーディオブックアプリ。定額サービスなら月額750円〜1500円程度で雑誌や単行本などを聴き放題で楽しめます。ナレーターや声優をはじめ、堤真一さんや田中麗奈さんなどの有名人がナレーションを務める作品もあり、ちょっと難しい本でも楽しく聴けるかもしれません。詳細は下記特集を参照。
iPhoneに標準搭載の読み上げ機能を使う
左:WEBサイトの記事右:Kindle
iOSには「読み上げ」機能が搭載されており、機能を使うことで機械音声による電子書籍の朗読が可能になります。Kindleが自動でページをめくってくれるので、スマホを手に取れない状況でも問題ないうえ、一度読み上げ機能を開始してしまえば、たとえLINEの返信などで読み上げ途中の画面を離れたとしても、中断されることもありません。
なお、Kindle以外にも、スマホに表示したWebのニュース記事や、受信メールのなどを読み上げることもできます。
利用するには事前に設定が必要です。「設定」アプリから[一般]→[アクセシビリティ]→[スピーチ]と進み、[画面の読み上げ]をオンにしてください。
この「スピーチ」画面では、読み上げ内容を強調させる設定をはじめ、声の種類(男性・女性等)を変更したり、読み上げ速度を予め調整したりできます(読み上げ最中に速度を変更することも可能)。
以上で準備は完了です。
Google Playブックスの読み上げ機能を使う
Androidにも「TalkBack」という読み上げの標準機能があります。この機能をオンにすると端末に表示されたあらゆるテキストを読み上げてくれるのですが、操作が難しくあまり実用的ではありません。
そこで推奨したいのが、電子書籍ストアの「Google Playブックス」の読み上げ機能を活用する方法です。読み上げ対象の書籍を購入すれば、オンラインでもオフラインでも読み上げが可能になります。また、声優やナレーターが朗読をおこなう「オーディオブック」も取り扱いしています。
なお、宇宙兄弟や金田一少年の事件簿など人気のマンガをはじめ、話題のビジネス本や自己啓発本、問題集など数百万以上と書籍のラインナップもある程度充実しています。
まずはアプリをインストール。続けて書籍を選びます。
メニューボタン[]から[読み上げ]をタップすると読み上げが開始されます。なお画面上に[読み上げ]が表示されない場合は、読み上げ対象外の書籍となります。
オーディオブックと読み上げ機能の使用感を比較
実際にオーディオブック(Audible)の再生、iPhoneの読み上げ機能、Google Playブックスの読み上げ機能と、それぞれで朗読を聴き比べてみました。
オーディオブックアプリで聴く(Audible)
出典:池井戸潤/犬にきいてみろ 花咲舞シリーズ(Amazon Publishing)
まずはオーディオブックを試しました。目をつぶってテレビを聴いているような感覚で内容が頭に入ってきます。また最大3倍程度までの倍速再生ができるため、200ページ程度の単行本でも、読了まで4〜5時間かかってしまうというオーディオブックの欠点もカバーできるでしょう。
iPhoneの読み上げ機能でKindle本を聴く
出典:松浦弥太郎/場所はいつも旅先だった(集英社文庫)
iOSの読み上げ機能では、Kindleの電子書籍で読み上げを試してみます。
有料のオーディオブックと、無料の読み上げ機能の比較でポイントになるのは「読み上げの正確性」と「聞き取りやすさ」でしょう。意味を理解できないほどではありませんが、冒頭で2話という箇所を「にわ」と読まず「にはなし」と読む程度の誤読はありました。またSiriのアナウンスですので、やはり機械っぽいさは拭えません。
Google Playブックスの読み上げ機能で聴く
出典:池井戸潤/下町ロケットヤタガラス(小学館)
続いて、Google Play ブックスの読み上げ機能を試しました。
こちらも機械音声ならではの棒読み感は否めないものの、iOS版と比べてなめらかな朗読という印象です。またWi-Fi環境限定で、より自然な読み上げができる機能も有しており、設定が可能です。
地味に嬉しいのが、読み上げている部分をハイライトしてくれる機能。目で追いながら読書することもできます。なお、画像や図表は読み飛ばさず「画像の説明」とのアナウンスが逐一入るため、図表の掲載が多い書籍には不向きかもしれません。
まとめ
読み上げに正確性や聞き取りやすさを求めるなら、オーディオブック一択でしょう。AndroidではGoogle Playブックスの読み上げ機能も候補にあがりますが、コスパや目的の書籍の販売有無などが選択のポイントになるでしょう。
悩むのは、iOSユーザーがiOS読み上げとGoogle Playブックスどちらを選択するかだと思います。読み上げの滑らかさがやや優れ、朗読部分のハイライト機能があるGoogle Playブックスのほうが低ストレスな印象でおすすめできます。
ただしiOSなら、画面に表示したテキストすべてを読み上げてくれるので、オーディオブック化されていない本でも問題なし。重宝する機能であることは違いありません。