パソコン・スマホ間で写真・動画データを簡単に送受信できる「Send Anywhere」の使い方

Send Anywhere

iPhoneAndroidスマートフォン、タブレット、パソコンなどの間で写真や動画、書類ファイルなどを転送する方法がイマイチ分からず、頭を悩ませているスマホユーザーは意外と多いのではないでしょうか。

この記事では、ケーブルを利用せずファイルを無線で送受信できるサービス「Send Anywhere」の使い方をかんたんに解説します。「Send Anywhere」を知っていれば、ちょっとしたファイルを手軽に転送できれば事足りる場合にはきっと助かるはずです。

4つの主なファイル転送術(パソコン・スマホ間、スマホ同士)

最初に、ファイルをやりとりする主な方法をまとめておきましょう。メールやLINEなどにファイルを添付する方法もありますが、ここでは省きます。複数のファイルや仕事の資料などでも受け取りしやすい方法は、主に以下の4つがあります。

1. ファイル転送専用サービスを使う

ファイルを単純に送受信するだけならば、ファイル転送専用のサービスを利用する方法が最もおすすめです。この記事の後半では、非常に人気がある無料サービス「Send Anywhere」を使う方法を具体的に説明します。

Send Anywhere

「Send Anywhere」はファイル転送サービスで、Android/iOSだけでなく、WindowsやMac、LinuxといったOSやChromeアプリ/拡張機能、Outlook用アドイン向けにも提供されている

Send Anywhereを使えば、iPhone、iPad、Androidスマートフォン・タブレット、Windowsパソコン、Macなど、さまざまなデバイスの間でファイルを送受信可能。転送したいデバイスにアプリをインストールしておき、Wi-Fi(無線LAN)もしくはモバイルデータ通信でインターネットに接続できる環境さえあればよく、容易にファイル転送環境を構築してファイルをやりとりできる点が大きな強みです。

2. AirDrop機能で共有する(アップル製品間のみ)

iPhoneやiPad、Macなどアップル製品の間では、「AirDrop」を利用してファイルをやりとりできます。とても便利な方法なのですが、WindowsパソコンやAndroidとの間ではやりとりできません。

AirDrop

MacからiPhoneにAirDrop機能で写真を送っているときのiPhone側の画面。AirDropは対応するアップル製のデバイス同士でなら非常に簡単に利用できる

AirDropの詳しい使い方は下記記事で解説しています。

「AirDrop」の使い方──写真・動画などを送受信する方法【iPhone/Mac】

3. クラウドストレージを経由する

Dropbox/OneDrive/Google Drive

Dropbox、OneDrive、Googleドライブ

DropboxやOneDrive、Googleドライブなどのクラウドストレージ(オンラインストレージ)を使う方法も便利。ケーブルをつなぐ必要がありません。

ところが、これらのサービスはファイルをクラウドストレージに保存しておくのが本来の目的。デバイス間でファイルを転送する際でも、あるデバイスからクラウドストレージにファイルをアップロードし、別のデバイスでクラウドストレージからファイルをダウンロードする──という流れが必要になります。同一アカウントでログインしているデバイス同士でならファイルを同期するだけで済みますが、友人や同僚と急遽やりとりするような場合は少し面倒です。また、転送後にストレージからファイルを削除しておかないと、色々なファイルが溜まって管理しづらくなります。

クラウドストレージは、ファイル転送というよりも、さまざまなデバイスでいつでも使いたいファイルを一箇所に保存・同期しておくような使い方に向いているサービスです。

4. ケーブルで接続して転送する

パソコンとスマートフォンの間では、ケーブルを接続してファイルを転送できます。写真やビデオの転送なら簡単ですが、仕事で使う書類ファイルなどを転送するのは少し面倒なことがあるので、おすすめしません。

ケーブル接続によるファイル転送の最大のメリットは、通信が発生しないことです。旅行先などWi-Fiが使えない環境で大量の写真をスマホからパソコンに移行すると、モバイルデータ通信容量を大きく消費します。こんな時にはケーブルを利用するのがおすすめです。また、動画を大量に移行するような場合でも、転送時間が比較的短くて済みます。

この記事では具体的な手順を紹介しません。

ケーブル要らずの「Send Anywhere」でファイルを転送する方法

ここからは、Send Anywhereを利用してパソコン・スマホ間やスマホ間でファイルを転送する具体的な手順を説明していきます。利用に当たっては、原則として各デバイスがインターネットに接続されている必要があります。ファイルサイズがさほど大きくないときはモバイルデータ通信を使っても特に問題ありませんが、通信コストを安く抑えるために、なるべくWi-Fiでの利用をおすすめします。

Send Anywhereをはじめる

スマホ側の準備

まず、スマートフォンにSend Anywhereのアプリ(iOS/Android)をインストールします。

ファイルの送受信に会員登録およびログインは不要。インストールして起動するだけで基本的な準備が整います。

アカウントを作成してログインしておけば、同じアカウントでログインしているデバイス同士でのファイル送受信にキー入力が不要になります。

Send AnywhereSend Anywhere

左:iOS版右:Android版

パソコン側の準備

続いて、パソコンで利用する準備もしておきましょう。

パソコンにも専用ソフトが提供されていますが、まずはWebブラウザで利用するのが手軽です。下記URLにWebブラウザでアクセスしてください。

Send Anywhere(https://send-anywhere.com/ja/)

Web版Send Anywhere

Web版Send Anywhere

スマホからパソコンにファイルを転送する

アプリの操作はiOS版を使って紹介していますが、Android版でも基本的な手順は同様です。

まず、Send Anywhereアプリを起動したら[送信]をタップし、転送したいファイルを選び、[次へ]をタップします。複数ファイルの同時選択も可能です。

iOS版Send Anywhereで「送信」iOS版Send Anywhereで送信ファイルを選択

左:[送信]をタップ右:送信ファイルを選択して[次へ]

ファイルは「写真」「動画」「連絡先」「ファイル」などに分かれています。送るファイルの種類を変更するには、ファイルの種類名をタップするか、画面をスワイプして、タブを切り替えます。

すると、6桁のキーがランダム生成されます。

iOS版Send Anywhereで6桁のキーが表示

6桁のキーが生成される

あとは、この数字をパソコンで表示してあるWeb版Send Anywhereに入力して[受信]をクリックするだけで、ファイルの送受信が開始されます。キーの有効期限は10分間なので、セキュリティ面でも不安は小さいでしょう。ちなみにリンク共有による送受信も可能です。

Web版Send Anywhereでキー入力

Web版のキー入力欄に6桁のキーを入力して[受信]

パソコン側では受信ファイルが自動的にダウンロードされます。あとはパソコン上でファイルを確認するだけです。

Web版Send Anywhereでファイル受信

ファイルのダウンロードが完了。受信したファイル数や合計ファイルサイズも確認できる

パソコンに複数ファイルを同時送信するとZIP形式で圧縮されてダウンロードされます。

なお、アプリ側では、送信した履歴が表示されます。

iOS版Send Anywhereでファイル送信完了

アプリで送信履歴を確かめられる

パソコンからスマホにファイルを転送する

アプリの操作はiOS版を使って紹介していますが、Android版でも基本的な手順は同様です。

今度は逆に、パソコンに保存している画像ファイルをスマホに転送してみましょう。

まず、パソコンのブラウザでWeb版Send Anywhereを開き、[ファイルを追加]をクリックします。

Web版Send Anywhereでファイルを追加

パソコンのブラウザでSend Anywhereを開き、「ファイルを追加」をクリックします。

次に、送信したいファイルを選択します。もちろん複数のファイルを選ぶこともできます。Web版で転送可能な最大容量は1GBです(専用ソフトを使えば容量無制限)。

ファイルの選択を終えたら[送信]をクリックします。

Web版Send Anywhereでファイル送信

[送信]をクリックする

6桁のキーがランダム生成されます。ここでは6桁のキー入力ではなく、QRコードによってファイルを送受信してみます。

Web版Send AnywhereでQRコード表示

6桁のキーが生成される。数字の右横にはキーをコピーできるボタンやQRコード表示ボタンなどがある

QRコード表示ボタンをクリックすると、QRコードが表示されます。

Web版Send AnywhereでQRコード表示

QRコードが表示される

あとは受信したいスマホ側での作業に移ります。スマホでSend Anywhereを起動したら[受信]をタップし、「キー入力」が表示されたら右側にあるQRコードボタンをタップします。

iOS版Send Anywhereで受信iOS版Send AnywhereでQRコードを読み取る

左:[受信]をタップ右:QRコードボタンをタップする

すると、QRコードを読み取るためのカメラが起動します。パソコンの画面に表示されているQRコードをカメラの枠内に収めて認識されれば、ファイルの送受信が開始されます。

iOS版Send AnywhereでQRコードを読み取る

デバイスのカメラでQRコードを読み取る

これだけでファイルをスマホに受信できます。受信したファイルはアプリ内の転送履歴などで確認できるほか、iOSであれば標準の写真アプリ、Androidであればギャラリー系アプリなどで閲覧することも可能です。

iOS版Send Anywhereの転送履歴画面

転送履歴を確認

スマホ間でファイルを転送する

スマホ・パソコン間だけでなく、スマホ同士でファイルを送受信する機会も多いはず。LINEで写真をまとめて送る方法やメールに添付する方法、iPhone/iPad同士であればAirDrop機能を利用する方法など、手段はいくつか存在します。

iPadとiPhoneでAirDrop

AirDrop

ただ、いずれの方法もファイル転送に特化した機能ではないなど一長一短。この点、Send Anywhereはファイル転送専用サービスであり、プラットフォームも問わないことから、スマホ間でのファイル移動にも打ってつけです。特に、AndroidスマートフォンとiPhoneとの間でファイルを転送させたい場合に最適でしょう。

スマホやタブレット同士でのファイル送受信のやり方はパソコンと同様で、送受信するデバイスの特定は6桁のコード入力によりおこなうのが基本となります。そのほか、QRコードやリンク共有、音波転送(Android端末同士のみ)、Wi-Fiダイレクト(Android端末同士のみ)などの手段でも送受信できます。

ここでは、AndroidスマートフォンからiPhoneに6桁のキーを使って写真ファイルを送る手順をかんたんに紹介します。

まず、Android版Send Anywhereを起動したら、送信タブで送りたいファイルを選択し、送信ボタンをタップします。

Android版Send Anywhereでファイル送信

紙飛行機アイコンが送信ボタン

6桁のキーとQRコードが表示されます。

Android版Send Anywhereでファイル送信

Android版では6桁キーとともにQRコードも表示される。画面上部のアクションバーからはリンク共有か音波転送も選択できる

次は、受信側となるiPhone側でSend Anywhereを起動したら、[受信]をタップし、6桁のキーを入力。続けて数字入力欄の右にあるダウンロードボタンをタップします。

iOS版Send Anywhereでファイル受信iOS版Send Anywhereでキー入力

左:iPhone側で[受信]をタップ右:6桁のキーを入力

しばらくするとファイル転送が完了します。

Android版Send Anywhereの転送履歴画面iOS版Send Anywhereの転送履歴画面

左:Android版の転送履歴画面右:iOS版の転送履歴画面

まとめ

ファイル転送の方法は、状況に応じてベストな選択肢が変わってきます。

この記事で解説したSend Anywhereを使ったファイル転送は、インターネット環境さえあれば誰でも簡単に利用できる方法としておすすめです。難しい操作はないので感覚的に作業でき、気軽にファイルを交換できるようになります。また、この記事では紹介しませんでしたが、パソコンには専用ソフトも用意されています。さらにSend Anywhereを使いこなしてみたければ、ぜひチャレンジしてみてください。

構成・文:戸田覚

編集:アプリオ編集部