「Pixel Fold」レビュー、Google初の折りたたみスマホは実際どう?

本体価格は25万超え

Androidスマートフォンの売れ行きランキングにPixelシリーズが常連として入ってくるようになりました。数あるAndroidスマホの中でも、定番モデルとしてとても人気があるわけです。

そんなPixelシリーズに、かねてから噂されていた折りたたみモデル「Pixel Fold(ピクセルフォールド)」が発表されました。今回は、Pixel Foldの魅力を詳しくレビューしていきます。

開くと7.6インチ、タブレット並に使える

Pixel Foldは、折りたたんだ状態で5.8インチの比較的コンパクトなモデルです。開くと、7.6インチのタブレットのように使えます。サイズは次のようになります。

  • たたんだ状態:139.7×79.5mm
  • 開いた状態:158.7×13.7mm

折りたたみスマホは、タテに折って持ち歩く際にコンパクトに使えるモデルもありますが、Pixel Foldは横折りで開くと大画面になるタイプです。

Pixel Fold

Pixel Fold。折りたたんだ状態では5.8インチ

Pixel Fold

開くと7.6インチ。タブレット並のサイズで利用できる

たたんだ状態の画面サイズがほどよく、普段使いもしやすい

Pixel Fold

Pixel 7(左)と比べても画面の横幅が広く使い勝手が良い

Pixel Foldの最大のメリットは、折りたたんだ状態でも画面が普通に使いやすい点です。そもそも横折りタイプのスマホは、普段は折った状態で利用し、落ちついて作業したり動画などを見たりする際に開いてタブレットのように使うことが多くなるはず。移動中や急な電話着信などは、折りたたんだまま使うので、折りたたんだ際に表示されているカバーディスプレイが細長くて使いづらいとストレスになります。

その点Pixel Foldは、画面サイズがほどよく作業性が良好です。とはいえ、本体の横幅があり、厚みもそれなりなので片手で作業する人は持ちづらいと感じるかもしれません。

Pixel Fold

背面はとても高級感がある

Pixel Fold

重量はカタログ値で283gだ

本体はとても高級感があり、高級な印象を受けます。ただし、カタログ値で283gとヘビー級なのは覚悟して買うべきです。これは、他の折りたたみスマホも同様。画面が2つに折りたためるヒンジなどの構造を搭載しているのですから、重くなるのは仕方ありません。

Pixel Fold

ディスプレイの真ん中に折り目がある。指紋センサーは電源ボタン一体型だ

内側のディスプレイはガラスではなくフィルムを使用しています。それによって折りたためるわけですが、真ん中にはゆるい折り目が発生します。慣れてしまえば気にならないものの、このあたりは折りたたみスマホ登場当初から変わらない部分です。

Pixel Fold

ケーブルと変換アダプタは付属するが、充電器は自分で用意する必要がある

「Tensor G2」搭載で性能は上々

Pixel Fold

nanoSIMとeSIMのデュアルSIMに対応

Pixel Foldのチップは、Google製の「Tensor G2」を採用しておりPixel 7と同様です。上位の性能なのでレスポンスはとても良いのですが、2022年に登場したチップで少し古く感じます。この秋Pixel 8が登場して、さらに高速なチップを搭載するとガッカリしそうです。

メモリは12GB、ストレージは256GBとスペックは上々です。もっとも、高価なモデルなのでこれ以下の性能では手を出す気にならないでしょう。

SIMは、nanoSIMとeSIMのデュアルSIMなのも嬉しいポイント。eSIM対応は完全にトレンドになっており、今後はより便利に使えるはずです。

バッテリー容量は最大4821mAhで、最近のモデルとしては一般的だと言えます。ただ、大画面の内側ディスプレイを高輝度で使っていると、ややバッテリーの減りが早い印象を受けました。

なお、カバーディスプレイは1200ニト、ピーク時1500ニトととても明るく、解像度は2092×1080。内側のディスプレイは1000ニト、ピーク時1450ニトで、解像度は2208×1840となります。どちらも非常に美しく、文句の付けようがありません。

2画面の操作性も問題なし、マルチタスクが捗る

Pixel Fold

内側のディスプレイは縦横どちらでも利用可能

横折りのスマホは、広い画面がとても便利です。特にPixel Foldは、6対5の縦横比なので、4対3の写真があまり無駄がなく大きく表示できます。一方で、16対9の動画はやや黒帯が気になります。

Pixel Fold
Pixel Fold

カバーディスプレイで写真を表示して、開くと内側のディスプレイでそのまま閲覧できる

Pixel Fold

2画面の利用も使いやすくなっている。アイコンをドラッグすれば2つ目のアプリが開く

Pixel Fold
Pixel Fold

GmailやGoogle Keepは左に一覧、右に内容といった表示にできる

Pixel Foldは、本家Googleの折りたたみモデルらしく、OSも折りたたみに最適化されています。2つのウィンドウを表示する際の作業性がとてもよいのです。

GmailやGoogle Keepといったアプリは、一覧表示が便利になっていますし、写真の撮影にも便利です。

Pixel Fold

カメラを利用する際には、L字に折りたたんで撮影可能。ジェスチャーでタイマーを利用できる

4800万画素のメインカメラを搭載

Pixel Fold

アウトカメラは3つ搭載する

Pixel Foldのカメラは、48MPのメインカメラ、10.8MPの超広角、10.8MPの5倍光学ズームとなります。

画質は文句なしで、5倍ズームを搭載するのが特徴といえるでしょう。今回は、Pixel 7との画質を比較します。Pixel 7は、50MPのメインカメラ、12MPの超広角を採用しています。

Pixel Fold

メインカメラはどちらも美しくほぼ差がない

Pixel Fold

超広角カメラもほとんど差が分からない

Pixel Fold

2倍ズームで撮影。こちらも差はないが、Pixel 7は標準の最大が2倍ズームとなる

Pixel Fold

Pixel Foldは、光学5倍ズームで撮影可能

まとめ

Pixel Foldの本体価格は、Googleストアで25万3000円と高価なモデルなので、簡単には手を出せないでしょう。ただし、横折りのスマホとしては一般的な価格です。最近は、ストレートタイプのスマホの上位モデルも20万円以上するケースが増えているので、以前に比べると割高感が薄れています。

Pixel Foldは、カバーディスプレイが広くて使い勝手が良好なのもいいところです。ライバルのGalaxy Foldに比べると、Sペンが使えないのがマイナスポイントである一方、予約オーダーの時点では、5万2000円分のGoogleストアクレジットが配布されているのが価格的な優位点といえるでしょう。

この秋には、Galaxy Foldの新モデルも登場すると予想されるので、折りたたみスマホでどちらか迷っている人は、比較して購入することをおすすめします。

構成・文
戸田 覚
編集
アプリオ編集部
EDITED BY
TOKIWA