今回は、2025年4月16日発売のGoogleの最新スマホ「Pixel 9a」を、Pixel 9 Pro XLと比較しながらレビューします。本来なら比較するべきはPixel 9になりますので、参考情報としてご覧ください。
使い勝手の良いサイズ感

新登場のPixel 9a
Pixelシリーズは、上位モデルの「Pixe 9」などが秋に登場し、その後「a」の付いたスタンダードモデルが春に登場する製品リリースパターンとなります。今シーズンも例年どおりスタンダードモデルの「Pixel 9a」が2025年4月に登場しました。

Pixel 9 Pro XL(左)と比べると、画面がやや暗くフチが太い
Pixel 9aは6.3インチとちょうどいい大きさの画面サイズです。手にしても大きすぎると感じることはないでしょう。実測値で184gと軽いので負担なく持ち歩けます。
ただし、画面のフチが太いために、同じ画面サイズのPixel 9と比べるとやや本体が大きくなります。手にしてもさほど大きく感じることはありませんが、上位モデルほどキレのある本体デザインではないのです。

180g台と軽いので持ち歩きは余裕だ
また、ディスプレイの画質は十分で写真も美しく表示してくれます。
解像度は1080×2424ピクセルと一般的で、最大輝度は1800ニト、ピーク時で2700ニトです。ただし、最大輝度2000ニト、ピーク時3000ニトのPixel 9 Pro XLと比べるとやや暗くなります。明るい屋外で使うと、Pixel 9 Proシリーズのほうが明らかに見やすく感じます。
Pixel 9a | Pixel 9 | |
---|---|---|
サイズ | 154.7×73.3×8.9mm | 152.8×72×8.5mm |
重さ | 185.9g | 198g |
メモリ | 8GB RAM | 12GB RAM |
ストレージ |
128GB/256GB |
128GB/256GB |
前モデルからデザインがかなり変化した

右がPixel 9a。Pixel 9 Pro XLと比べるとデザインもだいぶ変わり、カメラ部分の出っ張りが減っている
Pixelシリーズは、カメラの部分がバーのようになったデザインを採用してきました。Pixel 9aはカメラの出っ張りが少なくなり、バー状ではなくなっています。かなりシンプルなデザインで、昔のiPhoneを彷彿とさせます。ノイズの少ないデザインにするとiPhoneに近いスタイルになるということでしょう。それでも、背中に「G」マークがあるため、ひと目でPixelシリーズとわかります。

デザインは上質で価格以上の高級感を感じられる
高級感は十分で、価格以上の満足感を得られるはずです。背面はマットなガラスで、フレームもツヤのないアルミを採用しています。IP68相当の防塵・防水性能を有しているので、日常の利用では雨などを気にする必要はありません。

物理SIMは1枚のセットで、eSIMを利用可能
SIMはnanoSIMを1枚セットでき、eSIMにも対応しています。今後、eSIMの出番が増えることは間違いないので、これは理にかなっています。

指紋センサーは画面内蔵だ
指紋センサーは画面に内蔵しているタイプです。使い勝手は良好ですが、厚めのガラスフィルムなどを貼ると反応しなくなることがあるため、フィルムを貼る際には注意してください。また、顔認証も同時に採用しています。
性能はほどほどで価格相応という印象

Galaxy S25 Ultra(左)の性能は大きく差が開いている。Pixel 9 Pro XL(中)とPixel 9a(右)の2台は差がない
搭載しているプロセッサはGoogle独自の「Tensor G4」です。これは、上位モデルと同じチップになります。性能は可もなく不可もなくといった塩梅で、ゲームなどをプレイする分にはとくに問題ありません。しかし最高性能というわけではなく、上の中もしくは上の下、といったところです。
そのため、手ごろな価格のPixel 9aが搭載するプロセッサとしては妥当と言えます。逆に、Pixel 9 Proシリーズなども同じプロセッサなのがかなり残念です。
ライバルメーカーの上位モデルは「Snapdragon 8 Elite」を搭載しており、性能差はかなり大きくなります。Xiaomiでは、10万円を切る価格でこのプロセッサを搭載しているモデルもあります。
ゲームを中心に利用したい人にとっては、Pixel 9aは満足できる性能ではない点に気をつけてください。逆に、ブラウザや動画を見たり、写真を撮影するようなごく普通の使い方にはまったくストレスがありません。RAMは8GBで、ストレージは128GBと256GBになります。写真や動画を多く撮影するのであれば、256GBをおすすめします。
バッテリーの持ちも30時間以上と問題なし
Pixel 9aのバッテリー容量は5100mAhでこのサイズのスマホとしては一般的です。駆動時間はカタログ値で30時間以上としており、普通に使っていて短く感じることはないでしょう。
急速充電も有線接続で23Wと一般的です。ワイヤレス充電にも対応していますが、最新規格で15W以上が増えているなか、Pixel 9aは7.5Wとやや遅くなります。

付属品はケーブルやSIMトレイを出すためのピンの2つ。充電器は付かない
なお、製品にはケーブルとSIMトレイを取り出すためのピンのみが付属しています。充電するためには別途充電器が必要になるので注意してください。充電器の性能が低かったり、互換性がなかったりすると急速充電はできません。
カメラの画質や性能も充分満足できる

カメラは2つだ
Pixel 9aのカメラは48メガピクセルの標準広角と、13メガピクセルの超広角の2つになります。Pixel 9 Proシリーズは、50メガピクセルの標準広角、48メガピクセルの超広角、48メガピクセルの望遠の3つです。
構成上ではかなり見劣りますが、実際に使ってみるとさほど差を感じないでしょう。標準カメラはほとんど違いがわかりません。超広角は拡大しないと差がわからない程度です。
ズームはデジタルで8倍まで拡大可能ですが、3倍くらいが違和感のないところとなります。つまり、望遠のみが大きく劣っているわけです。この点が気にならないのであれば、カメラの違いはさほどないと感じるはずです。
標準カメラ

Pixel 9 Pro XLと比較。標準カメラの差はほとんどない
超広角

超広角も拡大しないとさほど差は見られない
望遠(2倍)

2倍の望遠は、拡大すると違いを感じる
ポートレート

ポートレートもほとんど差がなくどちらも美しい
動画
搭載のAIは便利に使える


Geminiではいろいろな調べごとなどができる。こちらは、近くの安いガソリンスタンドを探してもらったところ
Pixel 9aには、さまざまなAI機能が搭載されています。電源ボタンを長押しするとGoogleのAIである「Gemini」が起動するので、いろいろな質問をして調べごとなどができます。また、標準アプリの「Pixelスタジオ」ではイラストなどを生成できます。ほかのAIでも同様のことができますが、使いやすいのが大きなメリットです。
写真のAI機能も充実していて、撮影者も写真に追加できる「一緒に写る」機能や「消しゴムマジック」、「編集マジック」などが使えます。


「Pixelスタジオ」で犬の写真をイラスト化してもらった



編集マジックで写真の一部を移動したり、消しゴムマジックで消したりすることもできる
まとめ:買って損のない満足度の高い1台
Pixel 9aは、128GBモデルが7万9900円、256GBモデルが9万4900円です。安くはありませんが、性能を考えると妥当なところでしょう。
Pixelシリーズは、常に最新のOSやGoogleの独自機能が使えるメリットがあります。とても安心・安定して使えるスマホで、アップデートも長期的に提供されます。機種選びで悩んでいるなら、間違いのない1台としておすすめです。
YouTubeでもPixel 9aについて詳しくレビューしています。こちらも合わせて参照してください。