メルカリやラクマをはじめ数多くのフリマアプリが存在する中、ここ最近注目を集めているのが「PayPayフリマ」です。
スマホ決済サービスのPayPay(ペイペイ)の名を冠し、ヤフーからリリースされていますが、同社が提供するサービスには「ヤフオク!」もあり、両者がどう違うのかわかりにくいという声も耳にします。
そこで本記事では、PayPayフリマとヤフオクについてサービス内容や手数料、配送料などを比較。どちらを使うべきかか迷っている人や、他のフリマアプリと比べて検討したい人は参考にしてみてください。
出品方法はヤフオクならフリマもオークションも可
両サービスの一番の違いは「出品方法」です。PayPayフリマはフリマ出品のみですが、ヤフオクはフリマ出品だけでなく、オークション形式での出品も可能です。
PayPayフリマ | ヤフオク! | |
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販売形式 |
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オークションとは、オークションの開催期間やスタート時の価格、上限価格などを決め、購入希望者が出品者の設定したスタート時よりも高い値段で入札をしていく販売方法のこと。オークション期間が終了するまでに最も高額な入札をしたユーザーが商品購入の権利を得ます。
対してフリマ出品は、出品者が決めた価格に納得し、購入手続きが早かった人が商品を購入できます。オークション形式での出品は買い手が決まるまでに時間がかかりますが、フリマ出品よりも高い価格で購入してもらえる確率が高まるという特徴があります。
ヤフオクでは、一定の条件を満たすとPayPayフリマに同時出品することができます。
出品者 | 個人(※ヤフオクストアからの出品は掲載されない) |
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出品フォーム | ヤフオクの出品フォームを利用している |
商品画像 | 1枚以上設定 |
カテゴリ | 一部の非対称カテゴリを除くカテゴリを選択 |
商品の状態 | 「全体的に状態が悪い」以外の状態を選択 |
個数 | 1個 |
発送元の地域 | 日本国内(「海外」以外を選択) |
送料負担 | 出品者 |
配送方法 | ヤフネコ!パックまたはゆうパック・ゆうパケット(おてがる版)を1つ以上設定 |
発送までの期間 | 7日以内 |
販売形式 | 定額(開始価格と即決価格が同じ) |
価格 | 300円〜30万円 |
販売手数料はPayPayフリマ、ヤフオクとも10%
PayPayフリマ | ヤフオク! | |
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販売手数料 | 10% | 10%(Yahoo!プレミアム会員なら8.8%) |
PayPayフリマもヤフオクも、出品者は取引終了後に販売手数料(落札システム利用料)を支払う必要があります。ヤフオクとPayPayフリマどちらも販売手数料は売上金に対して10%です。
ただし、ヤフオクに限ってはYahoo!プレミアム会員だと販売手数料が8.8%になります(一部のカテゴリは出品にかかる利用料が異なるため要注意)。この点だけみれば、Yahoo!プレミアム会員ならヤフオクのほうがお得に出品できると言えます。
また、ヤフオクでは入札があったオークションを取り消すと「出品取消システム利用料」(1出品あたり税込550円)がかかったり、有料オプションを設定したときにかかる「オプション利用料」などがあります。
PayPayフリマは開始まもないサービスということもあり、各種キャンペーンも頻繁に開催されています。
たとえば2020年3月31日までの期間中、PayPayフリマまたはヤフオクに出品して購入・落札された場合、その価格の5.8%または7%相当のPayPayボーナスライトを付与し、販売手数料が実質3%になるキャンペーンが実施中です。
1回あたりのボーナス付与上限額は1000円相当ですが、期間中1人あたりの上限額は設けられておらず、何回でも特典が利用可能です。
値引き交渉ができるのはPayPayフリマのみ
フリマアプリでは、出品者が提示した金額に対し、購入希望者は値段を交渉することができます。PayPayフリマには「価格の相談」という機能があり、購入検討者はここから出品者に対して値下げ交渉ができるようになっています(「商品への質問」からの値下げ交渉は禁止)。
PayPayフリマの価格交渉
しかし、ヤフオクはオークション形式であるため、商品を欲しいと思っている人が多ければ価格が上がっていきます。値段を交渉することができないのです。
PayPayフリマにも同時出品されている商品に対しての質問はすべてのユーザーに公開されますが、PayPayフリマでおこなわれる「商品への質問」や「値段交渉」は質問した人と出品者しか閲覧できません。
発送方法の自由度が高いのはヤフオク
PayPayフリマ | ヤフオク! | |
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配送方法 |
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送料負担者 | 出品者 | 出品者または購入者 |
「ヤフネコ!パック」はネコポス、宅急便コンパクト、ヤフネコ!宅急便を含む
ヤフオクでは、商品の送料は出品者負担・購入者負担のどちらも選べます。基本的に、オークション出品の場合は購入者負担が多くなっています。また、発送方法もほとんどのサービスを利用することができます。
対してPayPayフリマは出品者負担になっており、発送方法も「ヤフネコパック」と「ゆうパック・ゆうパケットおてがる版」のみ。料金はヤフオクと同じです。そのため、発送方法の自由度で言えばヤフオクのほうが勝っているといえます。
送料負担が出品者の場合は、2018年10月より全国一律で下記の料金になります。
発送方法 | 送料 | ||
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ヤフネコ!パック | ネコポス | 195円 | |
宅急便コンパクト | 380円 | ||
ヤフネコ!宅急便 | 60サイズ | 700円 | |
80サイズ | 800円 | ||
100サイズ | 1000円 | ||
120サイズ | 1100円 | ||
140サイズ | 1300円 | ||
160サイズ | 1600円 | ||
ゆうパック・ゆうパケット(おてがる版) | ゆうパケット | 175円 | |
ゆうパック(おてがる版) | 60サイズ | 700円 | |
80サイズ | 800円 | ||
100サイズ | 1000円 | ||
120サイズ | 1100円 | ||
140サイズ | 1300円 | ||
160サイズ | 1600円 | ||
170サイズ | 1800円 |
これまでは荷物を配送する発送元から届け先の地域、サイズ、重さごとに送料を決定していましたが、全国一律料金としたことで沖縄や北海道、離島などの遠隔地への配送費は最大で71%安くなりました。
ヤフオクの場合、送料負担が出品者と購入者では料金が異なるので注意してください。落札者が送料を負担する場合は、荷物を配送する発送元から届け先の地域、サイズ、重さごとに送料を決定します。料金は下記公式サイトを参考にしてください。
ヤフオク!が日本郵便と連携した配送サービス「ゆうパック(おてがる版)」「ゆうパケット(おてがる版)」
購入時の対応支払い方法が多いのはヤフオク
PayPayフリマ | ヤフオク! | |
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支払い方法 |
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ヤフオクは「Yahoo!かんたん決済」を利用します(ただし、一部の料金体系が異なるカテゴリではYahoo!かんたん決済以外も利用可能)。
Yahoo!かんたん決済は、商品代金の支払いや受け取りがおこなえる決済サービスで、落札者はクレジットカードや銀行口座、コンビニなどから支払い方法を選択できます。また出品者は、使用している金融機関口座やPayPayで代金を受け取ります。
落札者が受け取り連絡をおこなうか、支払いから14日経過すると出品者が代金を受け取れるようになっているため、「代金を入金したのに商品が届かない」というトラブルがなくなり、安心して利用できる仕組みになっています。
「Yahoo!かんたん決済」の仕組み
これに対してPayPayフリマは、PayPayとクレジットカードでの支払いにしか対応しておらず、ヤフオクに比べると自由度は低めです。
PayPayフリマとヤフオクのどちらでもPayPay支払いを利用できますが、「PayPay残高」で購入すると、商品価格の1%相当の「PayPayボーナス」の還元(上限1万5000円相当/月)を受けられるという特典があります。
そのため、PayPayを利用している人はよりお得になります。PayPayボーナスは、コンビニや飲食店での支払いなどにも使えるので、貯めるとよりお得で便利になります。
「PayPayボーナス」とは? ややこしいPayPay残高「ボーナスライト」「マネー」「マネーライト」との違いを整理して解説
まとめ
ヤフオクは、PayPayフリマに比べて支払い方法や配送方法の種類が多く、さまざまな面で自由度が高いといえます。全般的にヤフオクのほうが有利という印象ですが、続々と打ち出されるキャンペーンなどによって、PayPayフリマの注目度が上がってきているのも事実です。
条件を満たした商品であればヤフオクに出品するとPayPayフリマにも掲載されるため、ヤフオク・PayPayフリマの両ユーザーに見てもらえるチャンスが広がります。ただし、ヤフオクで出品した商品がPayPayフリマで購入された場合は、ヤフオクの販売手数料が適用されるので注意してください。
構成・文:吉成早紀
編集:アプリオ編集部