アップル、人工衛星経由の緊急SOSを日本でも提供開始 iPhone 14・iPhone 15で利用可能

デバイスをアクティベーションしてから2年間は無料で使える
アップル、人工衛星経由の緊急SOSを日本でも提供開始 iPhone 14・iPhone 15で利用可能

Appleは2024年7月30日、人工衛星を経由した緊急SOSの提供を日本国内でも開始したと発表しました。

衛星経由の緊急SOSは2022年9月に発表され、米国やカナダで2022年11月から提供が開始されていました。今回、iPhone 14iPhone 15のすべてのモデルを対象に、日本国内でも衛星経由の緊急SOSが利用できるようになった形です。

iPhone 衛星経由の緊急SOS

衛星経由の緊急SOSを使えば、携帯電話通信とWi-Fiの圏外でも緊急通報サービスに情報を共有したり、「探す」アプリから自身の位置情報を友人や家族と共有できたりします。ユーザーが衛星経由の緊急SOSを利用すると、緊急対応専門スタッフがいる衛星中継センターと通信でき、スタッフがユーザーの代わりに緊急通報サービスにただちに通報します。

ユーザーはまず、自身の状況などを知らせるためにいくつかの質問への回答をする必要があります。質問は簡潔なものが表示され、数回タップするだけで回答が完了します。質問への回答内容は、ユーザーの状況や位置情報を迅速に把握するため、最初のメッセージで通信指令台に伝達されます。

iPhone 衛星経由の緊急SOS

質問への回答後、衛星に接続してメッセージを送信するため、iPhoneを向けるべき空中の方向がユーザーに示され、ガイドに従って通信を開始します。最初に送信されるメッセージには、質問への回答や位置情報(高度を含む)、iPhoneのバッテリー残量、メディカルIDの情報が含まれます。

人工衛星は移動速度が高速、かつ、位置が地球から1000km以上離れているため、通常は短いメッセージでも届くまで数分間かかる場合もあります。Appleは、独自の部品やソフトウェアによって、iPhone 14とiPhone 15は大きなアンテナがなくても衛星固有の周波数に接続できるようにしました。さらに、メッセージの平均サイズを1/3に縮小するテキスト圧縮アルゴリズムも開発し、視界が開けた条件下では15秒でメッセージの送受信が可能です。

ユーザーは、緊急通報サービスへの接続はせずに、実際の衛星と接続して衛星経由の緊急SOSをテストすることができます。山間部や海など、通常の通信が難しい地域に出かける場合は、事前にデモを利用して不測の事態にも対応できるようにしておくとよいでしょう。

なお、衛星経由の緊急SOSは、新しいiPhone 14またはiPhone 15のアクティベーションから2年間は無料で利用可能です。

EDITED BY
TOKIWA