Appleは2022年5月16日(米国時間)、App Storeを経由して提供しているサブスクリプションサービスの値上げ時に、特定の条件を満たした場合にユーザーの同意を得なくても自動更新できるよう仕様を変更したと発表しました。

iPhone・iPadでは「設定」アプリの「ユーザー名」→「サブスクリプション」から契約の再開ができる
これまでは自動更新のサブスクリプションの価格が上昇したとき、契約者は価格上昇が適用される前にオプトイン(同意)する必要があり、新しい価格に同意しなかった場合、そのサブスクリプションの契約は更新されません。新価格への同意をせずに更新を停止したサブスクリプションを再開する際は、iPhone・iPadからは「設定」アプリ、またはMacの「App Store」から再加入の手続きをおこなう必要があります。
今回のアップデートでは、以下のすべての条件を満たす状況で、サブスクリプションの価格を値上げした場合、ユーザーの同意を得ることなく値上げに関する通知のみでサービスの契約を続行させられます。
- 年2回以上値上げを実施しないこと
- 値上げ幅が、現行の通常価格の50%より低いこと
- 値上げ幅が、年間サブスクリプションの場合では1年あたり50ドル、その他の場合は1期間あたり5ドルを超えていないこと
- ユーザーの同意を得ない値上げが地域の法律で許容されていること
価格引き上げ時の通知は、メールやプッシュ通知で次回更新日の30日前または7日前に送信されます。なお、サブスクリプションの値上げが上記の条件を満たしていない場合は、従来と同じくサービス更新のためにユーザーの同意を得る必要があります。
Appleはサブスク値上げ時の通知のみでの自動更新を導入することで、ユーザーにとって意図せずサービスが中断されてしまうケースを防ぐ狙いがあるとしています。ただこういった利便性の一方で、料金変更の通知を見逃してしまうと、値上げに気づくことなく更新をしてしまう場合もあるでしょう。サブスクリプションで料金を支払っているアプリは、優先的にプッシュ通知を許可するなどの対策が考えられます。