楽天モバイル0円終了でpovo 2.0に注目集まる 乗り換えのメリット・デメリットは?

povo 2.0の基本料金は0円だが……

楽天モバイルが2022年5月13日に、新プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」を2022年7月1日から提供すると発表しました。Rakuten UN-LIMIT VIIでは、これまで0円だった1GB未満のデータ使用でも1078円(税込)の月額料金が発生するようになるため、楽天モバイルをサブ回線として0円で利用し続けることができなくなります。

そこで楽天モバイルユーザーの注目を集めているのが、基本料金0円で提供しているKDDIのオンライン専用ブランド「povo 2.0」。ネット上では楽天モバイルからの乗り換え先として、povo 2.0を有力視する声が多く挙がっています。

そこでこの記事では、楽天モバイルを利用している人が、povo 2.0に乗り換えると料金の面でどのようなメリット・デメリットがあるのかを簡単にまとめました。

目次

povo 2.0の基本料金は0円、ただし完全に無料というわけではない

楽天モバイル povo 2.0
Image

povo 2.0の基本料金は0円に設定されており、ここに各種トッピングを自身で追加していくスタイルとなります。楽天モバイルのRakuten UN-LIMIT VIの1GB未満は0円で利用できる構造と似ていますが、povo 2.0の場合はずっと無料で使えるわけではないという点に注意が必要です。

というのもpovo 2.0では、トッピングの購入をしない、または通話料とSMS送信料の合計が660円(税込)を超えない状態が180日間以上続くと利用停止処分が下されるため。つまり、povo 2.0を使い続けるには、半年に一度何らかのトッピングを購入するか、660円(税込)以上の通話やSMSを利用する必要があるわけです。

ちなみにpovo 2.0の最安値のトッピングは220円(税込)の「smash.使い放題パック(24時間)」。データ通信をほとんどしない回線で楽天モバイルに毎月1078円(税込)を支払うのに比べれば、半年に一度の220円の出費はかなり安上がりと言えるでしょう。

データ通信や電話の発信をせず、サブ回線として電話番号を保持しておきたいという目的であれば、Rakuten UN-LIMIT VIIよりもpovo 2.0のほうが圧倒的にお得に利用できます。

2022年5月9日からAmazonでの取り扱いも開始され、SIMカードを入手しやすくなったのもお手軽感があります。

通話の利用時間では楽天モバイルがお得になる場合も

楽天モバイルは、専用のコミュニケーションアプリ「Rakuten Link」を利用すると特定の電話番号以外への通話が何分でも無料になるというサービスがあります。ほとんど端末の電話アプリと同様の感覚で電話をできるため、電話番号を利用して通話をする機会の多い人には大きなメリットがあります。そのため、電話専用回線として楽天モバイルを契約している人も少なくないでしょう。

一方で、povo 2.0には通話料を無料にするサービスやオプションはありません。povo 2.0の回線を利用して通話をする際は、従量通話料を支払うか、かけ放題トッピングを購入する必要があります。従量通話料は30秒につき22円(税込)に設定されており、楽天モバイルの最低月額料金1078円は24.5分以上の通話時間で超える計算です。

楽天モバイル povo 2.0
Image

povo 2.0のかけ放題トッピング

かけ放題トッピングには、月額550円(税込)の「5分以内通話かけ放題」と、月額1650円(税込)の「通話かけ放題」の2種類を用意。毎回の通話が5分以内に終わっている人であれば、「5分以内通話かけ放題」を利用すると楽天モバイルの約半額の月額料金で利用できます。しかし、5分以上の電話をよくするのであれば、povo 2.0の「通話かけ放題」トッピング利用で楽天モバイルの月額料金を600円近く上回ってしまうことになります。

自分の通話スタイルを振り返り、Rakuten Linkを利用して長電話をよくしているのであれば、Rakuten UN-LIMIT VIIへの移行で月額料金が発生するとしても、楽天モバイルの契約を続けたほうがお得になる場合もあります。

すでに楽天モバイルで月額料金を払っているならpovo 2.0への乗り換えは不要

Rakuten UN-LIMIT VII

「Rakuten UN-LIMIT VII」の料金プラン

現在のRakuten UN-LIMIT VIで毎月1GB以上のデータを使用していて、月額料金を支払っているのであればpovo 2.0に乗り換える必要はありません。3GBまでのデータ使用量の料金を比較すると、楽天モバイルが1078円(税込)で、povo 2.0が990円(税込)とpovo 2.0のほうが88円安くなりますが、この程度の差額であれば乗り換えの必要性はそこまで大きくないでしょう。

Rakuten UN-LIMIT VIIとpovo 2.0のデータ通信量別の料金比較(税込)
  Rakuten UN-LIMIT VII povo 2.0
1GBまで 1078円 390円
3GBまで 1078円 990円
20GBまで 2178円 2700円
20GB以上 3278円(無制限)
  • 6490円(60GB)
  • 1万2980円(150GB)

また、3GB以上のデータ通信量であれば、むしろ楽天モバイルのほうが月額料金を安く抑えられます。20GBまでの料金は、楽天モバイルが2178円(税込)、povo 2.0は2700円(税込)。20GB以上の料金は、楽天モバイルでは通信量無制限で3278円(税込)となる一方で、povo 2.0は60GBまでで6490円(税込)、150GBでは1万2980円(税込)と数千円の大きな差が開きます。