mineo(マイネオ)は、月額料金が手頃で人気の格安SIM(MVNO)の一つです。しかし、NTTドコモのリーズナブルな新料金プランであるahamo(アハモ)が登場し、高品質なドコモ回線が使えるahamoへの乗り換えを検討している人もいるのではないでしょうか。
本記事では、mineoからahamoに乗り換える前に確認しておきたいメリットとデメリットをまとめてみました。最後に、乗り換えに向いているのはどんな人なのかもまとめています。
本記事内に記載されている価格は、特に断りがない限りすべて税込で表記しています。
mineo(マイネオ)からahamo(アハモ)に乗り換えるメリット
まずはmineoからahamoに乗り換えるメリットを6つ紹介します。
メリット1:通信速度が安定する

ahamoはドコモの安定したネットワーク回線をそのまま利用できるため、時間帯によって通信速度が遅くなることはほとんどありません。

mineoは大手キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)から回線の一部を借りてサービスを提供しています。そのため、多くの人がネットを利用する平日のお昼や通勤・帰宅時間帯には、一時的にネットワークが混雑し、通信速度が低下してしまいます。
また、ahamoはデータ容量20GBを使い切ると速度制限になりますが、それでも送受信時最大「1Mbps」の速度で利用できます。mineoは最大通信速度が「200kbps」に制限されるので、それに比べるとahamoの1Mbpsは5倍の速さです。
1Mbpsの速度は、多少読み込みに時間がかかるケースもありますが、WebサイトやSNSの閲覧などは問題なくおこなえるでしょう。
メリット2:5分以内の通話料が何度でも無料になる

ahamoは5分以内の国内通話が無料です。5分以上の電話をかける機会が多い人は、何度でも何時間でも通話し放題の「かけ放題プラン」(月額1100円)をオプションで付けることができます。

一方で、mineoの通話料は基本30秒につき22円かかります。専用アプリ「mineoでんわ」から電話をかけると、30秒につき10円になります。オプションで「mineoでんわ10分かけ放題」(月額935円)を付けることも可能ですが、10分を超過すると30秒につき10円かかってしまいます。
ビジネスなどで通話する機会が多い人であれば、ahamoを選んだほうが料金を気にせず使えるでしょう。
メリット3:支払い方法に口座振替も選べる

mineoはクレジットカードでの支払いのみ対応していますが、ahamoはクレジットカード以外に口座振替も選択できます。
メリット4:契約時に事務手数料がかからない
ahamoは新規契約や解約、MNP転出などの手続きにおいて、事務手数料はかかりません。契約期間の縛りと解約金も発生しないので、気軽に契約・変更をおこなえます。
対するmineoは、以下の手続きに手数料が発生します。
契約事務手数料 | 3300円(+SIMカード発行料440円) |
---|---|
解約手数料 | 無料 |
MNP転出手数料 | 無料 |
プラン変更(Aプラン⇔Dプラン⇔Sプラン) | 3300円(+SIMカード発行料440円) |
タイプ変更(シングル⇔デュアル) | 3300円(+SIMカード発行料440円) |
コース変更 | 無料(同一プラン・タイプに限る) |
SMS契約変更(SMSなし⇔SMSあり) | 3300円(+SIMカード発行料440円)※Aプランは無料 |
SIMカード変更・再発行 | 2200円(+SIMカード発行料440円) |
名義変更 | 3300円(家族間は無料) |
契約期間の縛りや解約金はありませんが、新規契約やSIMカード再発行、プラン・タイプの変更など多くの場面で手数料が発生するのは、mineoの残念なポイントです。
メリット5:eSIMに対応している

ahamoはeSIMに対応しています。eSIMはスマホに内蔵された本体一体型のSIMのことで、オンラインで契約者情報や電話番号などを書き込んで、SIMカードを挿入しなくてもすぐにahamoを使えるようになります。
端末でSIMカードとeSIMの両方を設定すれば、スマホを2台持ちすることなく1つの端末で2つの回線を利用できるようになります。
残念ながら、mineoはeSIMに対応していません。電話番号やモバイル回線を1つの端末で使い分けたい人などは、eSIMに対応したahamoのほうがメリットが大きいでしょう。
メリット6:5G通信を無料で使える

従来の4Gより、大容量かつ高速のデータ通信が可能な5G。mineoで5G通信を利用するには月額220円のオプションを追加する必要がありますが、ahamoは5G通信を追加料金なしの無料で使えます。
5Gが繋がるエリアはまだ少なく、4Gのみで運用しているユーザーも多いでしょう。しかし今後は5G対応エリアが拡大される予定であり、無料で使えるのはうれしいポイントです。
mineoからahamoに乗り換えるデメリット
すべてのmineoユーザーがahamoに乗り換えるべきとは限りません。利用状況などによってはデメリットも存在します。しっかりとデメリットも確認したうえで、ahamoに乗り換えるかを判断しましょう。
デメリット1:月額料金が高くなる

ahamoは20GBで基本料金2970円という手頃な価格が最大の魅力ですが、mineoと比べるとどうしても高い印象です。ahamoとmineoの月額料金を比較してみました。
ahamo | mineo(マイピタ・デュアルタイプ) | |
---|---|---|
1GB | - | 1298円 |
5GB | - | 1518円 |
10GB | - | 1958円 |
20GB | 2970円 | 2178円 |
※mineoは「マイピタ」プランのうちデュアルタイプ(音声通話+データ通信)で比較
mineoはデータ容量20GBだと月額2178円で、ahamoよりも792円お得です。
データ容量も1GB・5GB・10GB・20GBから自分に合ったものを選べるので、あまりデータ量を使わない人はmineoのほうが毎月のスマホ代を安く抑えられます。
デメリット2:データ通信使い放題のオプションがない

mineoには「パケット放題 Plus」というオプションが付けられ、最大1.5Mbpsのデータ通信が使い放題になるサービスです。月額385円ですが、10GB以上のコースを契約中の人は無料で申し込みできます。
最大1.5Mbpsという速度は高速とは言えないまでも、SNSの利用やWebサイトの閲覧、動画コンテンツの視聴であれば快適に使えます。ただし混雑回避のための速度制限があり、3日間で10GB以上利用すると通信速度が最大200kbpsに制限されてしまう点には注意が必要です。
ahamoにはこのようなデータ使い放題のオプションはないので、毎月のデータ量20GBを超えた分は1GBあたり550円で追加購入するしかありません。
デメリット3:家族割やパケットシェアなど各種割引・サービスがない
mineoにはさまざまな割引・特典やサービスがあるのが特徴です。
家族割引 | 家族で契約すると各回線の基本料金から55円引きになる |
---|---|
複数回線割引 | 複数回線を契約すると、最大10回線まで各回線の基本料金が55円引きになる |
パケットシェア | 余ったデータ容量を翌月にグループ内(最大10回線まで)でシェアできる。 |
パケットギフト | 余ったデータ容量をほかのmineoユーザーにプレゼントできる |
フリータンク | mineoユーザー共有のパケット貯蔵庫に余ったデータ容量を寄付して助け合える |
家族でmineoを契約すれば各回線の料金が安くなる割引や、mineoユーザー同士でデータ容量を分け合えるサービスなどがあります。
しかし、ahamoは非常にシンプルなプランで、家族割引もデータ容量をシェアできるサービスもないため、お得感がないと感じる人もいるかもしれません。
デメリット4:サポートは原則オンライン、店舗は有料

ahamoでのサポートは、原則としてオンラインのみです。新規契約や変更手続きなどは専用のWebサイトから自分で操作する必要があり、不明点があった際にはチャットでの対応になります。電話やメールなどの問い合わせ先もありません。ドコモショップで手続きをサポートしてもらうと、手数料として1回につき3300円かかってしまいます。
反対にmineoは、mineoショップや提携する家電量販店などで、新規契約やプラン変更、データ移行や初期設定のサポートを受け付けています。電話・メールフォーム・チャットでの問い合わせも可能です。無料サポートという面では、mineoのほうが手厚いといえそうです。
mineoからahamoへの乗り換えに向いている人とは?
上記のメリット・デメリットを踏まえたうえで、mineoからahamoへの乗り換えに向いているのはどんな人なのかをまとめてみました。
安定した通信速度を求めている人

快適にネットを使いたい、とにかく安定した通信速度がほしいという人は、mineoよりもahamoのほうが向いているでしょう。
mineoでは、平日のお昼や通勤・帰宅時間帯など利用が集中するときは、どうしても通信速度が遅くなってしまいます。ahamoであれば、安定したドコモのネットワーク回線を利用できるので、時間帯によって通信速度が落ちる心配はないでしょう。
LINE以外で通話をする機会が多い人

LINEを使わずに通話をすることが多い人は、ahamoへの乗り換えを検討する価値があるかもしれません。ahamoは5分間の通話が何度でも無料で、必要であれば1100円で「かけ放題プラン」のオプションを追加できます。
mineoは10分以内の通話がかけ放題となるオプションも提供していますが、10分以上の通話は追加料金がかかります。月額924円の「通話定額30(月間の通話時間30分まで)」や月額1848円の「通話定額60(月間の通話時間60分まで)」といった通話オプションもあるものの、規定の通話時間を超えれば通話料金が発生してしまいます。
通話時間が長くなる傾向の人は、mineoよりもahamoのほうがお得です。
オンラインでの手続きや操作に慣れている人

ahamoの問い合わせはチャットでおこなう
ahamoでの手続きや問い合わせは、基本的にはオンラインでおこないます。
mineoユーザーはネット上での手続きやサポートに抵抗がない人が多いと思われますが、これまでも店舗を利用せずに対処してきた人であればahamoへの乗り換えも問題ないでしょう。