LINEのトーク・通話に「鍵」マークが出現、Letter Sealing機能の適用が拡大される

【LINE】トークの「鍵」アイコンは何? Letter Sealing機能の適用が拡大

LINEのトーク画面上部に、2016年8月31日から鍵マーク(ロックアイコン)が表示されるようになりました。この鍵マークは、トークメッセージの内容などを暗号化する通信方式「Letter Sealing」(レターシーリング)が有効であることを意味しています。

今回、Letter Sealingの設定が初期状態でオンになり、1対1トークだけでなく無料通話(音声・ビデオ)、グループトーク・複数人トークへも適用拡大されました(LINEアプリのiPhone/Andoroid版バージョン6.5以降、PC版Windows/Macバージョン4.8以降)。

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Letter Sealingとは

2015年10月から1対1トークを対象に提供されてきたLetter Sealingは、送信者と受信者以外にはメッセージ内容が解読できないように安全が確保された暗号化通信方式。ユーザー間の通信内容が、メッセージ発信者の端末からLINEのサーバを経由して受信者の端末に届くまでのすべての過程で暗号化されることにより実現されています。

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LINE トーク 鍵 letter sealing

Letter Sealingの設定

Letter Sealingを利用するには、LINEアプリでLetter Sealingの設定をオンにします。ただし、同機能はオンに設定したユーザー同士でのみ有効となるため、トーク相手もLetter Sealingの設定がオンになっている必要があります。なお、現時点で保護されるのはトーク内のテキストと位置情報のみですが、適用対象となる情報を順次拡大していく予定としています。

Letter Sealingの有効化は、[その他…]から[設定]→[トーク・通話]と進んで、[Letter Sealing]の項目をオンにするだけです。

LINEのメッセージ暗号化機能「Letter Sealing」とは、設定や本人確認の方法まとめ【iPhone・Android・PC】

無料通話、グループトーク・複数人トークへ適用拡大

LINE トーク 鍵 letter sealing

無料通話の画面

2016年7月26日からは、LINE(iPhone/Android/Windows PC版)における無料通話(音声通話・ビデオ通話)にもLetter Sealingの適用が拡大されています。

メッセージを送受信する場合と同じように、1対1のLINE無料通話でも通話するユーザー同士だけが知りうる暗号化鍵を端末上にのみ保有し、通話内容を暗号化して転送する仕組み。Letter Sealingの設定が互いにオンなら、セキュリティが強化された無料通話を利用できます。

LINE トーク 鍵 letter sealing

グループトークの画面

また2016年8月31日から、グループトークや複数人トーク(グループ化されていない複数人でのトーク)にもLetter Sealingの適用が広がりました。

該当のトークに参加しているユーザー全員がLetter Sealingをオンに設定していれば、Letter Sealingによる暗号化が有効になります。ただし、参加人数は50名以下のものに限られ、トーク内のテキストと位置情報のみが保護対象です。

トークに鍵マーク(ロックアイコン)が表示される意味

LINE トーク 鍵 letter sealing

Letter Sealingが適用トークには、トーク名の脇に「鍵」マークが表示される

2016年8月31日からは順次、Letter Sealingが適用されているかを示す「Indicator」機能が搭載され、該当するトークルーム名の横に「鍵」マーク(ロックアイコン)が表示されるようになっています。対象は1対1トーク、グループトーク、複数人トーク、無料通話です。

これまではLetter Sealingが有効化されたトークでやりとりしていても、互いに設定がオンであるかを確認し合うほかに判別する方法はありませんでしたが、鍵アイコンの登場によってLetter Sealingの適用が一目瞭然となりました。

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Letter Sealing設定がデフォルトで「オン」に

LINE Engineers' Blog

LINE Engineers Blogの投稿では、今回Letter Sealingの設定が1対1トークにおいてデフォルトで有効化されるとしています。つまり、Letter Sealingでは今後ユーザーが手動で設定をオフにしない限り、初期状態(デフォルト)で機能がオンになる「オプトアウト方式」が採用されることになります。

デフォルトで有効化されてこなかった理由は、iOSのプッシュ通知の仕組みにあったといいます。そして、iOS 9.3.1から暗号化されたメッセージをプッシュ通知で安定的に送受信できるようになったと、LINE Engineers Blogでは説明しています。

最初から全ユーザーを対象にLetter Sealingをデフォルトオンで提供しなかった一番大きな理由は、iOSのプッシュ通知方式のためでした。LINEは、受信したメッセージ内容の一部をプッシュ通知でプレビュー表示します。ただ、Androidと違ってiOSでは、プッシュ通知を表示するプロセスにアプリが介入できる余地が少ないのが事実です。通常、サーバはメッセージ内容の一部をプッシュ通知で送信します。 しかし、Letter Sealingの特性上、LINEサーバはユーザー間でやり取りされるメッセージを見ることはできないため、その内容をプッシュ通知に含めることはできませんでした。

しかし、幸いなことに、VoIP Push Notificationというプッシュ通知方式がiOS 8からサポートされるようになりました。この方式を採用すれば、プッシュ通知が届いた際にアプリを起動して暗号化されたメッセージを受信し、その内容を復号してユーザー端末にプッシュ通知で表示することができます。LINEの開発チームは、iOS 9.3.1から同機能が安定的に動作することを確認し、Letter Sealingを使用するユーザーに従来と同様のユーザビリティを保証できると判断しました。その結果、iOS 9.3.1にアップデートしたユーザーを対象にLetter Sealingをデフォルト有効状態にして適用することができました。
LINE Engineers' Blog

以上の説明によれば、今後少なくともiOS 9.3.1以降を搭載するiOS端末やAndroid端末でLetter Sealingがデフォルト有効化されるほか、有効になっている状態でもトークのメッセージ内容をプッシュ通知上で確認できるようになります(Android版ではもともと通知上のプレビュー表示に影響なし)。

LINE トーク 鍵 letter sealing

iOS版LINEではこれまで、Letter Sealingを有効にしていると通知にメッセージ内容のプレビューが表示されなかった

なお、iOS 9.3.1より前のバージョンでもLetter Sealingがデフォルト有効化されるのか、たとえ有効化されていてもプッシュ通知上でメッセージを読めるようになるのかについては、LINE Engineers' Blogの投稿からは判然としません。

機種変更時のトーク履歴引き継ぎに注意

上述のとおり、LINEの安全性を高めるLetter Sealing機能ですが、注意したい点もあります。機種変更時にトーク履歴を引き継ぐ場合に、一部が復元できなくなる可能性があるからです。

具体的には、Letter Sealingが有効なトークにおいて、メッセージを未読状態のまま引き継ぎしたり、PC版などのサブ端末でしか閲覧(既読)していなかったりすると、機種変更後の端末で該当のトーク内容が表示されなくなるケースがありえます。これは暗号鍵が変更されるためです。

LINE トーク 鍵 letter sealing

予防策としては、未読メッセージを機種変更前のスマホ版LINEであらかじめ読んでおくこと、つまり引き継ぎにあたって大事なトークに未読メッセージを残さないことが重要です。

さらに、機種変更の際にLINEが長時間使えなくなるようなケースでは、その間に送られてきたメッセージの閲覧ができません。そこで、一時的にLetter Sealingをオフに設定することにより、機種変更中に送られてきたメッセージを機種変更後の端末で受信することができるようになります。