「Lenovo Smart Tab with Amazon Alexa(以下、Lenovo Smart Tab)」はAlexaを搭載し、スマートディスプレイとして使える斬新なAndroidタブレットです。レノボはこれまでにも、プロジェクターを内蔵したり、自立するなどちょっと変わったタブレットを多数リリースしています。
今回のLenovo Smart Tabは、一体どのような製品なのか詳しくレビューしていきます。同じくAlexaを搭載するアマゾンの画面付きスマートスピーカー「Echo Show」とどちらが優れているかも比較しています。
なお、Lenovo Smart Tabは直販ストアで発売記念価格として3万2270円で提供されており、なかなか割安です(2019年2月12日時点の税込価格)。
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スタンド兼用のスピーカーが付属
基本的には、タブレット+スピーカー内蔵のドック(Lenovo Smart Dock)がセットになった製品だと考えればわかりやすいでしょう。写真ではサイズがイメージしづらいのですが、タブレットが10.1インチなのでドックもそれなりの大きさ(65.5×283.6×50ミリ)があります。
付属のドックに立てたスタイル
外観は写真の通りで、それなりに高級感がありインテリアにもなじむでしょう。ただし、Echo Showのスマートな本体と比べるとやや無骨な感が否めません。外観はどうみても、スマートディスプレイというよりはタブレット+ドックです。とはいえ、Echo Showに比べると奥行きがないので、狭い机の上にも置きやすいはずです。
Lenovo Smart Tabのドックには、裏面に折りたたみ式の転倒防止バーが内蔵されています。利用時にはこれを開くように指定されていますが、安定性は高いので、自己責任にはなりますがスタンドを開かずに使ってもよいでしょう。何かをぶつけたりしない限り、特段問題になることはありません。
Echo Show(右)と比べるとLenovo Smart Tab(左)の奥行きが短いことがわかる
デザインがシンプルなのはEcho Show(右)のほうだ
底面部分のスタンドを開くことで、転倒を防止する
タブレットはスリムで高級感がある
タブレット部分は、242×167×7ミリと比較的コンパクトで、とてもスリムです。440グラムと程々に軽いので、使い勝手も良好です。手にも持ちやすく、また背面はミラー仕上げのため非常に高級感があります。ただし、背面は盛大に指紋が目立つのがいただけません。
考えてみると、タブレットは日常的にディスプレイに触れるので、画面に少しくらい指紋が付いていても気にならないでしょう。ところが、Lenovo Smart Tabはタブレットとしても使える上に、スマートディスプレイにもなるわけです。ドックに立てているスタイルでは、指紋がとても気になります。
ドックには専用の端子で接続するACアダプターが付属しており、電源につないで使います。タブレット単体ではUSB-C端子をつなぐことで充電が可能です。USB-Cケーブルは付属しますが、ACアダプターは付いていません。
単体のタブレットとしての完成度も上々
背面はミラー仕上げで高級感があるが、かなり指紋が目立つ
タブレットへの充電はUSB-C端子でおこなう
iPad Pro(11インチ、右)と比較してもほぼ同じくらいの薄さだ
性能はエントリースマホ並みでかなり厳しい
CPUはSnapdragon 450と、エントリークラスのスマホ並みです。外観がとても素敵で、高級感のある造りなので性能に期待してしまいそうですが、スペックは高くありません。また、ベンチマークのスコアもかなり残念な結果です。ストレージは64GBなので、こちらはまずまずです。必要に応じてmicroSDカードの増設にも対応します。
スマートスピーカーとして利用するなら、実はスペックはほとんど関係ありません。タブレットとして利用する機会が多いと、ちょっと残念です。特にゲームを楽しみたい人にはおすすめしません。
ベンチマークのスコアはかなり劣っている
Alexaの使い勝手は問題ないが、ウェイクワードが変更できず
セットアップはとても簡単です。初回に電源を入れると、ソフトウェアのアップデートが促されるので、指示通りにおこないます。あとは、ドックとタブレット本体がBluetoothでペアリングされるのを待つだけ。基本的には自宅のWi-Fiに接続し、画面の案内に従って進めるだけでOKです。
Alexaの使い心地もごく一般的で、スマートディスプレイとして利用する際にも困ることもありません。
Alexaの機能は問題なく利用可能
セットアップが終わると、本体をドックに立てるだけで、画面が自動的にAlexaへと切り替わります。取り外すと普通のAndroidタブレットになります。またドックへセットすれば、Alexaに切り替わるという使い方をします。まれにBluetoothのペアリングを数秒待つことがありますが、まず気にならないでしょう。
スタンドにセットしたままでも画面を上から下にスライドするなどして、Androidタブレットとしても利用可能です。ただし、指紋認証が使いづらいので、ピンなどでログインすることになるでしょう。
使ってみて少々困ったのは、ウェイクワードが変更できないことです。Echoデバイスなどは、呼びかける言葉を変更できます。複数デバイスを利用している場合は「アレクサ」「エコー」などと呼びかけを変更することで使い分けができます。ところが、Lenovo Smart Tabはあくまでもタブレットなので、Alexaを使ってもウェイクワードの変更ができません。
Bluetoothのペアリングボタンなどが付いているが、ほとんど使うことはない
大きな画面が付いているので、スマートスピーカーと違って情報を見られるのが重宝する
Lenovo Smart Tabの便利な使い方は?
Lenovo Smart Tabが便利なのは、情報を大きな画面で見られることです。さらに、そのままタブレットでも利用可能です。
たとえば、音声でカフェを探したとしましょう。目的の店があったら、タブレットを取り外して手元で操作すれば、Alexaアプリからヒットしたショップのリストが見られます。そのままスクショして記録したり、ノートアプリにメモをとるなどができます。スマートスピーカー+スマホでも同じような作業はできますが、大きな画面で直感的に使えるのが便利です。
また、ドックのスピーカーは単体でも利用可能。タブレットを手元に置いて映画を観ながら、音声はドックのスピーカーから出すこともできます。
カフェなどを音声で探せる
そのままタブレットを取り外して情報を閲覧可能だ
スピーカーは取り外しても利用できる
まとめ
Lenovo Smart Tabはなかなか面白い製品で、タブレットとスマートディスプレイを兼ねています。
スマートディスプレイとしては十分な使い心地で、スピーカーのサウンドも迫力十分です。個人的にはEcho Showよりも音がよいと感じました。スピーカーが背面に付いているEcho Showに対してLenovo Smart Tabは正面に付いているため、よりよく聴こえるわけです。
ただしリビングに置くには、Echo Showのほうがデザインを含めて向いています。そもそも、リビングの時計や情報取得ツールとしてスマートディスプレイを使うなら、あまり取り外して利用すると意味がなくなります。なお価格も、Echo Showのほうが2万7980円とやや手ごろです。
自室に置いてスマートディスプレイとタブレットを兼用してこそ、Lenovo Smart Tabの利用価値があります。ただし、タブレットとしての性能は高くないので、過大な期待をしないほうがよいでしょう。
構成・文:戸田覚
編集:アプリオ編集部