iPhoneを初期化して復元する方法 iCloudバックアップから復元
長くiPhoneを使っていると、ときに原因不明の不具合に見舞われるケースもあります。iPhoneを再起動すれば解決することもありますが、それでも解消されないならiPhoneの初期化が有効かもしれません。
とはいえ、iPhoneにはアプリや写真など、いきなり初期化して消えてしまったら困るデータがたくさん入っています。そんなとき頼りになるのが、Appleが提供するクラウドサービス「iCloud(アイクラウド)」です。初期化する前にiCloudへiPhoneのバックアップをとっておけば、初期化した後にデータを元通りに復元できます。
本記事では、PC(パソコン)を使わずにiPhoneを初期化し、iCloudのバックアップからデータを復元する方法について解説します。
1. iPhone初期化の前にiCloudでバックアップをとる
iPhoneを初期化する前に、データをiCloudにバックアップしておきます。iCloudには、iPhone内の写真・ビデオ、アプリをはじめとしたさまざまな情報がバックアップとして保存できます。その仕組みや、実際にバックアップをとる方法を解説します。
iCloudバックアップの仕組みと有料プラン(容量)購入
iCloudバックアップの内訳
iCloudでのバックアップは、iPhoneが電源につながれていてWi-Fiに接続されているとき、自動的に作成されます。iCloudにバックアップをとっておけば、iPhoneを初期化したときや新しいiOSデバイスを使い始めるときに、Wi-Fi環境があればデータを復元できます。
iCloudのバックアップは5GBまで無料で作成できます。しかし、iPhone内のデータを5GB以内の容量でキープし続けるのは現実的ではありません。iPhoneのバックアップをすべてiCloudでまかなうには原則、有料プランへのアップグレードが必要です。
iCloudの有料プランは50GB(月額130円)、200GB(月額400円)、2TB(月額1300円)の3種類から選択できます。もちろん、使用する容量が大きいほど月額料金も高くなるので、iPhoneストレージの使用状況に応じて最適なプランを選びましょう。
iCloudの有料プランの選び方や、購入する方法については下記記事を参照してください。
iPhoneの容量が足りない? iCloudストレージを購入する方法と解約方法を解説
手動でiCloudにバックアップをとる方法
iCloudのバックアップは自動で作成されますが、初期化の前には念のため手動で最新のバックアップをとっておくと安心です。
左:「設定」アプリから自分のアカウントを選択右:[iCloud]をタップ
まずは、iPhoneの「設定」アプリから自身のアカウントを選択、そこから[iCloud]をタップします。
「ICLOUDを使用しているAPP」項目の一番下にある[iCloudバックアップ]から、[今すぐバックアップを作成]を選択すると、手動でバックアップの作成ができます。
また、[今すぐバックアップを作成]の下には「最後に作成されたバックアップ」の時間も表示されています。手動でバックアップを作成するときの参考にするとよいでしょう。
iPhoneのデータをバックアップして復元する2つの方法──iTunes/iCloudバックアップの違いと手順まとめ
2. iPhoneを初期化する(パソコンは不要)
iPhoneの初期化にはPCは必要ありません。iPhoneの「設定」アプリから簡単に初期化できます。
iPhoneの「設定」アプリで[一般]→[リセット]を選択します。
[すべてのコンテンツと設定を消去]を選択すると、消去前にiCloudにバックアップをとるか訊かれます。[バックアップしてから消去]にすると、その場でiCloudへのバックアップがおこなわれます。
最新のバックアップの用意があれば[今すぐ消去]でも問題ないのですが、不安な人は最後にiCloudへのバックアップをとることをおすすめします。
バックアップが済んだら(または[今すぐ消去]をタップ後)、iPhoneのパスコードを入力します。
本当に消去するか確認のメッセージが2回表示されるので[iPhoneを消去]をタップして進み、最後にApple IDのパスワード入力して[消去]。すぐに初期化がスタートします。
iPhoneを完全に初期化(リセット)する方法──譲渡や下取り、売るときに知っておきたい手順を徹底解説
3. 初期化したiPhoneにiCloudバックアップからデータを復元する
最初は「Hello」だが、様々な言語のあいさつに変わっていく
iPhoneの初期化が完了すると、画面に「Hello」と表示されるので上にスワイプして続行します(iPhone 8以前の場合は右横にスワイプ)。使用言語やパスコードなどの基本的な設定をおこなってください。
いくつかの設定を完了すると、「Appとデータ」という画面が表示されます。[iCloudバックアップから復元]を選択し、バックアップ時と同じApple IDとパスワード、2ファクタ認証のためのApple ID確認コードを入力してください。
2ファクタ認証コードの取得について
2ファクタ認証に使用する6桁の認証コードは、「信頼できる電話番号」に登録した電話番号にSMSもしくは音声通話で送られてきます。また、同じApple IDでログインしているAppleデバイスでも確認できます。
iPhoneの初期化ではSIMには干渉しないので、電話番号の変更はおこなわれません。そのため、「信頼できる電話番号」に登録している電話番号が初期化しているiPhoneのもののみであっても、2ファクタ認証を通過できます。
iCloudで作成したバックアップの選択画面から、最新のバックアップを選択します。
設定の復元やApple Payの設定などを済ませると、iCloudからのデータ復元がスタートします。復元終了後は、自動的にiPhoneがスリープモードになります。
アプリの配列も復元される
iCloudからの復元後は、バックアップに基づいてアプリのダウンロードが開始されます。すべてのアプリがインストールされたら、iCloudからのバックアップは完了です。
iPhoneの初期設定画面の時計は常に「9:41」
iPhoneの初期設定画面の時計は常に「9:41」を示す仕様となっています。これはAppleのプレゼンテーションで、新商品の発表がおおよそ開始40分後となるよう設定されていることに由来するようです。
設定が終了すれば日本の標準時に戻ります。時計の不具合ではないので安心してください。
検証端末:iPhone X(iOS 12.4)