新しいiPadが発表されて話題になっています。一方で、2年ほど前からブームになっているのが格安Androidタブレットです。それぞれの違いをまとめているので、購入する際の判断の参考にしてください。なお今回紹介するのは、1万5000円〜3万5000円程度までの価格で販売されている“格安Androidタブレット”です。5万円を超えるようなモデルは対象にしていません。
本来なら、iPadのライバルになるのは最低でも5万円以上のAndroidタブレットですが、価格が近づくとあまり勝負になりません。iPadが強すぎます。ところが、1万5000円〜3万5000円程度で購入できる格安なAndroidタブレットなら、価格で性能差を妥協できる可能性があるわけです。
サイズはどちらも豊富に用意されている
iPadは、8.3インチディスプレイのiPad mini(第6世代)から13インチのiPad Pro(M4/第7世代)、iPad Air(M2/第6世代)まで、画面サイズごとに多くのバリエーションがあります。サイズで選択肢が限られると感じることはないはずです。
格安Androidタブレットも、一般的なモデルで8.4〜13インチまでバリエーションがあります。古い機種などを含めるとさらに選択肢は広がります。iPadはAppleが1社で発売しているのに対し、格安Androidタブレットは多くのメーカーがさまざまな製品をリリースしています。11インチのAndroidタブレットをひとつとっても、数え切れないほどのバリエーションがあります。
用途に応じた最適なサイズは、iPadとAndroidタブレットのどちらでも選択できます。

iPadは8.3インチのiPad miniから13インチのiPad Pro(M4)、iPad Air(M2)まで選択できる

格安Androidタブレットはさらに多くのバリエーションがある
スペックはiPadの完勝、性能差は価格での妥協が必要
iPadはM2やM4など、高性能なApple製のチップを採用しています。最廉価モデルのiPad(第10世代)でもA14 Bionicです。
対して、格安Androidタブレットで主流になっているチップはHeilo G99。Androidスマホのチップで考えても、中の下か下の上くらいです。2万円を切る格安Androidタブレットには、Unisoc T616などさらに性能の低いチップが採用されています。もちろん、メモリやストレージもiPadが大幅に優れています。
性能の差は圧倒的で、どんな作業をしてもiPadはテキパキと動作します。価格差があるので当然のことです。ヘビーなゲームはiPadなら余裕で動作しますが、格安Androidタブレットはかなり無理があります。動画や写真の編集もiPadがおすすめです。ただし、軽い作業しかしないなら格安Androidタブレットでも十分でしょう。
ディスプレイにも圧倒的な差があります。iPadのディスプレイはどれも非常に美しく、iPad Pro(M4)はついにOLEDを採用しました。格安Androidタブレットは、iPadのディスプレイと比較すると暗く画質も劣ります。こちらも、価格差があるから仕方がないところです。重要なのは、性能やディスプレイの差を妥協するかどうかになります。

左はHelio G99で、右はM4チップ(iPad Pro)。性能と画質に圧倒的な差がある
microSD対応や通話などiPadにない機能を搭載するモデルも
格安Androidタブレットは、前述のように色々な機種があります。機種ごとに違いはありますが、多くの製品がmicroSDカードに対応しており、ストレージを増設できます。また、イヤホンジャックを搭載していて、有線イヤホンが使える製品も多くなります。
さらに、8インチクラスの格安Androidタブレットは、電話による通話ができるモデルも存在するので、大きなスマホとしても使えるわけです。
iPadは、全モデル共通でmicroSDカードには非対応です。また、現行モデルはイヤホンジャックを搭載しておらず、通話にも対応していません。このようにコンセプトが異なるので、格安Androidタブレットは必要な機能の搭載状況に応じて選ぶという手もあります。
逆に、iPadは先進的でeSIMにも対応しており、各種センサーを豊富に搭載します。

格安AndroidタブレットはmicroSDカードに対応

通話が可能なモデルもある
Apple Pencilの書き味は代替不可
iPadといえば、Apple Pencilを思い浮かべる人も多いでしょう。新モデルのiPad Air(M2)とiPad Pro(M4)は、Apple Pencil Proに対応し、さらに使い勝手が良くなりました。もちろん、最廉価のiPadでもApple Pencilが使えます。非常に書き味が良く、筆記の遅れもありません。対応アプリも数多く、手書きで検索なども簡単にできます。
対して、格安Androidタブレットには、専用ペンに対応するモデルがほとんどありません。ペンが付いていたとしても、いわゆるスタイラスです。指の代わりになるペンなのでペン先が太かったり、円盤が付いていたりします。ごく一部の機種がペン先の細い専用ペンを用意しますが、こちらも書き味はほめられたものではありません。線が途切れたり、筆記がかなり遅れたりすることがあります。

Apple Pencilはとても書きやすい

Apple Pencil Proでは、指先に力を入れるとパレットが表示される「スクイーズ」に対応
タブレット非対応アプリはiPadのほうが使いやすい
基本的に、iPadのアプリはiPadに最適化されています。一部、iPhone向けのアプリを無理矢理iPadで表示しているものもあります。
Androidタブレットでは、対応しているアプリでも表示がいま一歩なものが少なくありません。さらに、タブレット非対応のスマホ用アプリが拡大表示されるのは、iPadと同様です。一般的なアプリやゲームともに、iPadのほうが洗練されていて使いやすいと感じるでしょう。

iPadで「X」を開いた

Androidタブレットでは表示がひどい
iPadはアクセサリーが豊富
iPadはとても良く売れているので、アクセサリー類が豊富です。Apple製のケースやキーボードはもちろん、他社からもケース、フィルム、キーボードなどがたくさん販売されています。
一方で格安Androidタブレットは、ジャストサイズのケースが見つからなかったり、販売されていても極めて少数だったりします。画面フィルムも同様に選択肢が限られてしまいます。フィルムやケースが必ず欲しい人は、製品にオプションなどで付けられるものを選ぶと良いでしょう。
キーボードは、Bluetooth接続でなんとかしのぐこともできますが、ケースは汎用品を使うわけにもいきません。

iPadにMagic Keyboardを取りつけた。iPadのアクセサリーは豊富だ
まとめ:動画視聴やブラウジングだけなら格安Androidタブレットで十分
タブレットを手に入れてしっかり使い込むなら、間違いなくiPadがおすすめです。価格は高く、最廉価のiPad(第10世代)で5万8800円からとなります。さらにApple Pencilやキーボードなどを買い足すとかなりの金額になります。最新で最高性能のiPad Pro(M4)は、高性能な1TBの構成を選ぶと、30万円を大幅に超えます。さらに、Apple Pencil ProやMagic Keyboardを購入すると、40万円を超えてきます。
これは、格安Androidタブレットの2〜10倍程度の価格です。それでも、自分の用途に合ったiPadを選べば、十分に元は取れるでしょう。
格安Androidタブレットは、ライトユースに限る人におすすめします。特に、タブレットでは動画を見るだけ、という人には推奨します。もちろん、iPadに比べると画質は劣りますが妥協可能でしょう。他にも、ブラウザを使ってブログやニュースを見たり、投資情報を見たりといった、コンテンツ消費型の使い方なら、価格で妥協できる人も多いはずです。それぞれの違いを把握した上で、予算と相談して決めましょう。