1〜3万円台で買えるAndroidタブレットが大人気です。製品数が爆発的に増えており、選び方で困っている人も少なくないでしょう。今回は初心者にもわかりやすいように、8つのポイントで格安Androidタブレットの選び方を紹介します。
今回登場するタブレットはあくまでも参考製品で、本体価格も記事執筆時点のものです。各メーカーからさまざまなバリエーションのモデルが発売されているので、8つのポイントを基準に選んでみてください。
格安Androidタブレット選びに重要な8つのポイント
格安のAndroidタブレットを購入するときに、注目すべき8つのポイントをまとめました。
ポイント1:本体・画面のサイズ
格安タブレットのサイズは8〜12インチ程度となります。どのサイズが良いかは使い方にあわせて選んでください。
持ち歩きが多く、電車の中で片手で持って使うなら8インチがベストです。逆に、家の中での利用で少しでも大画面が良いなら12インチがおすすめです。とはいえ、この2つは両極端とも言えます。主流は汎用性の高い10〜11インチモデルで、機種のバリエーションは数え切れないほどあります。

左は8.4インチの「ALLDOCUBE iPlay50mini Pro NFE」、右上は11インチの「DOOGEE T30 Pro」、右下は12インチの「TECLAST T60」
ポイント2:チップの性能
格安タブレットのチップは、あまり耳にしたことのないモデルが多いでしょう。その中でもおすすめは「Mediatek G99」。格安タブレットの中では高性能でテキパキと快適に使えて、長期間陳腐化しない可能性も高いです。ただ価格がやや高めで、2万円台後半からとなります。それでも原神などのヘビーなゲームには向きません。重いゲームをプレイするなら、5万円以上の高性能タブレットをおすすめします。
中位クラスでは「MT8788」や「UNISOC T616」がおすすめのチップです。いわゆるスタンダードな性能を持ち、価格も頃合いで動画を見てもストレスはたまらないはずです。下位クラスのおすすめが「UNISOC T606」で、動作はややもっさりしています。とはいえ、動画を見るのに問題はないでしょう。これ以下の性能のチップは推奨しません。
メモリは8GB以上のモデルをおすすめしますが、4GB程度で割り切っても使えないことはないでしょう。最近は仮想メモリを使えるモデルが多く、16GB(8+8)と表示されている製品のメモリは実質8GBです。

「Mediatek G99」は快適に利用できる

「UNISOC T616」はスタンダードな性能だが、ややもっさりする

「UNISOC T606」が下限の性能で、少しストレスを感じるだろう
ポイント3:ディスプレイの画質や明るさ
画質も価格なりで、性能が低いのに高画質なモデルはほとんど見かけません。たとえば1万2990円で購入できる「Bmax i10pro」は、800×1280と解像度がやや低くなります。とはいえ、動画視聴の際に720pならあまり気になりません。もちろん、画面サイズが大きいほど、解像度の高さが意味を持ちます。
「DOOGEE T30 Pro」は、1600×2500と高解像度で写真を見てもうっとりしますが、2万7900円と「Bmax i10pro」の倍以上の価格になります。どちらが良いかはユーザーの判断で、予算で検討してもいいでしょう。
画質や明るさも機種によってだいぶ違いますが、こちらも価格なりです。最近は2万円程度の製品でも明るく美しい製品が増えてきました。

「Bmax i10pro」は格安で解像度が低いが、ぱっと見はさほど悪い画質に感じない

ただし、近くから見るとざらつきが気になる

「DOOGEE T30 Pro」を同じ距離から撮影するとこんなに差がある
ポイント4:搭載OSとWidevineの対応状況
OSは、Android 13か14がおすすめです。Android 14はまだ普及が進んでおらず多くの製品がAndroid 13であるため、今Android 13を買っても問題ありません。Android 12以前のモデルはほとんど見かけません。
動画を視聴するなら、Widevineにも気をつけましょう。Widevineとは、動画を高解像度で見られる基準の一つで、主にWidevine L1とL3があります。L1であれば、動画配信サイトのコンテンツがフルHDで視聴できます。L3では解像度が低くなります。
Widevine L1でもすべての配信サイトが高画質で見られるとは限りません。とくにNetflixを高解像度で視聴したいなら、個別の対応を確認したほうがよいでしょう。Amazonなどの製品ページに対応状況が記載されていない製品は、非対応だと考えるのが無難です。

Widevineの対応はアプリで調べられるが、購入前の確認はメーカーの情報に頼るしかない
ポイント5:スピーカーをいくつ搭載しているか
2万円以上の製品はだいたいステレオスピーカーを搭載しており、高性能モデルは4つ搭載している製品もあります。一方で、スピーカーに言及していない安価なモデルは、スピーカー1個のモノラルという可能性もあります。
ただし、イヤホンやヘッドフォン、外付けのBluetoothスピーカーを利用するならまったく問題ありません。動画や音楽の視聴スタイルとあわせて確認してください。

スピーカーが4つ付いているモデルは音が良い
ポイント6:LTEに対応しているか
LTEに対応しているモデルは、SIMを入れて単体でデータ通信ができるので便利です。SIMを内蔵する予定のない人も、念のためLTEの対応は確認しておくとよいでしょう。
LTEに非対応のモデルは、GPSも搭載していない場合があります。スマホのテザリングなどで利用しても、カーナビ代わりには使いづらいわけです。もちろん、LTE非搭載でもGPSを搭載していれば問題ありません。

LTE対応のモデルは、カーナビにも使いやすい。格安タブレットは5Gにまだ対応していない
ポイント7:付属品の充実度
格安タブレットはフィルムや専用のケースが販売されていないこともあるので、丁寧に使いたい人は購入時に確認したほうがよいでしょう。製品によっては、ガラスフィルムと専用のケースが付いてくることもあるので、少し高くても元が取れます。
なお、充電器とケーブルは基本的に付属します。ペンが付いてくる製品もありますが、これは専用のペンではなく安価なタッチペンなので、Apple Pencilのような書き味は期待できません。

付属品をチェックしよう。樹脂製のフィルムは最初から貼ってあるケースがほとんど
ポイント8:バッテリー容量(8000mAhが目安)
バッテリーの容量は8000mAhが一つの目安で、これ以上なら合格だと考えていいでしょう。画面が小さい8インチモデルは5000mAhが目安になります。激安の機種を除けばスマホほどバッテリーの駆動時間に差が付くわけではないので、念のために確認しておけば十分です。
また、最近では長期間使うための設定ツールなども採用しており、ずいぶんと進化してきています。
変わり種のモデルでは、20000mAhを搭載するアウトドア向けの製品もありますが、バッテリー容量が大きくなるに従って本体も当然重くなります。

バッテリーは念のためにチェックしておけばOK
まとめ:最低ラインは1万5000円
格安Androidタブレットは1万5000円がおおよその価格の目安となり、それ以下の価格のモデルは妥協点が多くなります。1万5000〜2万円程度がスタンダードで、製品も多数のラインナップから選択可能です。2万〜3万5000円程度が上位モデルに当たり、高画質ディスプレイやチップ性能の高い製品が望めます。
ただ、格安Androidタブレットは数千円の差で多くの製品がひしめいており、頻繁にセールもあるのでズバリこれという指摘は難しいのが実情と言えます。また、あっと言う間に品切れして新製品が登場するのも常です。選ぶのが難しい格安タブレットですが、逆に言うとスタンダードクラスの価格で買えばまず満足できるほど、価格破壊が進んでいます。
以下のYouTube再生リストでは、100台近いタブレット製品をレビューしているので、興味のある人は参考までにご覧ください。
なお、本記事で紹介したAndroidタブレットは以下から確認できます。