iOS 13でビデオ編集が大きく進化 抑えておきたい5つの新機能をざっくり紹介
iOS 13では「写真」アプリがアップデートして、たくさんの新機能が追加されています。今回はその中で、ビデオの編集機能についてピックアップしました。
iPhoneでのビデオ編集機能といえば、これまではトリミングにのみ対応していましたが、iOS 13から切り抜きや回転、遠近補正、フィルター操作など、写真と同等の編集機能をサポートしています。ビデオ編集時に使える機能が一気に増えたので、ここで整理しておきましょう。
iOS 13で注目すべき5つのビデオ編集機能
まずは、ビデオの編集画面に移る方法を確認しましょう。
左:画面右上の[編集]でビデオの編集画面へ右:赤枠囲み部分の左から「ビデオ」「調整」「フィルタ」「傾き補正」
ビデオの編集画面に切り替える方法はこれまでと同じです。編集したいビデオをフル画面で表示して右上の[編集]をタップすると、ビデオの編集画面に切り替わります。
画面の下中央部分には、「ビデオ」「調整」「フィルタ」「傾き補正」の4つのアイコンがあり、それぞれの機能に切り替えられます。左端にはキャンセルボタン([×])があり、タップすると編集内容を保存せずに編集を終了します。
編集内容を保存して編集を終了するには、画面右下のチェックボタンをタップしてください。
1.「ビデオ」で不要部分や音声をカットする
黄色の枠内の部分が残される
「ビデオ」では、ビデオの再生とトリミングを行います。
トリミングは、ビデオの前後にある不要な部分をカットする機能で、タイムラインの両端にある黄色いバーをドラッグして残したい部分を指定します。操作方法はこれまでと同じなので迷うことはないでしょう。
左上のスピーカーアイコンで動画のミュートが可能。画像はミュートがオンの状態
画面左上にあるスピーカーのアイコンをタップすると、ビデオの音声がミュートされます。スピーカーアイコンをタップしてから保存すると、音声なしのビデオになります。
2.「調整」でビデオの色味やコントラストを修正する
左:オリジナル右:自動調整後
「調整」は、iOS 13で新しく追加された機能です。
ビデオを見やすくしたければ「自動調整」をタップするだけでOKです。露出やハイライト、シャドウなどを自動で調節し、元のビデオよりも少しだけくっきり見えるよう調整してくれます。
自動調整をすると、どの項目をどれだけ調整したかがアイコンに表示されます。自動調節の結果が気に入らなくても、手動での調節が可能ですし、ほかの効果を加えても構いません。自動調整では使われない項目もあるので、いろいろなパターンを試してみましょう。
3.「フィルタ」の調整でビデオの印象を変える
「フィルタ」では、さまざまなフィルタを使ってビデオの印象を変えることができます。フィルタの内容は静止画向けのものと同じで9種類用意されています。
- ビビッド
- ビビッド(暖かい)
- ビビッド(冷たい)
- ドラマチック
- ドラマチック(暖かい)
- ドラマチック(冷たい)
- モノ
- シルバートーン
- ノアール
フィルタが強すぎるときは、スライダを右にドラッグするとフィルタの効果が弱まります。効果の強弱がリアルタイムに変化するので、それを見ながらちょうどいい強さに微調整できます。
なお、「調整」で各項目の数値を変えている場合は、フィルタの効果にも影響を与えます。彩度を落としてからビビッドフィルタをかけるとセピア調の映像になるなど、工夫次第でおもしろい表現ができます。
4.「傾き補正」でビデオの素人っぽさを軽減
傾き補正や歪み補正では、ビデオの角度や遠近の歪みを補正します。
水平や垂直の線が多い建物などを撮影すると遠近感が強調されて不自然に見えることがあります。このようなときは、垂直方向と水平方向のラインを揃えることで、遠近の歪みを解消します。素人っぽさがなくなり、ワンランク上の機材で撮影したように見せることができるはずです。もちろん、斜めに構えて撮ってしまったビデオを修正したいときにも重宝します。
グリッドに沿うように調整すればOK
基本的な使い方は、スライダを左右にスライドするだけです。スライダを動かすとグリッドが表示されるので、縦横の線を見ながらラインが揃うように調整します。
白枠内の部分のみ切り取られる
また、ピンチ操作で不要な領域を切り取れば、見せたいところだけを残した映像を簡単に作ることができます。
左:傾き補正前右:傾き補正後
ところで、iOS 13からはビデオの左右を反転する機能も追加されています。
YouTubeなどを検索するとわかりますが、ダンスの振り付け用に反転した動画がいくつも公開されています。見たままの動きを覚えるだけで、振り付けをマスターできるのがこの方法のメリットです(鏡の中と同じ状態になります)。
プロの動きなどを撮影したビデオを反転させれば、ダンスやスポーツの練習をするときに活用できそうです。
5.「iMovie」と連携してテロップや音楽を挿入する
これまでは撮影したビデオにテロップや音楽を入れたくても、「写真」アプリにそのような機能がありませんでしたが、この点についても解決策が用意されました。それがビデオ編集アプリの「iMovie」との連携です。
iMovieはApple製のアプリですが、iPhoneにプリインストールされていないので事前にApp Storeからインストールしてください。
左:画面右上の[]をタップ中:「iMovie」を選択右:iMovieで好きなテロップを挿入したら[完了]をタップ
まず、画面右上にある[]をタップして「iMovie」を選択すると、ビデオがiMovieに渡されます。iMovieでテロップや音楽を挿入して[完了]をタップすれば、再び「写真」アプリに書き戻されます。
iMovieには、「写真」アプリにないフィルタもあり、自由に活用できます。とはいえ、iMovieも自由度が高いアプリというわけではなく、もう少し機能があればと思うことも少なくありません。
静止画ではサードパーティ製のカメラアプリで連携に対応しているものがすでにいくつか登場しています。ビデオに関しても選択肢が増えるのを待つばかりです。
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iPhoneのビデオ編集方式がいつでもオリジナルに戻せる「非破壊編集」に
非破壊編集のサポートによりiOS 13から簡単にオリジナルデータに戻せるようになった
iOS 12までは、ビデオの編集内容の保存方法として、オリジナルデータへの上書きか、編集したビデオを新しいデータとして保存するかの2択しかありませんでした。一度データの上書きをしてしまうとオリジナルデータへの復元はできなかったのです。
その一方で、iOS 13から「写真」アプリ上の編集内容をオリジナルデータに反映しない「非破壊編集」方式が採用されました。
非破壊編集とは、いつでも好きなときに元(オリジナル)のビデオに戻せるということです。写真ではすでに馴染みの機能でしたが、iOS 13になってビデオの編集でも非破壊編集がサポートされました。
iOS 12でのビデオ編集後の画面
iOS 13では編集をしたあと[完了]をタップすれば編集内容が保存されます。iOS 12までのように[オリジナルをトリミング](ビデオの上書き)か、[新規クリップとして保存](ビデオがいくつも存在するようになる)のどちらかを選ぶ必要がなくシンプルです。
ただ逆に言うと、以前のように不要部分を切り取ったあと、オリジナルを削除して軽量版だけを残すということができなくなっており、データ容量を節約するのが難しくなっています。
非破壊編集で思い切った編集ができるようになった反面、ビデオをよく撮影する人は容量の確保に気を向ける機会が多くなりそうです。
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iPhoneで写真を一括削除(全削除)する方法
ビデオを編集前の状態に戻したいときは、編集画面を開いて[元に戻す]→[オリジナルに戻す]をタップするだけです。トリミングやフィルタ、さらには前述の連携機能を使ってiMovieで編集した内容なども含め、すべての効果を削除してオリジナルのビデオに戻します。
また編集したビデオを別バージョンとして残したいときは、共有ボタン
のアクションシートから[複製]をタップすれば、同じビデオを複製できます。

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