韓国ドラマ『ハイパーナイフ 闇の天才外科医』は狂気の天才外科医の復讐劇、ディズニープラスで配信中

韓国ドラマ『ハイパーナイフ 闇の天才外科医』は狂気の天才外科医の復讐劇、ディズニープラスで配信中

日本の医療ドラマとは一線を画す

日本のテレビドラマの医療ものといえば、『ドクターX』など破天荒な医者が諦めずに患者を治療するといった感動的な作品が多いと思います。しかし、韓国の医療ドラマ『ハイパーナイフ 闇の天才外科医』はそういったタイプの作品とは一線を画す内容です。

見どころは、天才的な腕を持ちながらも狂気に満ちた危うい性格の外科医同士の対決。子弟で似た部分もありながら、医師の世界から“追い出された者”と“追い出した者”という関係性のなかで熾烈な対立と頭脳戦が描かれる、劇薬とも言える刺激的な内容のドラマです。

医師免許を剥奪された天才脳神経外科医

廃ビルになにやら黒服の怪しい連中が集まっているところに、救急車で入れ墨だらけの男が運ばれてきます。どう見ても堅気ではない男は緊急手術を必要としているようで、手術服に身を包んだ主人公のチョン・セオク(パク・ウンビン)が待ち構えています。彼女は鮮やかなメスさばきで患者の頭を開頭し、困難な手術を成功。患者の命を見事に救って見せます。

これが普通の病院なら喜ぶべきところかもしれませんが、どう見てもここは病院ではなく、非合法な手術であることは明白。どうやらセオクは無免許の医師のようです。

実は、彼女はかつて病院で問題を起こし、医師免許をはく奪されていたのです。セオクの免許がはく奪されることになったのが、有名大学病院の脳神経外科教授のチェ・ドッキ(ソル・ギョング)との確執です。ドッキは韓国トップクラスの脳神経外科医。彼にしかできない手術もあると言われています。

しかしある日、違法手術の撮影動画を見せられたドッキは、その見事な手術に驚きます。「この手術は韓国では自分以外にできる人間がいないはず」と考えるドッキですが、一人だけ思い当たる人物がいたのです。

それがかつて自分が医療の世界から追い出したセオクです。性格はねじ曲がっているが腕は超一流、そんなセオクは医師免許をはく奪された後も、手術することをなによりも人生の喜びとする自分の欲望に忠実に生きるため、非合法な手術を請け負っていたのです。

彼女はブラックジャックのように弱い人を助けるという動機で手術をしていません。あくまで自分の欲望のためです。一方、ドッキにはそんなセオクの腕が必要な事情がありました。彼は脳に悪性腫瘍を患っていて、治療するには難易度の高い手術をする必要があります。その手術を成功させられるのは、皮肉にも自分だけ……セオクを除けば。

ドッキとしてはセオクを医者とは認めたくないと考えています。しかし、彼の命を救えるにはまさにその狂気の天才外科医だけ。果たして、ドッキはセオクに手術をさせることができるのか、また、セオクは自分の医師生命を絶ったドッキに復讐できるのか、まったく異なる思惑を持った2人が激突する、緊迫感のある展開が連続します。

狂気の天才外科医を演じるのはパク・ウンビン

怪物とも言える主人公・セオクを演じるのは、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』で自閉スペクトラム症を持つ主人公・弁護士を演じて世界的に注目を浴びたパク・ウンビン。ウ・ヨンウもまた天才肌のキャラクターでしたが、今回は天才とは言っても真逆の性格の狂気に満ちた天才を演じています。

とにかく傲慢で、医者なのに命を救うこと自体には興味がなく、手術すること自体を望むという、これまでになかったタイプの医師像を怪演しています。『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』で彼女のファンになった人にはいささかショックを受けるかもしれませんが、その演技にふり幅に驚かされます。

そんなセオクと対立するドッキ役は、韓国映画の重鎮とも言える大ベテランのソル・ギョング。『罪深き少年たち』や『ペパーミント・キャンディー』など、数々の名作で活躍してきた彼の重厚感あふれる存在感が、作品の品格を高めています。

2人の実力派俳優の火花散る演技バトルも本作の大きな見どころ。互いの思惑と主張をぶつけながら、相手を動かそうとしていくその手練手管を表現する主役2人の存在感が見事な作品です。

『ハイパーナイフ 闇の天才外科医』を見る(ディズニープラスで配信中)

『ハイパーナイフ 闇の天才外科医』のストーリー

元天才神経外科医のセオクは、彼女をどん底に突き落とした師匠のドッキに再会する。2人は、かつて誰よりもお互いを慕っていた。憎しみだけが残る今、セオクは自分を訪ねてきた師匠に激怒し、復讐を誓う。

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