うっかり自分のスマホをどこかに紛失してしまった場合でも、PCや他のAndroid端末などがあれば、Googleの「デバイスを探す」サービスでスマホの位置情報を検索したり、不正に利用されないようにロックをかけたりすることができます。焦らず適切な対処をおこなえば、スマホの発見につながるかもしれません。
本記事では、Androidスマホユーザー向けにスマホ紛失時の対処法を解説します。また、万が一スマホが見つからなかったときに取るべき行動についても合わせて紹介します。
紛失したAndroidスマホはリモート(遠隔)で探せる
Androidスマホを紛失してしまったときのために、Googleは「端末(デバイス)を探す」というサービスを提供しています。Googleアカウントがあれば誰でも利用できるので、紛失時はまず「デバイスを探す」でスマホを探してみましょう。
「デバイスを探す」でできることは?
「デバイスを探す」を使ってできることは以下の4つの動作です。
それぞれ、紛失したときの状況で取るべき行動が変わってきます。家の中など自分の近くで見当たらないときはスマホから音を鳴らす、外出先のどこで落としたか分からない場合は位置情報を検索してスマホをロックする、または盗難が疑われる際はデバイスのすべてのデータを消去するなどといった具合です。
リモートで探すための条件は?
紛失時に「デバイスを探す」を利用するためには、以下の条件をすべて満たしている必要があります。
- スマホの電源がオンになっている
- スマホでGoogleアカウントにログインしている
- スマホがモバイルデータまたはWi-Fiに接続している
- Google Playでの表示がオンになっている
- 位置情報がオンになっている
- 「デバイスを探す」がオンになっている
もし上記のいずれかの条件を満たしていなかった場合は、「デバイスを探す」で位置情報を検索したり、データを削除したりすることができなくなってしまいます。ただ、「Google Playでの表示」や「デバイスを探す」の許可などは、初期状態でオンになっています。自らオフにしたユーザー以外は心配する必要はありません。
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「デバイスを探す」でスマホを探せなかった場合は、各キャリアのサポートを利用して探す方法もあります(後述)。
Androidスマホを「デバイスを探す」で探す方法
実際に「デバイスを探す」を使ってスマホを検索する方法を解説します。「デバイスを探す」を利用するには、PCか他のスマホ、タブレット(iPhoneやiPadでも可)が必要です。
紛失したAndroidスマホ以外に、PCやiPhone、iPadなどを持っていれば、ブラウザから「デバイスを探す」を利用できます。また、別のAndroidスマホやAndroidタブレットがある場合は、「端末を探す」アプリを使って探すことも可能です。今回はPCから「デバイスを探す」を利用した場合を例に解説しますが、他のスマホやアプリから探す手順と変わりません。
まずは以下のリンクから「デバイスを探す」のページにアクセスし、Googleアカウントにログインしてください。
スマホの位置情報を特定する
「デバイスを探す」にログインすると、ログインしたGoogleアカウントに紐付けられたスマホの位置情報が自動的に検索されます。位置情報の検索ができる状態であれば、しばらく待つと大まかな位置情報がマップ上に表示されます。
スマホから着信音を鳴らす
「音を鳴らす」を選択すると、スマホから着信音が最大音量で流れます。家の中やバッグの中など、自身の近くにあるスマホを探したいときに便利です。着信音は、スマホがサイレントモードやマナーモードに設定されていても流れるようになっています。
スマホをロックする
外でスマホを紛失してしまったときは、まずは「デバイスを保護」を選択してスマホをロックしましょう。
必須ではありませんが、拾得者へのメッセージや連絡先の入力もできます。面倒でなければ、入力しておいたほうが見つかりやすくなるかもしれません。
[デバイスを保護]を選択すると、即座にスマホがロックされます。
メッセージと電話番号を入力してロックすると、ロック画面にメッセージと発信ボタンが表示されます。拾得者が発信ボタンを押すと入力した電話番号に電話がかかる仕組みで、電話番号などの個人情報は分からないようになっているので安心してください。
スマホのデータを消去する
スマホの盗難が疑われるときや、スマホ内の個人情報を外に出したくないときは、最終手段としてスマホのデータの完全消去があります。「デバイスデータを消去」から遠隔でスマホを工場出荷状態に初期化できます。なお仮にスマホがオフラインの状態でも、次にオンラインになったときに自動的に初期化がおこなわれる仕様となっています。
「デバイスを探す」のメイン画面から「デバイスデータを消去」を選択し、再度[デバイスデータを消去]を選択します。
Googleアカウントへのログインが求められるので、パスワードを入力してログインします。
最後の確認メッセージで[データ消去]を選択すると、スマホの初期化がスタートします。スマホは工場出荷状態となり、これ以降は位置情報などの検索もできなくなるため、初期化したスマホは自らの手元に返ってこないことを前提として考えるべきでしょう。
「デバイスを探す」でAndroidスマホを発見できなかったときの対処法
「デバイスを探す」でAndroidスマホの位置情報が検索できなかったときは、以下の方法で不正利用などの対策をおこないます。
キャリアの紛失サポートを利用する
まずは、自身の契約しているキャリアに紛失時のサポートがあるかを確認してみましょう。ここではドコモとau、ソフトバンクの大手キャリア3社のサポートを例として紹介します。
ドコモ「ケータイお探しサービス」
ドコモでは「ケータイお探しサービス」というスマホ紛失時のためのサービスがあります。「ケータイお探しサービス」の場合は、紛失したスマホの電源が切れていたり圏外だったりしても、最後に通信したエリアの位置情報が確認できます。
Image:ドコモ
「ケータイお探しサービス」は、My docomoにPCなどからアクセスするか、ドコモの窓口に電話すると利用できます。
- ドコモ受付窓口:0120-524-360
- My docomo(dアカウントのログインが必要)
毎月55円(税込)で「ケータイお探しサービス」を契約しているユーザー以外は、スポット契約で3300円(税込)がかかります。またAndroidスマホの場合、「ケータイお探しサービス」は対象の機種が限られます。必ず以下の対象機種一覧に自身のスマホが含まれているかを確認してから利用するようにしましょう。
au「位置検索サポート」
auの「位置検索サポート」は、My auもしくはお客様センターへの連絡でスマホの位置情報を検索できるサービスです。
Image:au
「位置情報検索サポート」を利用する前に、対応機種一覧を必ず確認してください。対応機種以外のスマホでは「位置情報検索サポート」を利用できません。また、「位置検索サポート」を利用するためには以下のサービスのいずれかに加入している必要があります。
- auスマートパス
- auスマートパスプレミアム
- auスマートサポート
- 故障紛失サポート
- 使い方サポート
- 安心サポートパック
スマホの電源が切れていたり、圏外だったりしても最後に通信した基地局からスマホの推定位置を調べられます。また「位置情報検索サポート」では、スマホの推定位置の近辺に遺失物センターがある場合、該当施設への連絡先も表示されます。ひとまず連絡して確認してみるのもよいでしょう。
ソフトバンク「紛失ケータイ捜索サービス」
ソフトバンクの「紛失ケータイ捜索サービス」は、紛失したスマホの位置情報をオンライン上の地図か、カスタマーサポートへの電話で確認できるサービスです。
Image:ソフトバンク
「紛失ケータイ捜索サービス」を利用するには、セキュリティパックもしくは基本パックに加入している必要があります。
電池切れや圏外の場合でも、最後に通信をおこなったおおよその位置が把握できます。なお、「紛失ケータイ捜索サービス」の利用後には、原則として回線停止処理が実施されます。
携帯回線を利用停止する
紛失したスマホが見つからない場合は、不正利用を防ぐために携帯回線の利用停止処理をおこないましょう。回線停止処理の具体的な方法については、各キャリアの公式サイトを参照してください。
紛失・盗難などによる利用中断・再開|NTTドコモ
緊急通話停止・解除|au
紛失・盗難にあったとき|ソフトバンク
モバイルSuica・PASMOを利用停止する
スマホでモバイルSuica・PASMOを利用していたのであれば、SuicaやPASMOの利用停止手続きが必要です。モバイルSuica・PASMOは、スマホのロックを解除しなくても決済ができてしまうため、チャージしていた金額が不正に利用されてしまう可能性があります。
JR東日本:モバイルSuica|携帯情報端末の紛失・盗難
モバイルPASMO|スマートフォンの紛失・故障
SNSなどのログインパスワードを変更する
紛失したスマホで利用していたSNSなどの各種サービスのログインパスワードを変更しましょう。
- Googleアカウント:別のデバイスやWeb上からGoogleアカウントにログインすれば、パスワードを変更できる
- LINE:別のデバイスからLINEアプリにログインすれば、紛失したスマホで使っていたLINEは初期化される(アカウントが引き継げる)
- Twitter:別のデバイスやWeb上からTwitterにログインすれば、パスワードを変更できる
- Instagram:別のデバイスやWeb上からInstagramにログインすれば、パスワードを変更できる
- Facebook:別のデバイスやWeb上からFacebookにログインすれば、パスワードを変更できる
- その他:楽天やAmazonなど、よく利用しているECサイトのアカウントなど
警察に遺失物届けを出す
最後に、警察で落とし物をした届出をおこないましょう。公共交通機関などでなくした場合は、各窓口に問い合わせてみるのも一考です。
なくしたスマホが警察に届いた場合は、警察署またはキャリアから直接連絡が入ります。回線停止している場合は、別途折り返し先の電話番号も伝えておくことも忘れないようにしましょう。
検証端末:Pixel 3a(Android 11)