Google製のスマートフォンとして人気のピクセルシリーズに最新モデル「Pixel 4」が登場。単眼だったカメラがダブルになるなど、大きな進化を見せています。そもそも、SIMフリーで購入できる高級スマートフォンとしては稀有な存在なので、注目している人も多いでしょう。
今回は前モデルの「Pixel 3」と比較しながら、新モデルの魅力をレビューしていきます。気になる価格は、Googleの直販でPixel 4が8万9980円〜、Pixel 4 XLが11万6600円〜となっています。
ディスプレイはより縦長に大きくなった
今回はコンパクトなPixel 4を紹介します。まずは少し変わった本体とディスプレイのサイズについて、Pixel 3と比較してみましょう。
ディスプレイ | 本体サイズ | 重量 | |
---|---|---|---|
Pixel 3 | 5.5インチ | 145.6×68.2×7.9ミリ | 148グラム |
Pixel 4 | 5.7インチ | 147.1×68.8×8.2ミリ | 162グラム |
Pixel 4は少し大きくなりました。手にしても「軽いなあ」と感じたPixel 3ほどの軽快感はありません。また、単体では気が付かないのですが、並べてみるとディスプレイが大きくなったことがよくわかります。実は本体の横幅はほとんど変わらず、ディスプレイはより縦長になっています。縦横比は18:9から19:9へと変わりました。
やや大型化したのは時代の流れとも言えますが、コンパクトなモデルが好きな人には残念なポイントでしょう。
左のPixel 4はやや本体が大きくなり、ディスプレイも大きくなった
写真ではわかりにくいのだが、Pixel 4は少し厚みを増している
陶器のような素晴らしい質感とデザイン
Pixel 4のデザインは「非常に美しい」のひと言です。多くのスマホがガラスボディを採用し、光沢感のあるギラギラのデザインを採用する中、iPhone 11 ProとPixel 4はツヤ消しのガラスを採用しています。
素焼きの陶器のような手触りがとても素敵で、カバーに入れずに使いたくなります。ツヤ消し仕上げのガラスは傷も付きにくいはずです。もちろん、落したら割れる可能性は高いのでカバーに入れるのが正解でしょう。
ボディサイドもツヤ消し仕上げのアルミで、ガラス部分と近い印象に仕上げられています。また、カメラ部分が四角いプレート状になっていますが、こちらはツヤ有りの仕上げで、この組み合わせはiPhone 11 Proと同じです。電源ボタンがオレンジ色のアクセントになっています(モデルによって色の組み合わせが異なります)。
Pixel 3は、背面の中央部分がつや消し仕上げだったので、よりつや消し部分が増えているわけです。
背面のデザインは大きく変わった
Pixel 4も背面はガラスだが、よりツヤ消しになっている
カメラ部分だけがツヤのある仕上げだ
ボディサイドはツヤ消しのアルミを採用。こちらも非常に良い質感だ
電源ボタンがオレンジのアクセントになっている
指紋センサーは採用せず顔認証のみ
Pixel 4は顔認証だけを採用し、指紋センサーを廃止しました。顔認証では、iPhoneのように認証後にスワイプする必要はなく、すぐさま利用できるのが素晴らしい限りです。また、サングラスをしていても認証できるのは、iPhone同様です。ただしPixel 4では、顔を1つしか登録できません。いまいち認識率が良くないと感じた人が、別の顔を登録する方法は利用できません。
充電は、いまや定番となったUSB-Cを採用します。また、おサイフケータイと防水にも対応しますが、テレビは視聴できません。プロセッサはSnapdragon 855とハイエンドで、メモリは6GB、ストレージは64GBと128GBを選べます。
Pixel 4には、手のジェスチャーで操作できる「Motion Sense」機能や動画に字幕をつける機能、新しいGoogleアシスタントが搭載されていますが、日本では2020年春の提供とされています。これはとても残念で、購入を考えている人は提供を待って、使い心地を確認してから手に入れるほうが良いかもしれません。
充電はUSB-C端子を採用
顔認証に対応
ディスプレイ上部に額縁が残るのがやや残念
ディスプレイが5.5から5.7インチへと少し大きくなったことは、前記の通りです。画面下の額縁も細くなっています。ただし、Galaxy S10などと比べると額縁の太さが目立ちます。特に画面上部はノッチではなく、縁(フチ)を残す形を採用しています。
Pixel 3 XLではノッチタイプを採用していましたが、Pixel 4 XLもフチが太くなっています。これは、Motion Sense等に利用するレーダー等が搭載されているからだと推察されます。それでも、最新のスマホのデザインとしては、やや野暮ったく思えます。
Pixel 3に比べると、有機ELのディスプレイはやや明るくなっており、サイズ以外も進化していることがわかります。
ディスプレイは少し大きくなり、画面下部の額縁は細くなったが、上の額縁は太めだ
斜めから見ても、有機ELなのでどちらも明るい
カメラはデュアルに、夜景撮影は圧巻のクオリティ
Pixel 3のカメラはシングルでしたが、Pixel 4はデュアルになりました。搭載するのは、1600万画素の標準カメラと1220万画素の2倍光学ズームです。他の多くのスマホが採用し、人気になっている超広角が撮れないのは残念な限りです。
通常撮影

Pixel 3と比較しても通常のカメラはほとんど変わらない
光学ズーム撮影
Pixel 4は2倍光学ズームを搭載
夜景撮影
とにかくすごいのが夜景の撮影です。手持ちの夜景モードで撮影すると、夜の公園の遊具の色合いがとても自然に再現されました。Pixel 3でも夜景は美しいのですが、より自然な色合いで撮影できました。ただし、何度もテストしていると、Pixel 3とほとんど変わらないケースもありました。その場合は、どちらも非常に美しく撮れるので満足できます。

夜景モードで撮影。Pixel 4の色合いはとても美しい
なお、夜景モードでは暗部を明るくする機能も搭載され、プレビューで処理の具合を確認しながら撮ることができます。
夜景モードでは、右のスライダーで暗部の明るさを調整できる
長時間露光
長時間露光が新たに搭載されたのもポイントです。夜景モードでPixel 4を三脚などにセットして固定すると「天体写真機能」と表示され、長時間露光がスタートします。今回はかなり暗い公園で撮影しましたが、驚くほどの明るさで撮影できます。
露出時間はシーンによって調整されるようで、今回は最長で4分を超えた
実際にはこんなに暗い公園で撮影
非常に明るく撮れた
こちらは手持ちの夜景モードでの撮影
まとめ
Pixel 4はコンパクトで高性能なスマホで、大画面が好みならPixel 4 XLも選べます。素晴らしい質感の仕上げとデザインに加え、カメラも進化しています。落ち着いた外観で、機能も落ち着いています。カメラをたくさん搭載したり、インカメラを本体に内蔵するなど、派手な機能ではなく、よりシンプルに使える機能に注力した新世代のスマホと言っても良いでしょう。
毎日使う製品としてとても愛着が持てますし、キャリアとSIMフリーモデルの両方が手に入るのもいいところです。ただ、目玉機能のいくつかが来年春の提供となっているのが残念なところです。提供を待って、機能を見極めてから購入するのも賢明です。
構成・文:戸田覚
編集:アプリオ編集部