かねてから話題になっていた折りたためるスマホ「Galaxy Fold」が、いよいよ日本でも発売されました。auからリリースされ、24万5520円というスマホとしては過去最高の価格となっています。その目新しさに魅力を感じている人も少なくないでしょう。
とはいえ、取り扱っているauショップは少なく、実機を見るのは意外に大変です。Galaxy Foldとは一体どんなスマホなのか、ぜひ本記事のレビューを参考にしてください。
ケースとGalaxy Budsを同梱する
早速、Galaxy Foldの箱を開けていきます。さすがに高級モデルらしく、付属のイヤホンはGalaxy Budsです。サムスン製の完全ワイヤレスイヤホンで、音質も上々です。もちろん、サイズ違いのイヤーピースなども付属しています。
他にも「スリムカバーケース」が付いてきます。こちらは軽くて薄いアラミド繊維製で、カーボンファイバーのような織り目が見えます。ケースは非常に高級感があって、装着しても完璧にフィットするのが嬉しくなるでしょう。
ケースは2つに分割されており、左右それぞれに装着することになります。もちろん、これは本体が折りたたみだからこそです。当然ですが、ヒンジの部分はむき出しになるので傷が付く可能性はあります。
また、純正のレザーケースなども別途用意されます。市販のケースも少しずつ登場してくるでしょう。
専用のケースとGalaxy Budsを付属する
ケースを付属したところ
最大の注意点はディスプレイの折り目
ディスプレイは7.3インチの有機ELで、解像度は2152×1536ドット。購入前に最も注意すべきは、ディスプレイに折り目があることです。
ガラスではなく樹脂製のパネルが採用されているために、折り曲げることができるわけです。ただしその性格上、真ん中に折れ目(ゆがみ)が生じています。製品として致し方ない点であり、承知の上で購入するしかありません。長年使い続けると、さらにこの折れ目が目立ってくる可能性はあるでしょう。
折りたたんだ状態では結構厚みがある
今回レビューしている機材も折り目が目立ち、指でスワイプする際にも凹凸を感じました。もちろん、気にするかどうかはユーザーの判断です。それでも、折れ目のないディスプレイを期待していた人も少なからずいるはずなので、残念な点です。
折りたたみの構造はとてもよく出来ていて、誤って開いてしまうようなことはないはずです。ただし、片手で軽快に開閉するのは難しいでしょう。ヒンジには固さがあるので、両手で持って操作することになります。
折りたたんだ状態では、厚さが17.1ミリ(最厚部)となります。また、重量は276グラムとコンパクトなタブレット並みです。ちなみに、開いた状態では6.9ミリと極薄です。手で握って持ち歩くのに困ることはありませんが、ポケットに入れるとかなりの負担を感じます。
右のGalaxy S10と比較すると、かなり長いことがわかる
画面の真ん中には折り目があって、人によっては気になるだろう
2画面が使える魅力と惜しい点
Galaxy Foldは、折りたたんだ状態では4.6インチのカバーディスプレイを利用できます。解像度は1680×720ドットの有機ELです。開くと、前述のように7.3インチのディスプレイが使えるわけです。
2つのディスプレイは連携していて、カバーディスプレイで利用していたアプリが、パネルを開くだけで自動的にメインのディスプレイで利用できます。動作もスムーズで大変優れた仕組みです。さらに、設定によってメインディスプレイで利用していたアプリを、閉じてもカバーディスプレイに表示することが可能です。
メインディスプレイは正方形に近い縦横比で、4:3の写真を表示すると無駄な部分が少なく、非常に迫力があります。ブラウザなどの情報量も多く、タブレットのように利用できます。
ただし、残念ながら解像度はあまり高くなく、輝度も高いとは言えません。Galaxy S10と比べても輝度では劣っています。また、YouTubeのような16対9の動画などは上下に黒帯が表示されてしまいます。映画やワイドな動画を見るなら、7インチクラスのスマホと画面サイズがほとんど変わらなくなってしまいます。
「Galaxy S10」レビュー、注目のディスプレイやカメラをiPhone XSシリーズとも比較
Galaxy Foldは2つのディスプレイを使い分けられるのが特徴だ
Galaxy S10と比べると画面の差は大きい
ブラウザでも情報量が多く見られる
写真は無駄が少なく迫力の表示が可能
ところが動画は、大画面のスマホとさほど変わらない表示サイズになってしまう
カバーディスプレイで通知を表示すると、実は表示エリアはこんなに小さい。文字が小さく実用性は低い
性能は文句なしだがいくつか課題も
CPUはSnapdragon 855と性能は文句なしで、快適に利用できます。メモリは12GB、内蔵ストレージは512GBとこちらも文句なしのスペック。バッテリーは4380mAhと大容量で、広い画面で利用し続けても結構もつ印象です。
広い画面と高い性能を活かしたマルチウィンドウも利用可能ですが、使い勝手をiPadと比べると相当に差を感じます。残念ながらOSの使い勝手がかなり違います。
また、Galaxyシリーズの上位モデルは多くがディスプレイ内蔵の指紋センサーを採用しているのですが、Galaxy Foldは本体横のタイプとなっています。ディスプレイを開いても使いやすい位置ですが、先進性がそがれているのは少しガッカリします。
とても残念な点は5Gに対応してないことです。2020年に5Gの商用利用がスタートすると、コアなユーザーはこぞって高速通信を利用し始めるでしょう。24万円もするGalaxy Foldの先進感は、あと半年強でずいぶん輝きがあせてしまうかもしれません。
性能は文句なしで、他の上位モデルと同様
マルチウィンドウに対応するがiPadの洗練された操作性には及ばない
カメラはGalaxy S10とほぼ同様の画質
Galaxy S10と撮影した画像を比較してみたところ、ほぼ同様の画質でした。インカメラが2箇所に用意されるのが特徴の一つですが、これは構造上の工夫です。
広い画面で撮影できるのはとても便利ですが、逆にカバーディスプレイの小さな画面では撮影しづらいのが欠点です。以下いくつかのシーンで撮影してみましたが、画質はGalaxy S10とほぼ同様で、どちらも非常に美しく撮れます。
通常撮影

超広角撮影

2倍ズーム撮影

近接撮影

まとめ
Galaxy Foldは、約24万円という価格を見ても、誰もが手に入れたくなる製品ではありません。先進的なデバイスが欲しい人、スマホやタブレットが好きなマニアックなユーザーに向いています。
そういう意味では、いくつかある欠点も目をつむることができるでしょう。決して実用性が低いわけではありませんが、24万円の価格に見合うような使い勝手が実現できているわけではありません。
1枚のディスプレイを折りたためる製品はGalaxy Foldが初めてです。それを自分の手の中で使いこなすことに喜びを感じるなら、決して高い価格ではないでしょう。
本記事の内容に関連して、Galaxy Foldのレビューを下記動画でもまとめています。ぜひご覧ください。
構成・文:戸田覚
編集:アプリオ編集部