三池崇史監督と韓国ドラマの融合が生み出した最恐スリラー『コネクト』はディズニープラスで配信中

韓国ドラマと三池監督との相性は抜群

日本映画界きっての個性派監督である三池崇史氏。苛烈なバイオレンス描写を得意とし、世界的にも高い評価を得ています。同監督による初の韓国ドラマ作品『コネクト』がディズニープラスで配信されています。

韓国ドラマ・映画といえば、過激なアクションや暴力描写を躊躇しない作風が特徴ですから、三池監督との相性は抜群です。相思相愛とも言える組み合わせが、ディズニープラスで実現するというのは奇妙な縁かもしれません。

コネクトの謎と事件の謎

主人公の青年・ドンスはある日、臓器密売グループの連中に目を付けられ、拉致されてしまいます。ドンスは解剖されて臓器を売られそうになりますが、ドンスの身体は斬られた箇所が自動的に修復していきます。

ドンスは「コネクト」と呼ばれる不死の身体を持つ存在でした。幼い頃に高いところから落ちた時にも自動的に身体が治り、周囲から化け物扱いされてきたドンスは、友人のいない孤独な生活を続けてきました。

臓器密売グループから逃れたドンスは、逃げる途中で片目だけ失くしてしまいます。すると、しばらくしてドンスに異変が起きるようになります。時折失くした目が痛み出し、誰かの目線がビジョンとなって頭に浮かんできます。そして、そのヴィジョンは「死体アート事件」と騒がれている異様な殺人事件の犯人のものとわかり、ドンスは犯人を止めるために行動を起こすのです。

本作は2つの大きな謎を軸に進展します。1つは「コネクト」とはどういう存在なのかです。ドンスはどんなに身体を傷つけられても、すぐに回復する不死の存在ですが、見た目は人間そのもの。果たしてコネクトは何なのか、他にも同じ身体を持った人はいるのかなど、主人公自身の存在が大きな謎になっています。

もう1つは、殺人鬼は誰で目的は何かです。ドンスの目を持っている理由も謎ですし、このような猟奇的な犯行に及ぶ動機も気になるところです。

ドンスと協力者、殺人鬼だけでなく、事件を追う刑事と臓器密売グループがそれぞれの思惑で入り乱れます。この複雑な人間関係を整理してみせる脚本の巧みさと三池監督の演出の上手さ、さらに、スリルと過激な描写で視聴者の目は釘付けにされるでしょう。

国際的な製作チームだからこその作品

本作は、グロい描写もふんだんにあるため、苦手な人もいるかもしれません。冒頭から、ドンスが解剖されてしまうという衝撃的な映像から始まりますし、死体アートも美しさとおぞましさが同居している造形で、ちょっと日本のドラマではなかなかお目にかかれないものでしょう。

しかし、ただ無闇にグロいわけでもなく、静謐なシーンはきちんと美しく、人物の感情を際立たせる演出も見事で、各人物も魅力的に描かれています。

俳優陣のパフォーマンスも素晴らしく、ドンスを演じるチョン・へインはNetflixの『D.P. -脱走兵追跡官-』での名演も記憶に新しく、今作では孤独だけど正義感の強い青年を熱を込めて演じています。

日本の才能が韓国で自由を得て、ハイレベルな役者に恵まれ、ディズニーのプラットフォームで世界に作品を届けるという、国際的な座組から生まれた本作からは強いエネルギーを感じずにはいられません。

『コネクト』を見る(ディズニープラスで配信中)

コネクトのストーリー

ハ・ドンスはどんな大怪我でもすぐに治してしまう不死身の新人類”コネクト”。

ある日、彼は謎の臓器売買組織に誘拐され、片眼を奪われてしまう。その後、失ったはずの眼から時々不思議な光景が見えるようになるが、なんとドンスはソウルを恐怖に陥れた猟奇殺人鬼と視界が共有されていたのだった−。

奪われた眼を、そして人生を取り戻すために、ドンスはあらゆる手を使って殺人鬼を追い続けるが…。

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