日本と世界がサーフィンでつながる サーフ文化の奥深さを捉えた『ニッポン・サーフ・カルチャー』

サーフィン文化の素晴らしさを美しい映像で綴る

2020年東京オリンピックに正式種目として初めてサーフィンが採用されました。世界中のビーチで親しまれているサーフィンは、開催地の日本でも盛んです。

そんな日本のサーフィン・カルチャーを追いかけるドキュメンタリー・シリーズ『ニッポン・サーフ・カルチャー』がディズニープラスで配信されています。

この作品では、オリンピックを目指す日本人トップサーファーたちや、日本と海外の両方にルーツを持つサーファーたちのエピソードに加え、競技としてのサーフィンを追求せず自由に旅をしながらサーフィンを楽しむ人物も取り上げています。

島国である日本に、西洋発の文化であるサーフィンがいかに根付いていったのかなど興味深い話題が盛りだくさん。サーフィンの奥深さをわかりやすく伝える作りとなっています。

オリンピックを目指す者、別の道を歩む者

本作は全8話で構成され、東京オリンピック出場を目指す選手たちのエピソードから始まります。

前田マヒナはハワイ州出身の日本国籍を持つプロサーファー。彼女の両親はハワイで出会った日本人夫婦で、両親のルーツである日本代表としてオリンピック出場を目指します。しかし、ハワイ育ちである彼女は日本では異質な存在。自分の居場所に悩みながらもサーフィンへの情熱を燃やし、ストイックに練習に励むのです。

五十嵐カノアも、カリフォルニア州出身で両親が日本人。サーファーだった父親の影響でサーフィンを始めた五十嵐もまた日本代表としてオリンピックに出場することを夢見ます。

彼らはハワイやカリフォルニアといったサーファーのメッカと言える場所で小さい頃からサーフィンに打ち込んできました。一方で、日本出身の松田詩野や大原洋人のような日本国内のビーチで育った選手たちにもスポットを当て、熾烈な競争が描かれます。

一方で、サーフィンは競い合うだけがすべてではありません。高貫佑麻氏は寝泊まりできる自家用車で悠々自適に日本中を旅しながら各地で波に乗り、サーフィンに関わる人々と出会い、親睦を深めていきます。

本作はトップサーファーたちのストイックな姿勢に焦点を当てつつ、高貫氏のように自由なサーフィンスタイルにも注目しています。トップサーファーたちの葛藤を描く中に、高貫氏の旅路が挿入されていく構成になっているのですが、気ままに運転しながら各地の文化に触れる高貫氏とのギャップが印象的で、サーフィン文化の幅広さがよくわかります。

高貫氏は旅路で、サーフィンと日本との関わりを考えさせられる瞬間に出会います。トップアスリートだけでなく、彼のような自由に生きる存在にもスポットを当てることで、自由を大切にするサーフィン文化の奥深さを視聴者に提示しているのです。

サーファーたちと家族の絆

本作はサーフィンと日本との関係に加えて、家族の物語でもあります。

多くのサーファーは親の影響でサーフィンを始めています。本作に登場する人々もほとんどが親の影響でサーフィンを始めており、家族との絆をそこに感じている人が多いのです。また、日本と海外にルーツを持つ選手を多く取り上げ、日本文化と海外文化とのすれ違いの中で葛藤する様子も伝えています。

勝ち負けだけじゃないサーフィンの奥深さと、日本と世界を繋げる存在としての選手たち。本作は、そうした要素が交錯し、サーフィン文化の素晴らしさを美しい映像で綴っています。

『ニッポン・サーフ・カルチャー』を見る(ディズニープラスで配信中)

『ニッポン・サーフ・カルチャー』のストーリー

東京オリンピックでサーフィンが公式種目になったことを受け、「ニッポン・サーフ・カルチャー」は世界的なサーフィン文化における日本の影響を示す人や場所にスポットライトをあてる。

これは登場人物を主体に描くドキュメンタリーシリーズであり、多文化的背景を持つアスリートが夢を追い求める姿を追いながら魅力的な日本の生活を描く。

そして国際的なサーフィン業界で成功するために必要なことを紹介する。

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