シャープから登場した2019〜2020年の人気冬モデル2機種を紹介します。「AQUOS sense3」は手ごろな価格が受けていて、Androidスマートフォンの中で最も売れている1台です。時期によっては、iPhoneをしのいでランキング1位になることもあります。
もう1台は、超軽量のハイエンドモデル「AQUOS zero2」です。高性能・大画面なスマホながら、141グラムという軽さに収まっているのです。長時間持ち続けてプレイしても快適ですし、ポケットの中でも主張しすぎることがありません。
【AQUOS sense3】バッテリー持ちのよさが光る人気モデル
とてもよく売れているスマートフォン「AQUOS sense3」は、価格を抑えたスタンダードモデルです。発売はNTTドコモ、au、UQモバイルからとなっています。NTTドコモの場合は、一括で3万1680円と頃合いです。
ディスプレイは5.5インチと標準的なサイズで、手の小さな人でも持ちやすい大きさに収まっています。本体はアルミ製で、価格は安くてもチープ感はありません。8.9ミリとやや分厚いのですが、本体が大きくないのであまり気にならないでしょう。従来のAQUOS senseシリーズ同様に、本体の脇はやや出っ張ったデザインを採用しています。これによって、机の上から持ち上げやすいように考えられているわけです。
最大の特徴は、電池の持ちの良さです。バッテリーは4000mAhと大容量で、さらに消費電力の少ないシャープ製のIGZOディスプレイを採用しています。短時間の試用でも、電池の持ちの良さはしっかりと実感できました。
AQUOS sense3はスタンダードなスマホだ
ボディはアルミ製で、安っぽさはない
本体の横は突起のあるデザイン。机の上から持ち上げやすくなっている
【AQUOS sense3】コネクターはUSB-Cを採用で今後も安心
従来の格安スマホは、microUSB端子を採用しているケースが多かったのですが、AQUOS sense3は、最近スタンダードになってきたUSB-C端子を採用しています。今後も多くのデバイスと同じケーブルが使えるのが便利です。
メモリは4GB、ストレージは64GBと標準的なスペックで、SoCにはSnapdragon 630を採用しています。普段使いには十分な性能ですが、ヘビーなゲームには向きません。また、3〜4年と長く使うにはやや不足を感じます。この点は価格で妥協するべき部分です。
スタンダードモデルらしいのが、ホームボタン(指紋センサー内蔵)を搭載していることです。最近は採用が減っていますが、あえてオーソドックスな構成にすることで、コンサバな使い方にも対応します。
ディスプレイはシャープ製の液晶「IGZO」。上位モデルは多くが有機ELを採用しているので、やや見劣りします。ところが非常に明るく美しいので、価格を考えれば文句なしでしょう。
microSDカードの増設にも対応する
充電はUSB-C端子だ
ホームボタンを兼用する指紋センサーを搭載
ディスプレイの明るさは十分で、右のGalaxy S10より明るく感じる
斜めから見ると有機ELのGalaxy S10のほうが明るいが、普段使うには十分だ
性能は価格なりなので、ヘビーなゲームなどには向かない
【AQUOS sense3】カメラは超広角撮影が可能
カメラは1200万画素のデュアルで、標準と超広角での撮影が可能です。以前は2倍ズームと標準カメラを採用する機種が多かったのですが、最近は超広角の採用がトレンドになっています。スナップ写真を撮影しても多くの人が入ります。また、風景を撮影する際にも広いエリアが撮れます。
今回は、Galaxy S10と写真を比較してみました。価格を考えると、AQUOS sense3も非常によく撮れると感じました。Galaxy S10はさらに光学2倍ズームも採用されていますが、そのあたりは比べていません。

標準カメラでの撮影は、Galaxy S10のほうが明るく美しいが、AQUOS sense3も満足できるだろう

超広角で撮影。AQUOS sense3はゆがみが気になる

適した花がなかったのが残念だが、実物の色に近いのはGalaxy S10だ。AQUOS sense3は実物以上に美しく補正してくれた
撮影した写真に加え、よりベストに近い写真を用意して「おすすめ画像」として提案してくれる
【AQUOS zero2】他にはない軽さ、ゲームにも強いモデル
第2世代目となった軽量ハイエンドモデルです。新モデルは、よりゲームに関する機能に磨きをかけています。しかし、外観はシンプルな普通のスマホ。つまり、派手で重量級のゲーミングスマホを買うまでではない、と考えている人におすすめです。
背面は前モデルAQUOS zeroのアラミドから、樹脂製へと変わりました。プラスチックの背面ですが、仕上げが美しいのでチープ感はありません。ただし、スピーカーの音を大きくするとかなり振動を感じるのが気になります。
ディスプレイは有機ELで、2430×1080ドットと前モデルよりも解像度が落ちています。前モデルは、2992×1440ドットでした。しかし、より明るくなり、見た目には進化したように感じるでしょう。
iPhone 11 Pro Maxと比べると、やや明るさで負けていますが十分なクオリティです。なお、指紋センサーは画面に内蔵されます。ドコモ、au、ソフトバンクから発売予定です。
AQUOS zero2は画面の左右がラウンドしたデザインが特徴の一つ
軽量化のために背面は樹脂を採用している
明るさは向上し、左のiPhone 11 Pro Maxに迫る
【AQUOS zero2】性能は高いが駆動時間が気になる
SoCは、Snapdragon 855と現時点の最高スペックです。メモリは8GB、ストレージも256GBとハイエンドモデルとして文句なしの構成です。
ただし、気になったのがバッテリー駆動時間です。バッテリーの容量が3130mAhと、最近の大画面モデルとしてはやや少ないのです。さらに輝度を上げてゲームを続けると、かなりバッテリーが減っていきます。充電用の端子はUSB-Cで、27WのPowerDeliveryに対応しているので、急速充電は可能です。
ゲーム専用の設定が用意されており、ディスプレイを4倍速に切り替えて残像を抑える機能を搭載します。ディスプレイの書き換えの際に黒を挟み込むことでくっきりとした画像に見える仕組みです。他にも画質を調整したり、通知を止めたりすることができます。
ベンチマークのスコアの文句なし
ゲーム用の設定を各種搭載する
充電用の端子はUSB-Cだ
【AQUOS zero2】カメラはデュアル、画質は文句なし
カメラは標準が1220万画素、超広角が2010万画素となっています。デュアルカメラなので、望遠は採用しません。前モデルはシングルカメラだったため、2つになったのは朗報です。
実際に撮影して見ると、くっきりと美しく文句なしの画質です。AIを搭載するので、花などを認識して美しく撮れます。ただし、超広角は周囲のゆがみが大きく、かなり気になりました。
冬でやや暗いが、くっきり美しく撮れた
超広角はゆがみが気になる
花を撮影したがAIで認識して自動調整し、美しく撮れる
まとめ
2台は性格が異なります。AQUOS sense3は、エントリースマホやガラケーからの買い換えにおすすめのモデルです。おサイフケータイを採用し、2〜3年満足して使える性能です。キャリアショップで買えるスマホの中では、安価なのも魅力の一つ。使い方などの相談をしたい人にはおすすめです。
AQUOS zero2は、他にはない“軽さ”が特徴のハイエンドスマホです。手にしてみると、その軽快さに思わず欲しくなるでしょう。しかも、性能には妥協がありません。カメラにはさほどこだわらない人に推奨します。
構成・文:戸田覚
編集:アプリオ編集部