スマートウォッチの中でも人気の高いApple Watchは、徐々に利用者が増えています。街中でも見かける機会が増えてきました。2017年9月には新モデル「Apple Watch Series 3」も登場し、気になっている方も少なくないでしょう。
今回は、まだApple Watchを持っていない方のために、運動やダイエットに利用すると、どんなことが便利で嬉しいのかを紹介していきます。
Apple Watchの基本的な魅力をおさらい
Apple Watch Series 3のパッケージ
当初のApple Watchは、デパートに販売店を設けたり18金モデルを用意するなど、"高級時計"の位置付けで登場しましたが、メーカーの思惑とは少しずれて、スポーツ用の時計としての評価が高くなっています。モデルも代を重ねるほどスポーツ系の機能を拡充しています。
まず最初に、Apple Watchの基本的な魅力をおさらいしておきましょう。外観は普通の時計。iPhoneと同様にバッテリーで駆動します。1日半程度は持ちますが、寝ている間は充電しておくのが普通の使い方です。充電はワイヤレスなので、専用の充電器を背面に合わせるだけ。磁石の力で軽く吸着するようになっています。
サイズは普通の時計と同様
バッテリーで駆動するので充電して利用する。ワイヤレスなのでケーブルの先端を背面にくっつけるだけで充電できる
また、必ずiPhoneとペアリングして利用するのが基本です。iPhoneを持っていないと、Apple Watchを買っても使えないのです。
バンドをユーザーが手軽に交換できるのも魅力の1つ。アップル製だけでなく、市販のバンドも利用できるので使い方や季節にあわせて変更しても良いでしょう。服に合わせて色を変えるようなお洒落もできます。
さまざまな素材やカラーのバンドを組み合わせて使える
バンドを付け替えるとイメージもずいぶん変わる
携帯電話通信機能を内蔵してLTEに対応するSeries 3のセルラーモデルがおすすめ
2017年11月現在、Apple WatchはApple Watch Series 1とApple Watch Series 3が販売されています。また、ナイキやエルメスとコラボレーションしたモデルもラインアップしています。
これから買うなら、おすすめは後述するSeries 3のGPS+Cellularモデルです。サイズは38ミリと42ミリの2種類があります。また、ケースの素材によって価格が違いますが、このあたりは好みで選べばよいでしょう。
左がLTE対応のApple Watch Series 3のセルラーモデル
GPS+Cellularモデル(以下、セルラーモデル)は、従来型のGPSモデルに加えた形でSeries 3から登場しました。LTE対応の最新モデルなので、Apple Watch単体でiPhoneと同じ電話番号での音声通話やLTEデータ通信によるインターネット接続が可能です。
セルラーモデルで通信に利用できるのはNTTドコモとau(KDDI)およびソフトバンクの回線。iPhoneの回線契約をベースに、オプションとして同一電話番号を使用できる通信プランを追加する形になります。追加の利用料金は通信キャリアによって異なりますが、税込378〜540円とお得です。
今回はLTEに関する詳しい説明は省きますが、セルラーモデルをスポーツ利用する際のメリットを考えていきましょう。セルラーモデルは単体で通話したり、通知を受け取ったり、メールを読んだりすることができます。今後、Apple Musicのストリーミング再生にも対応予定です。この点、一般的にはiPhoneを持っているのですから、そんな機能は不要だと思われるかもしれません。たしかにiPhoneさえ持っていればGPSモデルでも通話はできるのです。前モデルまでは、筆者もそのような使い方をしていました。
しかし、ジョギングやマラソンをしているときには、iPhoneを持っているのが苦痛なのです。また水泳の際、iPhoneを持ちながら泳ぐのは非現実的です。ほかにもスポーツの種類によって、iPhoneが邪魔なケースも少なくありません。そんなときに、セルラーモデルの真価が発揮されるのです。
デジタルクラウンが赤いのがセルラーモデルの特徴
ダイエットに最適、日常生活のアクティビティモニターとして大活躍
Apple Watchは腕時計なので朝起きてから寝るまで手に付けていることができます。アクティビティモニターとして大活躍してくれます。
この画面はApple Watchのホーム画面に相当する「ウォッチフェイス」。3つのリングが体を動かすと伸びていき、一周すると目標クリアだ。普通に仕事をしていても、どのくらいカロリーを消費しているかが一目でわかる
「アクティビティ」というアプリを利用して、以下の3つの項目を計測します。それぞれの項目は円形のリングで表示されるので、なるべく3つのリングが一周するように心がければいいわけです。
- ムーブ:移動のデータを計測します。立ち上がったり体を動かすなどのアクティブカロリーを設定し、クリアすることを目指します。
- エクササイズ:早歩き以上の運動が記録されます。基本的には1日あたり30分の運動がゴールです。
- スタンド:立ち上がって1分以上の体を動かした情報を記録します。1日12時間、1時間あたり1分間以上立ち上がって体を動かす必要があります。
アクティビティアプリ
座りっぱなしの事務職の方は、あまりにも運動不足なことが実感できて驚くはずです。なお、目標は、身長や体重などの情報を入力すると自動で設定されます。また、1日の目標を変更することも可能です。
iPhone側では、その日のアクティビティをチェックするのが主になります。また、リングが一周すると通知で知らせてくれます。過去の情報を見るなら、iPhoneのアプリを使うのが便利です。
iPhoneではより詳しいデータがひと目でわかる。この日は昼過ぎに運動をしたのでムーブとエクササイズは問題なしだが、スタンドが達成できていない
ワークアウトで運動を記録、専用のスポーツモニターに匹敵する機能
Apple Watchでは、日々の行動とは別に運動を計測して記録しておけます。「ワークアウト」というアプリに、ウォーキング、サイクリング、ランニング、インドアバイク、スイミングなど多くの運動メニューが用意されているので、選択して利用します。
運動前にメニューを開いてスタートすればOKです。
ワークアウトアプリで運動の種類を選ぶ
ここでは、サイクリングを例に紹介します。ワークアウトをスタートすると、スポーツに合った画面に変わります。サイクリングでは、経過時間、移動距離、速度などが表示されます。専用のスポーツモニターに匹敵する機能なのには驚かされます。苦しいときには心拍もチェックできます。
左:カウントダウンに合わせてスタート!気持ちが盛り上がる中:心拍や速度、時間などが計測されている。チラリと見るだけで情報がチェック可能右:運動が終了したら、「終了」をタップする
あとは、運動が終わったら「終了」をタップするだけです。これだけで、スポーツに関するさまざまなデータを記録できます。中断ボタンもあるので休憩を取るときに利用するとよいでしょう。
iPhoneには、ワークアウトの記録が蓄積され、比較できる
iPhoneでは消費カロリーや距離、時間、平均速度や心拍などが確認できる。また、心拍も動きが把握でき、後半辛くなっていることもわかる
左:サイクリングでは移動したルートが地図にデータとして残る右:サイクリングロードなどの細い道もしっかり記録でき、走行スピードも色の違いで把握できる
運動中にも各種情報を見逃さない
Apple Watchを装着していると、運動中や移動中にも色々な情報を確認できます。こんなポイントも、単なるアクティビティモニターとの違いです。
メール確認やLINEなどのSNSのチェックができるので、仕事の空き時間に運動している方にはとても重宝します。
音楽を再生したりコントロールする機能は、ランニングやウォーキング、室内バイクなどにおすすめです(安全に留意して利用してください)。走りながら音楽を聴くのであれば、AirPodsのようなBluetoothイヤホンを併用すると取り回しが楽になります。
左:Apple Watchでメールをチェック中:音楽のコントールも可能。セルラーモデルではApple Musicの聴き放題にも対応予定右:雨雲レーダーを使えば濡れる心配もありません
個人的にとても重宝しているのが、天候の悪化がわかることです。天気予報アプリ「Amemil」を利用すると、雨が降りそうになると通知をしてくれます。この機能は仕事中でも役立ちます。また、雨雲レーダーもApple Watchで確認できます。画面は狭いのですが、雨雲が迫っているかどうかを見られるのです。サイクリングをしていて、怪しい雲が出てきたらすかさず確認して、雨が降りそうなら急いで帰ることができます。
また、運動をしていないときでも心拍を常に計測しています。iPhoneでたまにチェックしておくと、病気を防ぐための指針になるでしょう。
心拍を常時計測できます。安静時の心拍数が増えてきたら検査に行くこともできます
今日から始める、iPhone「ヘルスケア」の設定と使い方【歩数・睡眠・体重・運動の管理など】
まとめ:運動・ダイエットの三日坊主にこそApple Watch
筆者は、Apple Watchを使い始めてから、運動のモチベーションが上がるようになりました。いつどのくらい運動をしたのかが一目でわかるので、サボりづらいのです。また、頑張って運動していると、同じコースを走ってもタイムが上がるなど、成果も確認できて楽しくなってきます。Apple Watchは、運動があまり好きではない方にこそおすすめします。
毎日の消費カロリーもわかるので、ダイエットにも最適。運動不足の日は、会社の帰りに1駅歩く——といった工夫ができます。
構成・文:戸田覚
編集:アプリオ編集部