Apple Watch(アップルウォッチ)の新モデルが今年も登場しました。4世代目に当たる「Apple Watch Series 4」です。前モデルに比べるとディスプレイのサイズが大きくなり、より多くの情報が表示できるように進化しています。
これまでスマートウォッチを使っていなかった人にも、断然おすすめできる製品に仕上がっています。今回はその進化点を中心にレビューしていきます。また、発売したての「Apple Watch Series 4 Nike+」を中心にアルミニウムケースのスペースグレイモデルも併せて紹介します。
時計としても素敵な製品へ進化
これまでスマートウォッチは、どちらかというとデジタルガジェットという印象が強かったのですが、Apple Watchは利用している人がとても多くなり、時計としてもメジャーな製品に進化しています。
高級な時計は装飾品的な側面も備えているので、当然パッケージなども素敵です。Apple Watch Series 4も美しい箱に入っています。とはいえ、プラスチックなど環境に負担のあるケースを使わないところもアップルらしさ。紙の箱でオリジナリティを主張するために、とても芸術性の高いデザインを採用しています。
本体とバンドの箱をまとめている外装の内側には、素敵なイラストがプリントされています。通常モデルは白いケース、Nkie+モデルは黒いケースに収納されます。また、時計本体部分が布製のカバーに包まれてくるのも粋です。箱に同梱されているのは、専用の充電端子の付いたケーブルと充電器です。こちらは前のモデルと変わりません。以前に使っていた充電器も利用可能です。
通常モデルは白い紙箱、Nkie+モデルは黒い箱に入っている
箱を開けると、外装の裏側に素敵なプリントがされている
時計部分は専用のカバーに包まれてくる
付属品は専用端子付きのケーブルと充電器だ
2サイズ・2素材にNike+・エルメスモデルを用意
Apple Watch Series 4の本体サイズは、44ミリと40ミリを用意します。前モデル(Series 3)は42ミリと38ミリでしたから、やや大きくなったわけです。
さらに表示エリアは、新しい40ミリモデルでも前モデルの42ミリを上回っています。つまり、額縁が狭くなったのです。また、前モデルは表示エリアが長方形でしたが、Series 4では角(カド)が丸みを帯びており、より洗練されたデザインに進化しています。
左:Nike+モデル右:通常のモデル
ディスプレイの表示エリアの角(カド)が丸くなっている
それぞれのサイズには、GPSモデルとCellularモデルが用意されます。後者は単体で通信や通話ができるのが特徴です。また本体の素材は、アルミニウムとステンレスが用意されます。以前のように18金やセラミックのケースはなくなりました。さらに、Nkie+モデルとエルメスモデルも用意されますが、こちらはウォッチフェイスとバンドが異なるだけです。
簡単にいってしまうと、機能が異なるのはGPSモデルとCellularモデルのみです。あとは、本体のサイズ、材質や色、バンドの違いです。ただし、一部のモデルはCellularのみしか選べないなど、自由に組み合わせられるわけではない点に注意が必要です。
最低価格は4万5800円(税別、以下すべて)からで、ケースのサイズで価格が変わるわけではありません。今回取り上げている、スペースグレイアルミニウムケース、Nkie+モデルは、ともにCellularモデルなので5万6800円です。
Nike+モデル専用のウォッチフェイス
通常のウォッチフェイスも利用できる
Series 3より薄くスタイリッシュに
Series 3に比べると、本体がより薄くなっています。11.4ミリから10.7ミリと、その差は1ミリもありません。しかし、実際に手にしてみるとかなり薄く感じます。
また、光学式の心拍センサーが新しい世代に変わり、電気式の心拍センサーも搭載されました。機能的には、心電図を計測できるのですが、まだアプリが提供されていません。少し先になるという予測もありますが、心電図が計測できるようになる予定です。さらに転倒検出機能が搭載され、転んだことを認識して、利用者の反応がないと自動で救急に通知してくれます。
「Apple Watch Series 3」レビュー:セルラーモデルは運動・ダイエットの三日坊主にこそオススメ
左はApple Watch Series 2で、一回り小さいことがわかる
比較すると、Apple Watch Series 2のほうがコロリとしているように感じる
心拍センサーの作りもまったく変わっている(左:Series 2、右:Series 4)
いわゆる竜頭の「Digital Crown」も外観は変わりませんが、より使いやすく進化しています。前モデルまでは感覚がなく、くるくる回るだけでしたが、Apple Watch Series 4では機能に応じてカチカチとした反応が返ってきます。
ちょうど、iPhoneのホームボタンが実際には押し下げていないのに感触を返すように進化したとの同じイメージです。何も機能を割り当てていないときに回転してもくるくる回るだけですが、メニューの拡大などではクリクリとした感触があります。他にも、スピーカーが大きくなるなど各部が進化しています。
またSeries 2を使ってきた筆者は、その性能アップに驚かされました。Series 3のS3からS4へと進化し、64ビットのデュアルコアになっています。多くのアプリをインストールして切り替えながら使っても、動作が遅く感じることはほとんどありません。
Digital Crownが進化。見た目ではわかりづらいが、感触が追加された
スピーカーも大きくなっている
新機能の転倒検出は、運動している最中の事故でも安心だ
新しいウォッチフェイスも魅力的だ
新モデルには、新しいウォッチフェイスが数多く追加されています。中でも、広い画面を生かして様々な情報を表示する「Infograph」と「Infograph Modular」はとても機能的。時刻やアクティビティの情報に加え、天気や気温が表示できます。
個人的に重宝しているのが、タイマーを一発で呼び出せる機能。画面をタップするだけで、1分、3分、5分、10分のタイマーをセットできます。お茶を入れたりカップラーメンを作ったりする間の待ち時間がすぐに計れます。また気温だけでなく、最高気温と最低気温が表示され、今現在はどの程度なのかもひと目でわかります。
また、従来モデルとバンドは同じ規格なので、すでに持っているバンドを使い回すことができます。市販のバンドも数多く発売されていますから、好みのものを購入して気分に合わせて付け替えるとよいでしょう。
左:Nike+専用のウォッチフェイス中:新しいウォッチフェイスの「Infograph」。左下をタップするとタイマーが使える右:タイマーは4種類表示されるので即セット可能。Digital Crownを回すとさらに多くの時間が表示される
iPhoneから各種設定を行うと簡単だ
バンドは従来と同じ規格なので使い回せる
運動やダイエットに最適なワークアウト
スポーツ系の機能は従来同様にとても優れています。今回は、自転車で走ることを例に説明しましょう。サイクリングでも、ロードバイクのトレーニングでも同じように使えます。
スタートする際には、「ワークアウト」アプリから「サイクリング」を選びます。多くのワークアウトは自動での計測に対応しているので、セットを忘れても自動的に計測ができているはずです。
実際に走っている最中には、走行時間や高度、平均速度などが表示されます。いわゆるサイクルコンピューターを取りつけなくても、多くの情報を取ることができます。
左:ワークアウトには様々な種類がある中:サイクリングを選ぶと、自転車の走行データが取れる右:走行中のデータ
走り終えたら、ワークアウトを終了します。iPhoneの「アクティビティ」アプリに走行時の様々なデータが表示されます。距離や時間はもちろん、消費したカロリーや心拍数などもわかります。また、地図上に走行ルートが表示され、だいたいの速度もわかります。
ただ走るのと比べ、様々なデータを見ながら目標の達成状況がわかるので、とても励みになるはずです。これらの機能は、Series 4だけの新機能というわけではありませんが、運動やダイエットを頑張るために購入するのもおすすめです。
なお、大画面になったSeries 4は運動中にもとても見やすいのがよいところです。
走行後には、iPhoneで詳しいデータをチェックできる
走行ルートを地図上に表示することも可能だ
まとめ:「時計」を買うときの有力候補に
Apple Watch Series 4は、非常に魅力的な製品へと進化しました。これから時計を買う人は、候補として加えるとよいでしょう。特にスポーツシーンで大活躍します。また、再生中の音楽を手元でコントロールできるので、混雑している電車の中でiPhoneを取り出す必要がありません。
仕事中にも様々な通知をそっと知らせてくれるなど、便利な点は数え切れないほどあります。海外に出かけると自動的に現地の時間に変わりますし、世界時計として日本の時刻と現地の時間を並べることもできます。
ただし、購入する際には注意点もあります。これは初代モデルから変わっていませんが、Apple Watchを使うためには、必ずiPhoneが必要です。Android端末では対応する設定アプリがありません。
また、Cellularモデルで通話などをしたいなら、大手キャリアの回線が必要になります(ワンナンバーサービス)。MVNOのSIMを使っているユーザーは電話番号を割り振れないので、気をつけてください。
構成・文:戸田覚
編集:アプリオ編集部