iPhoneで動画を編集するなら高機能で使いやすい「Enlight Videoleap」アプリは試してみる価値あり、ただし有料版はかなり高い

iPhoneで動画を編集するなら高機能で使いやすい「Enlight Videoleap」アプリは試してみる価値あり、ただし有料版はかなり高い

「Enlight Videoleap」(iOS)は、写真加工アプリ「Enlight」シリーズでお馴染みのLightricks Ltd.がリリースした動画編集アプリです。

「Enlight」と同様、多機能なのがウリで、レイヤーを利用した本格的なタイムライン編集が可能。クリップを組み合わせて手軽にビデオ編集がしたいというライトユースから、クロマキー合成やキーフレームアニメーションを駆使してスタイリッシュな映像を制作したいという使い方まで、幅広いニーズに対応しています。

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レイヤーを使って本格的に動画を編集できる

Enlight Videoleapを起動したら、撮りためたクリップを読み込んで1本の作品に仕上げます。その場で撮影をすることはできないので、あらかじめ用意しておく必要があります。

Enlight Videoleap

[+]をタップしてメディアを読み込む。編集中の作品はすべて自動保存される

クリップの並べ替えやトリミングは直感的に行なえます。クリップを長押しすれば並べ替えることができ、クリップをタップしたあと両端に表示されるバーで開始点と終了点を調節することでトリミングできます。

Enlight Videoleap

クリップの並べ替えやトリミングは簡単

音楽やテロップ、エフェクトなども、基本的にタップするだけで挿入できます。写真を編集するようにフィルターをかけたり、コントラストを調節したり、また映像に合う効果音(100個以上の効果音が無料で使えます)を合わせたりといった操作なら一瞬です。

Enlight Videoleap

フィルターのほか、ぼかしや一部だけカラーにする「Colorfy」などのエフェクトを搭載。複数のクリップを合成するための「ミキサー」機能や「ブレンド」機能などもある

Enlight Videoleapでは、クリップをまたいで適用する効果をレイヤーで管理します。タイムラインには1本のトラックしかないように見えますが、吹き出しをタップすると、追加した音声やテロップ、エフェクトなどを編集できる仕組みです。レイヤーを利用することで、BGMにナレーションや効果音をかぶせたり、複数の映像をブレンドさせたりといった編集操作を実現しています。

Enlight Videoleap

タイムラインはピンチ操作によって拡縮できる。レイヤーごとにフレーム単位の細かい編集ができる

ちなみに、「Enlight」シリーズらしい気配りを感じさせるのが、各クリップやレイヤーの始点・終点や、表示しているフレームの位置をiPhoneの振動で教えてくれる点。フレーム単位の細かい編集作業を体感フィードバックで助けてくれます。これは実際にアプリを使ってみて体験してもらいたいところです。

チュートリアル動画で編集操作を学べる

ビデオ編集というと、ハードルが高いと感じるユーザーもいるでしょう。トリミングやトランジションといった用語は何となく知っていても、どんなことをすればクリエイティブな映像を作れるのか分からないという人も多いと思います。

この点、Enlight Videoleapは、しっかりしたチュートリアル動画を搭載しているのがありがたいところ。画面右上にある[?]をタップすると、さまざまな機能についてチュートリアルが表示されます。「ミキサー」や「クロマ」「COLORFY」など、聞き慣れない機能についても、実際に使っている様子をアニメーションで見ることができ、使い方のヒントを得るには十分です。

Enlight Videoleap

チュートリアルではさまざまな機能について実際に使っている様子が見られる

またストックフィルムには合成に使える素材がいくつか用意されており、チュートリアルで紹介されている機能を実際に試すこともできます。

Enlight Videoleap

ストックフィルムに素材を用意しているので練習にもってこい

プロっぽい映像の制作には慣れも必要

万能型の動画編集アプリは、完璧に使いこなそうと思うと挫折しがち。このEnlight Videoleapも例外ではありません。たしかに、数多くの機能と分かりやすいチュートリアルが用意されていて、個々の操作自体は難しくはありません。しかし、複数の動画クリップとレイヤーを駆使ししてプロっぽい映像を作るには操作の習熟も必要です。

Enlight Videoleap

かなり複雑な編集もできるが、根気も必要

たとえばBGMを挿入したいとき、尺に合わせてBGMの長さを自動調節してくれるような機能はありません。キーフレームを作成して、フェードイン、フェードアウトを設定する必要があります。キーフレームはタップするだけで挿入できるのですが、効果を開始するタイミングなどは自分で決める必要があります。

また残念ながら、Enlight Videoleapは4Kでの出力は非サポート。最高画質は1080P、60fpsです。4K撮影が標準になり、スマートフォンをビデオ撮影のメイン機材として使う人も増えています。4Kで撮影した映像を、4Kで残せるとさらによかったと思います。

全機能の開放には強気の価格設定のアプリ内購入が必要(買い切り型だと1万6800円)

すべての機能を使うには、サブスクリプション型か買い切り型のアプリ内購入が必要。制限を解除すれば、使えるレイヤーの数が無制限になるほか、色調整やトーン調整の解除、全フィルターの解除といった追加機能が使えるようになります。

Enlight Videoleap

1カ月の定期購入で1350円(記事掲載時点では680円/月)、12カ月の定期購入で675円/月(記事掲載時点では342円/月)、1回の買い切り購入で1万6800円(記事掲載時点では8400円)と、動画編集アプリとしては高価

無料版だとレイヤー数の制限が厳しいものの、それ以外の機能の多くは利用できます。無料版で操作に慣れた上で、強気の価格設定に見合った価値があると判断するのであれば、とりあえず1カ月間だけ定期購入して全機能を試してみればよいでしょう。

まとめ:動画編集の初心者からベテランまで満足できるオールインワンアプリ

Enlight Videoleapは、写真編集アプリのEnlightと同様に、盛りだくさんの機能を用意したオールインワンアプリ。簡単にビデオ編集ができるいっぽうで、自分のやりたいように、自由な編集ができるという懐の広さも持ち合わせています。

こだわりの映像制作がしたいというベテランユーザーはもちろん、完全に初心者向けのビデオ編集アプリでは機能的に物足りないと感じている人におすすめです。

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