定額聴き放題の音楽配信サービスなどが普及した現代、CDを見かける機会はめっきり減りました。とはいえ、サブスク解禁していないアーティストやインディーズバンド、古いアルバムなどCDしか音源がないケースは少なくありません。CDの楽曲をiPhoneやAndroidスマホで楽しみたいというニーズは意外と多いものです。
そこで本記事では、「パソコンなしで直接スマホにCDの楽曲を取り込む方法」と「パソコンで楽曲を取り込んでスマホへ転送する方法」を徹底解説。iPhoneやAndroidスマホ、Windows PC、Macとあらゆる環境を網羅した完全版となっています。
方法1:専用CDドライブで直接スマホに取り込む
一番便利なのは、スマホに適応したCD-ROMドライブを利用すること。パソコンを経由せず、直接CDの楽曲をスマホに転送できるので圧倒的に簡単かつスピーディーです。

iPhone/Androidスマホに直接CDを取り込める「ラクレコ」
CDのデータをスマホに直接取り込める製品は、ケーブル接続タイプとワイヤレス接続タイプの2つに大別されます。どちらも得られる結果は同じなので好みで選べばOKですが、筆者はケーブル接続タイプをおすすめします。接続に手間がかからないことと、素早くデータを取り込めることが理由です。
本記事で使用したバッファロー製の「ラクレコ」は、ケーブルでスマホに接続・転送できるタイプのCDドライブです。Lightningケーブル/Type Cケーブル/microUSBが付属しているので、iPhone/AndroidスマホをはじめiPad、Windows PC、Mac、Fireタブレットなど、さまざまなデバイスとの接続が可能。1台あればかなり汎用的に使えるでしょう。
以下では、ラクレコを使って実際にCDの楽曲をスマホに取り込む手順を紹介します。
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スマホに「ラクレコ」アプリをインストール
アプリ「ラクレコ」をダウンロードまずは、スマホに専用の「ラクレコ」アプリをインストールします。
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ラクレコにCDをセットし、ケーブルでスマホに接続する
上図のようにラクレコと電源、スマホをそれぞれ対応するケーブルでつないだら、ディスクトレイの取り出しボタンを押してCDをセットします。
なお、先に電源に繋がないとボタンを押してもディスクトレイが開かないので注意しましょう。
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ラクレコアプリを起動させてCDを取り込む
ホーム画面でラクレコアプリを起動し、[はじめる]→[CDを取り込む]の順にタップします。
「接続を確認しています…」の画面が数秒間表示されるので待ちましょう。
Androidスマホ
iPhone
Androidスマホ、iPhoneともにいくつか権限の許可が求められるので、[OK]や[許可]をタップして進みます。
アルバムやアーティスト名などの情報が自動的に取得されるので、該当するものをタップしましょう。
最後に、右上の[開始]ボタンを押せば読み込みが開始されます。筆者が検証した際は13曲を5分ほどで読み込みました。
「取り込みが完了しました」と表示されたら、[閉じる]ボタンを押してスマホとCDドライブのケーブル接続を外します。「アルバム」タブを開いてCDから取り込んだ楽曲を聴いてみましょう。
【注意】楽曲を再生できるのはラクレコアプリだけラクレコで取り込んだCDの楽曲は、音声ファイルとしてではなくアプリ内データとして端末に保存されます。したがって、楽曲を再生できるのはラクレコアプリだけです。
Apple Musicなど他の音楽アプリでは再生できませんし、メールやLINEで他人に共有することもできません。また、アプリを削除(アンインストール)すると、取り込んだ楽曲ファイルも削除されてしまうので注意が必要です。
普通の音声ファイルとしてスマホに取り込みたい場合は、パソコンを経由させてからスマホに転送しましょう(後述)。
方法2:パソコンを使ってCD楽曲をスマホに取り込む
続いて紹介するのは、パソコンでCDの楽曲を読み込んでからスマホへ転送する方法です。(1) パソコンでCDを読み込む → (2) 楽曲をコピー → (3) スマホへ転送と手順が多くなりますが、そこまで難しい作業はありません。慣れたらスムーズにおこなえるでしょう。
パソコンとスマホのOSによってやり方が異なるので、以下4パターンから自身の利用環境に応じて手順を確認してください。
WindowsパソコンでCDを取り込み、iPhoneに転送する

まずは、iPhoneとWindows搭載パソコンを利用しているユーザー向けの方法を紹介します。
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パソコンにCDをセットする
PC備え付けの光学ドライブ
パソコンに「光学ドライブ」が備わっている場合は、それを開いてCDを挿し込みます。ノートタイプなら側面、デスクトップタイプなら筐体に備わっているケースが多いです。
外付けのCD/DVDドライバ
手持ちのパソコンに光学ドライブが備わっていない場合は、外付けのCD/DVDドライブを購入するほかありません。
とはいえ、パソコン用のドライブは前述したスマホに直接取り込むタイプよりも安価で手に入ります。おすすめは、バッファロー製の外付けDVD/CDドライブです。Amazonで3000円ほどで購入できます。
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「iTunes」を起動する
iTunesのアイコン
WindowsパソコンからiPhoneに音楽データを移行するには、iTunesを経由するのが便利です。インストール済みの人はアプリ一覧から「iTunes」を選択して起動させましょう。
未インストールの人は、Apple公式サイトからWindowsパソコンに「iTunes」をインストールしてください。
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CDの楽曲データを取り込む
CDをセットした状態でiTunesを起動すると、自動的にCDのアルバム名やアーティスト名などの情報が表示されます。該当するものを選択して
を押しましょう。すべてのトラックが表示されたら、[読み込み]ボタンをクリックします。
保存形式や音質などを任意のものに設定して[OK]を押すと、CD楽曲の取り込みが始まります。完了するまでしばらく待ちましょう。
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iPhoneにCDの楽曲を転送する
最後に、Windowsパソコンに取り込んだ音楽ファイルをiPhoneに転送しましょう。
iTunes経由でそのままiPhoneに転送できるので、iTunesを起動したままにしておいてください。
WindowsパソコンとiPhoneを対応するケーブルで接続します。その上で、iPhone上に表示される「このコンピューターを信頼しますか?」の画面で[信頼します]をタップしましょう。
基本的には、iPhoneを買ったときに同梱されているUSB-A&LightningケーブルやUSB-C&Lightningケーブルで接続できるはずです。もし対応ケーブルが手元にない場合は、OneDriveやGoogleドライブといったクラウドストレージなどを経由して音楽ファイルを共有してみてください。
正常に接続できれば、上部にスマホ型のアイコンが表示されます。これをクリックしましょう。
「ミュージック」から「ミュージックを同期」を選択。「選択したプレイリスト、アーティスト、アルバム、およびジャンル」と該当するアルバムにチェックを入れ、「適用」ボタンをクリックしましょう。
選択したアルバムがiPhoneに共有されます。
iTunesで共有した楽曲ファイルは、iPhone標準搭載の「ミュージック」アプリから確認・再生できます。ホーム画面で「ミュージック」アプリを起動し、「ライブラリ」タブをチェックしてみてください。
WindowsパソコンでCDを取り込み、Androidスマホに転送する

続いて、AndroidスマホとWindows搭載パソコンを利用しているユーザー向けの方法を紹介します。
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パソコンにCDをセットする
PC備え付けの光学ドライブ
パソコンに「光学ドライブ」が備わっている場合は、それを開いてCDを差し込みます。ノートタイプなら側面、デスクトップタイプなら筐体に備わっているケースが多いです。
外付けのCD/DVDドライバ
手持ちのパソコンに光学ドライブが備わっていない場合は、外付けのCD/DVDドライブを購入するほかありません。
とはいえ、パソコン用のドライブは前述したスマホに直接取り込むタイプよりも安価で手に入ります。おすすめは、バッファロー製の外付けDVD/CDドライブです。Amazonで3000円ほどで購入できます。
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「Windows Media Player」でCDの楽曲を取り込む
Windowsボタン
から「Windows Media Player」を起動します。見つからない場合は「Webアクセサリ」下を確認してみてください。CDをセットした状態で「Windows Media Player」を起動すると、自動的にアルバム名やトラック、アーティスト名などの情報が表示されます。「読み取りの設定」から音質や保存形式を任意のものに変更しましょう。
すべてのトラックにチェックが入っていることを確認したら、最後に[CDの取り込み]をクリック。
オプションが表示されるので任意の形式(特にこだわりがないなら下2つ)にチェックを入れて「OK」を押してください。即座にCD楽曲の取り込みが開始されます。
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AndroidスマホにCDの楽曲を転送する
最後に、Windowsパソコンに取り込んだCDのデータをAndroidスマホに転送しましょう。音楽ファイルは容量が大きいので、ケーブル接続してエクスプローラー経由で転送する方法をおすすめします。
WindowsパソコンとAndroidスマホを対応ケーブルで接続します。
基本的には、スマホを買ったときに同梱されているUSB-A&USB-CケーブルやUSB-C&USB-Cケーブルで接続できるはずです。もし対応ケーブルが手元にない場合は、Bluetooth経由でのファイル転送を試すか、OneDriveやGoogleドライブといったクラウドストレージなどを経由して音楽ファイルを共有してみてください。
アクセスを許可する
ファイル転送にチェックを入れる
ケーブルで接続すると「アクセスを許可しますか?」といったポップアップや「USB設定」などの画面が表示されるので、上の画像のとおり接続やファイル転送を許可しましょう。これでAndroidスマホとWindowsパソコンを接続できました。
続いて、Windowsパソコンでエクスプローラーを開きます。取り込んだ音楽は「ミュージック」フォルダに入っています。CDのアルバム名を右クリックしてください。
メニューが表示されたら
を選択します。「PC」に戻り、「デバイスとドライブ」から自身のスマホ名をクリックします。
「内部ストレージ」に進みます。なお、SDカード利用中の人は、SDカードを選択してもよいでしょう。
Androidスマホ内の各フォルダが表示されるので、「Music」を選択。専用のフォルダを新規で作成してもよいでしょう。
フォルダが開いたら、空いている適当な場所を右クリックし、展開したメニューで[貼り付け]を選択しましょう。WindowsパソコンからAndroidスマホへCDのデータが転送されます。
転送した楽曲ファイルは、Androidスマホで使える音楽再生アプリで確認・再生できます。
多くのAndroidスマホに標準搭載されている「YouTube Music」アプリでは、「ライブラリ」タブの「デバイスのファイル」に進むと、取り込んだCDの楽曲を確認できます。
MacでCDを取り込み、iPhoneに転送する

続いて、iPhoneとMac(iMac/MacBook)を利用しているユーザー向けの方法を紹介します。
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MacにCDをセットする
まずはMacに備え付けの光学ドライブを開いて……と言いたいところですが、残念ながらほとんどのMacBookとiMacには、光学ドライブが搭載されていません。
おそらく、外付けのCD/DVDドライブを購入しなければならない人が多いはず。Appleストアで純正の外付けDVD/CDドライブが販売されていますが、税込み8580円とかなり高めの値段です。
費用を抑えたいなら、バッファロー製の外付けDVD/CDドライブ(DVSM-PTV8U3)がおすすめ。Macに標準搭載の「ミュージック」アプリに対応しており、ケーブル接続するだけでCDの再生・データの取り込みができます。
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「ミュージック」アプリでCDの楽曲を取り込む
MacにCDをセットすると、「ミュージック」アプリが自動で起動します。もし起動しない場合は上アイコンをクリックして手動で立ち上げてください。
読み込んだCDの情報があれば表示してくれるので、該当するものを選んで
を押します。「〇〇(アルバム名)を読み込みますか?」と表示されたら「はい」を選択しましょう。即座にCDの取り込みが開始されるので、終了するまで待ちます。
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iPhoneにCDの楽曲を同期する
最後に、Macに取り込んだCDのデータをiPhoneに同期します。音楽ファイルは容量が大きいので、ケーブル接続で同期するのがもっともスムーズです。
もし対応ケーブルが手元にない場合は、後述するAirDropでの転送を試してみてください。
MacとiPhoneを対応ケーブルで接続します。基本的には、iPhoneを買ったときに同梱されているUSB-A&LightningケーブルやUSB-C&Lightningケーブルで接続できるはずです。
iPhoneとMacを起動すると、iPhoneの画面上に「このコンピュータを信頼しますか?」と表示されます。問題なければ[信頼]を押してください。
最後に画面ロックのパスワードを入力すれば、iPhoneとMacの接続は完了です。
続いて、Macで「Finder」を開きます。
左バーの「場所」下に自身のiPhone名が表示されているはずなので、これをクリックします。
「ミュージック」タブを開き、「ミュージックを〇〇のiPhoneと同期」「選択したアーティスト」「アルバム名」の3点にチェックを入れ「適用」ボタンを押してください。これで作業は完了です。
同期した楽曲ファイルは、iPhone標準搭載の「ミュージック」アプリから確認・再生できます。ホーム画面で「ミュージック」アプリを起動し、「ライブラリ」タブをチェックしてみてください。
AirDropでiPhoneに共有する方法ケーブルが手元にない人は、AirDropで共有することも可能です。ただし、転送速度はケーブル接続に比べてかなり低速です。アルバム丸ごと送信するとなると、それなりに時間がかかってしまいます。
Macで「ミュージック」アプリの「アルバム」タブを開き、取り込んだCDをドラッグ&ドロップでデスクトップに移行します。1曲1曲バラけないように、あらかじめ作成したフォルダに入れるのがおすすめです。
アルバムの曲すべてを選択した状態にして「control」キーを押しながらクリックし、展開したメニューで[共有]→[AirDrop]に進みます。iPhoneの画面ロックを解除したら、AirDropの画面に表示された自身のiPhone名をクリックしてください。
iPhoneの画面にAirDropの受信ポップアップが表示されます。内部ストレージに保存する場合は「ファイル」を選択してください。
保存先の選択画面が表示されたら、新規フォルダの作成ボタンをタップ。任意の名前を付けて[保存]を押しましょう。
これでAirDropによるデータの転送は完了です。
MacでCDを取り込み、Androidスマホに転送する

あまり見かけない組み合わせですが、最後にAndroidスマホとMac(iMac/MacBook)を利用しているユーザー向けの方法を紹介します。
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MacにCDをセットする
まずはMacに備え付けの光学ドライブを開いて……と言いたいところですが、残念ながらほとんどのMacBookとiMacには、光学ドライブが搭載されていません。
おそらく、外付けのCD/DVDドライブを購入しなければならない人が多いはず。Appleストアで純正の外付けDVD/CDドライブが販売されていますが、税込8580円とかなり高めの値段です。
費用を抑えたいなら、バッファロー製の外付けDVD/CDドライブ(DVSM-PTV8U3)がおすすめ。Macに標準搭載の「ミュージック」アプリに対応しており、USB-Aケーブルで接続するだけでCDの再生・データの取り込みができます。
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「ミュージック」アプリでCDの楽曲を取り込む
ドライブにCDをセットすると「ミュージック」アプリが自動で起動します。もし起動しない場合は、アプリ一覧から上の画像と同じアイコンをクリックして手動で立ち上げてください。
読み込んだCDの情報を表示してくれるので、該当するものを選んで[OK]を押します。「〇〇(アルバム名)を読み込みますか?」と表示されたら[はい]を選択しましょう。
即座にCDの取り込みが開始されるので、終了するまで待ちます。
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AndroidスマホにCDの楽曲を転送する
最後に、Macに取り込んだCDのデータをAndroidスマホに共有します。音楽ファイルは容量が大きいので、ケーブル接続で転送するのが最もスムーズです。
もし対応ケーブルが手元にない場合は、OneDriveやGoogleドライブといったクラウドストレージなどを経由して音楽ファイルを共有してみてください。
まずはUSB-A&USC-CケーブルやUSB-C&USB-Cケーブルを使って、上の画像のように接続します。ほとんどのAndroidスマホは購入時にいずれかのケーブルが同梱されているはずなので、それを利用する手もあります。
アクセスを許可する
ファイル転送にチェックを入れる
AndroidスマホとMacを接続すると、スマホ側に「アクセスを許可しますか?」といったポップアップや「USB設定」などの画面が表示されるので、ファイル転送を許可しましょう。
Android File Transferアプリ
MacとAndroidスマホは、単純にケーブルでつなぐだけではお互いを認識できません。
AndroidとMacを接続してファイルのやり取りをするには、Googleが提供する専用のアプリ「Android File Transfer」が必要です。このアプリをMacにインストールしてください(左リンクからGoogleのインストールページに直接遷移できます)。
「Android File Transfer」を起動すると、Androidスマホの内部ストレージ(各フォルダ)が表示されます。今回は音楽ファイルを転送したいので「Music」フォルダを開いてください。
あとは、Macの「ミュージック」アプリで「アルバム」タブから任意のCDを選択して、ドラッグ&ドロップでAndroidスマホの「Music」フォルダに入れるだけでOK。転送完了です。
YouTube Musicアプリでは「ライブラリ」タブの「デバイスのファイル」から確認できる
転送した楽曲ファイルは、音楽再生アプリならどれでも確認・再生できます。
多くのAndroidスマホに標準搭載されている「YouTube Music」アプリでは「ライブラリ」タブの「デバイスのファイル」に進むと、CDの楽曲を確認できます。