YouTube動画には、多くのケースで冒頭や途中に広告が表示されます。広告が表示されるおかげでユーザーは無料でYouTubeを視聴できるのですが、実際のところ邪魔に感じる人がほとんどでしょう。
この点、月額1180円を支払ってYouTube Premium(ユーチューブプレミアム)に入会すれば広告は一切表示されません。とはいえ、無料で非表示にできる方法があれば……と思っている人も多いはず。そこで本記事では、YouTubeの広告を無料でブロックする方法を紹介します。
YouTubeの広告はブラウザ経由なら非表示化できる

YouTubeアプリ
YouTubeを見る方法は、大きく分けて以下2つです。
- デバイスにYouTubeアプリをインストールして見る
- ブラウザでYouTube(https://www.youtube.com/)にアクセスして見る
アプリのほうが機能が豊富なので、好んで使っている人も多いでしょう。
しかし、(1)アプリ経由の場合、広告を消すには月額1180円を支払ってYouTube Premiumに加入するしか方法はありません。一方、(2)ブラウザ経由でならYouTubeの広告をブロックする手段はいくつかあります。
無料でYouTubeの広告を非表示化したいなら、まずはブラウザ経由での閲覧が条件となることを理解しておきましょう。
Brave(ブレイブ)がYouTubeを見るのに最適である5つの理由
YouTube広告を非表示にしたい場合、広告をブロックする専用アプリや拡張機能をインストールするのが一般的です。しかし、筆者が紹介したい方法はそのどちらでもありません。
ブラウザアプリ「Brave(ブレイブ)」こそが、YouTubeを広告なしで楽しむのに最適なツールだと考えます。

Braveのアイコン
Brave(ブレイブ)は2019年に提供開始された、新しいブラウザサービスです。
開発・運営しているのはアメリカのBrave Software社。Firefoxを作ったMozilla社の前CTOであり、Javascriptの生みの親としても知られるBrendan Eich(ブレンダン・アイク)氏が設立した会社です。ChromeやSafariのように知名度こそ高くないものの、プライバシー性の高さや広告ブロック機能が一部ユーザーの間で圧倒的な支持を集めています。
以下では、その使い方や機能の紹介も踏まえながら、Braveのおすすめポイントを5つ紹介します。長年使いなれているブラウザを乗り換えるのは抵抗があると思うので、まずYouTube閲覧専用ブラウザとして利用してみてはいかがでしょうか。
理由1:YouTubeの広告をブロックする機能が標準搭載されている
Braveを使う一番のメリットは、標準でYouTubeの広告をブロックしてくれること。サイト上の広告をブロックするブラウザは他にもありますが、YouTubeの広告に対しては拡張機能や専用アプリのインストールが必要なケースがほとんどです。
その点、Braveなら特別な準備や設定は必要ありません。Brave経由でYouTubeにアクセスするだけで、さまざまな広告を自動的にブロックしてくれます。

SafariでYouTubeの動画を開いた場合

BraveでYouTubeの動画を開いた場合
すべての広告が非表示化されるわけではありませんが、動画の前後・途中で表示される5秒間のスキップ可能広告、スキップできない強制広告など、煩わしい広告は基本的にブロックされます。
またパソコンでは、ディスプレイ広告や再生画面を覆うオーバーレイ広告なども表示されません。
理由2:デバイス・OSを問わずに完全無料で使える
Braveはすべての機能を完全無料で利用できます。モバイル向けアプリ(iOS/Android)のほか、デスクトップ版(Windows/macOS/Linux)もリリースされており、デバイスやOSを問わずに使えるのも魅力です。
- Android 5以降
- iOS 12以降
- Mac(OS X El Capitan 10.11.0 以降)
- Windows(Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、Windows 10以降)
- linux(64-bit Ubuntu 16.04+、Mint 17+、Debian 9+、openSUSE 15+、Fedora Linux 28+、or CentOS/RHEL 8+)
デバイス間での同期も可能です。たとえば、スマホで作ったブックマークや「Playlist」(後述)をパソコンにも簡単に共有できます。
その使い勝手は、ChromeやSafariと比べても遜色ないでしょう。
理由3:オフライン再生・バックグラウンド再生ができる(現状iOS版のみ)
YouTubeの視聴にBraveをおすすめする理由は、広告が表示されないからだけではありません。
Braveには「Playlist」という機能が搭載されており、なんとYouTube動画のオフライン再生やバックグラウンド再生が可能なのです。これらは、本来YouTubeプレミアム会員しか使えない機能です。それが無料で利用できるのですから、利用しない手はありません。
なお、Playlist機能は、現在iOS版でのみ利用可能です。デスクトップ版とAndroid版は2021年後半にリリースされる見込みとのことなので、しばし待ちましょう。


どちらかの方法でPlaylistに追加できる
動画・音声コンテンツを再生する際に表示される[Brave Playlistに追加する]ボタンをタップするか、動画を長押しして展開したメニューから[Brave Playlistに追加する]を選択するとPlaylistに追加できます。
初期設定では、Playlistに追加されると同時に、端末への保存(ダウンロード)が開始されるようになっています。


画面右下のメニューボタン
ボタンから[Playlist]をタップすると、Playlistに登録したメディアコンテンツの一覧が表示されます。各動画はデバイス内に保存されているので、インターネット接続なしでのオフライン再生が可能です。通勤・通学時や外出先でも、通信量を気にすることなく視聴できるでしょう。
なお、Playlistに保存した動画をストリーミング再生したい場合は、設定ボタン
→[Playlist]と進み、「オフライン再生のために自動保存する」スイッチをオフにしてください。
Playlistに追加されている動画や音声は、バックグラウンド再生が可能です。ホーム画面に戻ったり、他アプリを立ち上げたりしても、小窓表示(ピクチャー・イン・ピクチャー)でコンテンツが再生され続けます。
理由4:応援しているYouTubeチャンネルでは広告あり設定に変えられる
YouTubeの動画クリエーターは、広告を視聴者に見てもらうことで収益を獲得します。クリエーターにとって広告は大きな収入源であり、広告をブロックしてしまうとチャンネルの発展を阻害することになりかねません。
その点、Braveでは「貢献したい」「応援したい」配信者の動画だけ広告を表示させることも可能です。

URL横のライオンマークをタップすると広告表示のオン/オフを切り替えられる
左上のライオンアイコンをタップして
をオフに切り替えるだけで、広告表示モードに切り替わります。後述の「Brave Rewards」システムを使って直接クリエーターを支援することもできますが、日本ではBrave Rewardsの参加クリエーターは現状ほどんどいません。応援したいなら、広告表示をオンにして視聴するのが効果的でしょう。
理由5:Brave Rewardsを利用してクリエーターを直接支援できる
広告ブロック機能は、ユーザーにとってはメリットしかありません。しかし、サイト運営者や動画配信者などのクリエーターにとっては、広告収入が減少してしまうという大きな問題があります。
そこでBraveに備わっているのが「Brave Rewards」という新しい収益化の仕組みです。

Brave Rewardsの広告は通知形式で表示される

通知をタップすると広告が表示される
Brave Rewardsに参加すると、Brave Ads(ブレイブ・アド)という広告がポップアップ通知のような形で表示され、閲覧するかどうかをユーザーが選べます。
この広告をタップして開くと報酬として仮想通貨「BAT(ベーシックアテンショントークン)」を獲得できます(BATを貯めるにはBitFlyerのウォレット連携が必須)。
もちろん、Brave Rewardsに参加せず、広告を一切表示させずに使うことも可能です。

Brave Rewardsの参加クリエーターはURL横の△マークにチェックが表示される。ブラウザ版で△マークをクリックすると「チップを送る」ボタンが表示される
獲得したBATは、Brave Rewardsに参加・認証を済ませているクリエーターに「投げ銭」のような形で送ることが可能です。自分でお金を払う必要がないので、支援のハードルもかなり低くなるでしょう。
また、Brave Rewardsに参加すると、ブラウザ使用状況などのデータがプライバシーを守った形で計測されます。Brave Rewardsに登録しているクリエーターには、この計測結果(関心度や滞在時間など)に応じて自動的に報酬が支払われます。
ユーザーが意図的に支援しなくても、クリエーターは広告収入に代わる対価を受け取れるというわけです。