グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン 最強企業の強さの秘密とは?

2019-01-12 12:06
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グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン 最強企業の強さの秘密とは?

テクノロジー業界の4強といわれるグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンは、その頭文字をとってGAFA(ガーファ)と呼ばれています。これらの巨大企業は過去20年間で、歴史上かつてないほどの喜びや人間同士のつながり、経済的な繁栄や発明をもたらし、世界の何十億人もの生活を支えています。

では、これらの企業はなぜこれほどの力を手に入れることができたのでしょうか。

本書では、GAFAの4企業がそれぞれどのように生まれ、成長をしていったのかという戦略を分析。さらに、GAFAがこれほどの力を得た理由や共通する要素、4企業に匹敵する第5の企業が生まれるのか、GAFAが創り変えた世界で私たちはどう生きるかなどを、ニューヨーク大学スターン経営大学院教授のスコット・ギャロウェイが解説しています。

ここでは、4つの企業の強さの秘密や、GAFA以降のこれからの時代を生きるために私たちが必要なものを紹介します。

参考文献:『the Four GAFA 四騎士が創り変えた世界』(スコット・ギャロウェイ著/東洋経済新報社〔2018年8月出版〕)

4強企業の今

まずは、この本が書かれた時点での4強企業の現状をおさらいしておきましょう。

アマゾン(Amazon)

アマゾンは、いまや世界中の人々が利用しているネットショッピング企業です。高級車や高級アクセサリーを買いに行くことには心躍りますが、おむつや歯磨き粉などの生活用品を手に入れることにさほど楽しさは感じません。

アマゾンの強みは、そんな必需品の購入という退屈な作業の軽減にあります。同社は気前のいい個人投資家たちを味方につけ、消費者の自宅に商品を届ける、いわゆるラスト・ワンマイルのインフラへ巨額の資金を注入する手法で成功をおさめました。その結果、2017年7月25日時点でのアマゾンの時価総額は4329億ドルにのぼり、大手小売りのウォルマート、ターゲット、クローガー、ティファニー、コーチ、GAP、メイシーズ、ノードストロームの時価総額を合わせても足りないほどです。この時点で、アマゾン創始者のジェフ・ベゾスの資産は世界第3位ですが、2018年には1位となりました。

アップル(Apple)

次はアップルです。モバイル機器に飾られたアップルのロゴは、いまや誰もがうらやむものとなりました。アップルには、「神に近く感じられる」「異性の目に魅力的に映る」という本能的欲求を満たしてくれる2つの特徴があります。また、一種の宗教的な側面もあり、信念体系があるだけでなく、熱狂的なファンやキリスト的な人物までいます。

アップルはビジネス業界ではとうてい難しいとされてきた、低コストの製品をプレミア価格で売ることに成功し、歴史上最も利益の大きな企業となりました。実際に、2016年第4四半期、創業時からの総計で、アマゾンの2倍の営業利益を上げています。

フェイスブック(Facebook)

フェイスブックは、普及率と使用率を基準にすれば人類史上最も成功しているといえる企業です。現在の75億人の世界人口のうち、12億人が毎日フェイスブックとのかかわりを持ち、アメリカでもフェイスブック、フェイスブック・メッセンジャー、インスタグラムは人気のスマホアプリです(それぞれ第1位、第2位、第8位)。

ユーザーは1日50分をこのソーシャルネットワークに費やし、ネット接続時の6分に1分、モバイル機器を使用している5分に1分はフェイスブックを見ています。

グーグル(Google)

グーグルは、現代人の知識の源であり、常に身近に存在して些細なことから重大な問題まで何でも答えてくれるツールです。大半の商品とは逆で、使うほどに価値が上がるのが特長。20億人の人が毎日、意思(自分のしたいこと)や選択(自分のすること)を入力しますが、グーグルはそのパワーを活用してそれぞれの部分を足した以上のものを全体として生み出しています。

毎日35億の質問からデータを集め、消費行動を分析することで、グーグルは従来のブランドとメディアの死刑執行人の役割を果たしているのです。

GAFAが成功した、共通する8つの要素とは?

ではなぜ、この4企業はこれほどまでに成長し得ることができたのでしょうか。4企業を分析して分かったのが、1兆ドル企業になるための共通する要素やルールが存在するということです。

まずは、「商品の差別化」です。グーグルの検索エンジンやアップルのiPhone、フェイスブックの整理されたフィードと誰もが参加しているネットワーク効果、アマゾンのワンクリック注文で2日以内に商品が届くというシステムがそうです。新しいアイディアを考えようとすると、何を付け加えればよいか、どんな面白い体験をさせるかということばかり考えがちですが、ここ10年で大きな価値を生み出したのは何かを減らす工夫でした。4社は、安い資本と技術イノベーションを駆使し、製品の差別化を図ったのです。

また、4社の高い競争力の要素として、安い資本を集める力、「ビジョンへの投資」が挙げられます。それには理解しやすい大胆なビジョンが必要。例えばグーグルは「地球上の情報を整理する」という使命を掲げていますが、シンプルで説得力があり、株を買いたくなる気持ちを湧きあがらせます。

世界展開」、世界に打って出る能力も大切です。本当の意味で大きな意義のある会社になるためには、世界中の人にアピールする製品が必要です。投資家が望むのは大きいだけでなく多様な市場。世界のあらゆる場所で成功できれば、投資家たちは再び安く資本を投入してくれます。

好感度」も要素の一つです。ビジネスの世界には制約があり、企業の成長には政府や独自の監視集団、メディアが大きく関係しています。そのため、大きく成功するためには企業がよき存在、よき市民であり、国や国民、従業員、製品を調達するサプライチェーンにかかわる人々に配慮しているとみなされる必要があるのです。

さらに、物を買う時の消費者体験すべてを「垂直統合」でコントロールできることも重要。4企業はすべて流通をコントロールし、製品を自社生産していなくてもその調達や営業、販売、サポートをおこなっています。

ほかにも、人間がインプットしたデータを学習し、それをアルゴリズム的に記録するテクノロジーを持っているという特徴があります。この「AI」のテクノロジーは集学的最適化によってほんの一瞬で顧客の個人的なニーズを予測するだけでなく、ユーザーがプラットフォームを使うたびに結果が向上し、ほかのユーザーの将来や顧客のためにもなっており、AIの存在は欠かせません。

トップに上り詰める企業になるには、トップクラスの人材を集める力も必要です。したがって、求職者にとって「キャリアの箔づけになる」仕事であるとみなされなければなりません。テクノロジーに強い人材の争奪戦は過熱しており、4社でも最高レベルの従業員を惹きつける能力は最優先の問題です。成功するためには、若い消費者だけでなく、社員候補の人材の間でもよい評判を築くことが重要になります。

最後は場所、「地の利」です。過去10年の間に時価総額が何百億ドルも増加した企業は、ほぼ例外なく世界的な技術系あるいは工学系の大学に電車で通える距離にあることがわかっています。アップル、フェイスブック、グーグルは大学ランキング2位のスタンフォード大学と良好な関係にあり、大学ランキング3位のカリフォルニア大学バークレー校からも自転車で通える距離にあります。キャリアの箔づけとなる企業になるためには原材料を多く持たなければなりません。かつては炭鉱のそばに発電所を立てていましたが、現在は一流の工学、経営、教養の学位を持つ人材が集まる場所に企業を作るのです。

GAFA以降の世界で生きるために必要なもの

GAFAの出現によって市場勢力図と消費者の生活に計り知れないほどの影響が与えられました。この4社のおかげで秀でたもののない会社が成功したり、消費者向けテクノロジー新興企業が競争に参加して生き残るのが、以前より難しくなりました。大まかにいえば、現在は超優秀な人間にとっては最高の時代となり、平凡な人間にとっては最悪な時代になっています。これはデジタル技術によって生まれた勝者総取り経済の影響の一つです。この市場ではトップレベルの製品価値は高騰し、それより劣った製品の価値は下落します。それは労働市場でも同じです。

では、GAFAのような企業が世界を支配する新世界で、平凡な私たちはどうやって成功すればよいのでしょうか。さまざまな要素がありますが、個人が成功するために必要な内的要素として最も重要なのは、「心理的成熟」です。特に20歳代は人によってばらつきがあります。デジタル時代の労働者は数多くの関係者に対応し、1日の間にさまざまな役割をこなさなければならないため、成熟した人間のほうが有利です。

また、「好奇心」も重要で、昨日上手くいっていたことが今日には時代遅れとなり、明日には忘れられるといったことはザラです。聞いたこともない新しい道具やテクノロジーに取って代わられます。デジタル時代の成功者は次の変化を恐れるのではなく、「こうしたらどうだろうか」と問いかけられる人物であることを忘れてはなりません。

さらに、「当事者意識」も特筆すべきスキルです。チームの誰よりも細部にこだわり、何をいつどのように終わらせる必要があるかを検討する。自分が全員をそしてすべてを掌握しなければ何も起こらないと考えることが大切です。

東洋経済新報社のコメント

Google検索の上位にある記事は信用できる。iPhoneに送られてきたニュースが「重大ニュース」だ。Facebookで「バズっている意見」が正しい。Amazonに「オススメ」された本を買ってしまう──思い当たるフシはありませんか。4社を合わせた「GAFA」によって、私たちは「思考」そのものをコントロールされつつあります。

GAFAの脅威とGAFAが創り変えてしまった世界のルールを描いたスコット・ギャロウェイ教授の書籍『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』は、世界的ベストセラーとなっています。「創り変えられた世界」を生き延びるために何が必要なのか、ギャロウェイ教授の知見が大いに参考になるはずです。

……などと書くと「お堅くて難しい」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。ハフィントンポストのジョアン・トンブラコス氏は彼について、次のように述べています。

「知的で思慮深く、皮肉屋でありながらユーモアにも溢れている。要は『読者を魅了する天才』である」

【KIndle版】the four GAFA 四騎士が創り変えた世界
【単行本】the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

構成・文:吉成早紀

編集:アプリオ編集部