野島伸司が描く、石原さとみ×峯田和伸の大荒れ格差恋愛──ドラマ『高嶺の花』

野島伸司が描く、石原さとみ×峯田和伸の大荒れ格差恋愛──ドラマ『高嶺の花』

明日を思わず、一瞬一瞬を咲き誇る草花たち。そんな花の心を誰よりも知るその女性は眩しいほど美しく、明日を生きるのがとても不器用なのです。

ドラマ『高嶺の花』は、華道の名門流派本家に生まれ育ち、美貌・財力・才能のすべてを持ち合わせたお嬢様が、自分とはかけ離れた境遇の冴えない男と恋に落ちる波乱の「超・格差恋愛」ストーリー。

脚本は、『101回目のプロポーズ』『高校教師』『ひとつ屋根の下』など、これまで社会現象を巻き起こす名作を数多く生み出してきた野島伸司氏。笑いと人情味溢れる雰囲気の中にある、シビアな現実感やどうしようもない孤独感に、さすがの野島節を感じます。

注目の高嶺の花・月島ももを演じるのは、「あんたのような下々の人間、相手にしないのよ。綺麗でしょ、あたし!」と啖呵を切る様が見事な絵になる石原さとみ。そんなももに、けちょんけちょんに言われながらもブレない凡夫・風間直人を、銀杏BOYZのボーカル・峯田和伸が民放連ドラ初出演ながら味わい深く演じます。

すべてを持つ女とあまりに何もない男。異例のキャストと名脚本家の組み合わせが非凡な展開を保証する、期待大の純愛ドラマです。

ももと直人、凸凹な2人を待ち受ける甘い恋とほろ苦い現実

高嶺の花 動画配信 見逃し

月島ももは、華道の名門「月島流」本家のご令嬢。名家に生まれただけでなく、完璧なルックスと並外れた華道の才能を持つもも。太陽のように輝く彼女は、愛する人との結婚も決まり、まさにすべてを手に入れるところでした。

そんな最中、フィアンセの吉池(三浦貴大)が他の女性を妊娠させたことが発覚し、なんと挙式当日結婚が破談に。あまりのショックに重要な嗅覚すら失い、吉池を付きまとう奇行に走ってしまうもも。そんなももを心配する家元の父・市松(小日向文世)は、「誰でもいいから痛みを告げて寄り添ってもらえ。回復したら捨ててしまえばいい」と荒治療を提案します。

しかし、尚も加速するももの自暴自棄な日々。ある時、自転車で激しく横転し泥だらけになってしまったももは、商店街にある小さな自転車屋に駆け込みます。ボロボロの彼女を迎え入れたのは、店主の風間直人。直人は横柄な態度のももに、そそくさと足を洗うバケツや着替えを用意し、壊滅状態の自転車の修理を快く請け負います。

20年近く寝たきりの母・節子(十朱幸代)の介護をしながら、細々と家業を継いできた直人。その朴訥としていて優しい人柄は、自然と人を引き寄せる魅力がありました。これまで恋人すらいたことのない彼は、母の急逝で完全に独り身に。友人や近所の人が心配してお見合い話を持ち掛ける中、再びももが店に現れます。これまで交流をもった事のない下町の庶民たちからキャバ嬢だと勘違いされ、すっかりなりきるももですが……。

ももが最後に選ぶのは芸術?それとも愛情?

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まさに高嶺の花。石原さとみの出で立ち、凛とした表情は見入ってしまうほど綺麗で、ももそのものです。

そして、ももと直人の恋の行方だけでなく、月島の乗っ取りを狙う新興流派・宇都宮龍一(千葉雄大)の画策や、家元がももに抱く非情なまでの期待など、芸術家の責任や孤独を表すシリアスなシーンにも注目です。男も女も関係なく、人として自分の運命をどう生きるか。温かいラブストーリーの中にそんな問いかけが隠されているように感じます。

「愛してたら憎まない。憎めないんです。あなたのように。それはちゃんと愛がある、いい女なんです」。失恋から立ち直れず、情けない自分に腹を立てるももに、そう語りかける直人。亡くなった母がもてない息子に語って聞かせていた恋の手ほどきは、数々の名言となって話中に飛び出します。

悲しみを抱え、自分の物語が止まってしまった2人。不器用な男女が再び歩き出すまでの過程はただの恋愛ドラマではない、生きるためのヒントに溢れた成長日記です。

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