楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」には、毎月2GBの海外データ通信(海外ローミング)が無料でついています。別途オプションなどを申し込む必要はなく、my楽天モバイルで設定を切り替えるだけで海外で利用できます。
海外でデータ通信を利用する際に、高額請求されないかどうか不安に思う人もいるでしょう。この点、仮に2GBの海外データ通信量を超過しても自動で追加料金がかかることがないため、高額請求の心配もいりません。
本記事では、楽天モバイルの海外における料金や使い方をはじめ、国際通話・国際SMSの仕様などについても解説します。
海外ローミングの料金と使い方
楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」を契約していれば、海外でもそのまま使えます。短期間の海外旅行であればポケットWi-Fiを個別にレンタルする必要もありません。
以下、楽天モバイルの海外ローミングの特徴を解説します。
毎月2GBまで無料、その後は1GBあたり500円でチャージ可能

楽天モバイルのRakuten最強プランを契約していれば、海外でも毎月2GBのデータ通信が無料です。プラン内にデフォルトで含まれており、海外で利用するために別途申し込みは不要です。
2GB超過後は通信速度が最大128kbpsに制限(低速化)され、データ使い放題となります。


my楽天モバイルから簡単に海外データ通信量をチャージできる
海外利用分の2GBに達して速度制限にかかってしまった場合、1GBあたり500円でチャージ可能です。my楽天モバイル(ブラウザまたはアプリ)にログインし、[データチャージ]から任意のデータ量を選択するだけです。
データ通信量が不足したら必要な分だけいつでもチャージでき、申し込み後すぐに反映されます。

海外データ通信量の利用イメージ
海外利用分の2GBは、Rakuten最強プランのデータ通信量に含まれます。Rakuten最強プランはデータ通信量が3GBまでなら月額1078円、3GB〜20GBなら月額2178円、20GB超過後は国内通信データ無制限で月額3278円と3段階で料金が変動する仕組みです。
たとえば国内で5GB使ったのちに海外へ渡航して海外で2GBを利用し、再び国内で14GBを使ったとします。この場合、国内+海外で21GB使った計算となるため、月額料金は3278円となります(国内通信はデータ無制限)。
楽天モバイルの海外ローミングは高額請求の心配もない

海外でスマホを利用する際に最も心配なのが、データ通信を使いすぎて高額な料金を請求されてしまわないかということでしょう。結論から言うと、楽天モバイルを海外で利用しても高額請求の心配はありません。

楽天モバイルは海外データローミングが毎月2GB無料。超過しても勝手に追加料金がかかることはない
Rakuten最強プランには、海外ローミングが「毎月2GBまで」無料で含まれています。2GB超過後は通信速度が128kbpsに制限されてデータ無制限となります。
2GBを超えると速度制限がかかって読み込みは遅くなってしまうものの、勝手に追加料金は発生しません。1GBあたり500円でデータチャージもできますが、購入手続きしない限りデータチャージの追加料金がかかることもありません。

また、前述したデータローミング設定を忘れてしまった場合も、高額請求の心配は無用です。渡航後に現地のWi-Fi環境下に接続すれば、my楽天モバイルおよび設定アプリの海外ローミングを設定できます。
とはいえ設定を忘れると、Wi-Fi環境を探すのに手間取ってしまったり見知らぬWi-Fiに接続することで不具合が発生してしまったりする可能性もあるので、出国前にmy楽天モバイルから設定することが推奨されています。


OS標準の通話・メッセージ(左)と楽天リンク(右)にはそれぞれ2万円の利用限度額が設けられている
もうひとつの心配事は、海外で通話やSMSを使いすぎてしまわないかという点ですが、これもさほど心配はいりません。
楽天モバイルユーザーが海外で国際通話・国際SMSを利用する場合、無料で使えるケースと料金が発生するケースがあります(詳細は後述)。楽天リンクには国際通話および国際SMSの国・地域別従量課金の利用限度額が2万円に設定されており、上限を超過すると利用停止されます。
OS標準の通話・メッセージアプリを使った場合も国・地域別従量課金が発生しますが、5000円を超過するごとに一時停止・アラート通知がおこなわれ、利用限度額の2万円を超過すると利用停止となります。つまり、楽天リンクと通話・メッセージアプリのそれぞれに2万円の利用限度額が設定されているため、それ以上の料金がかかってしまうことはないわけです。
飛行機内を含む90の国と地域で使える

楽天モバイルの海外ローミングは、90の国と地域で使えます(2025年5月時点)。
北米 | アメリカ(ハワイ)、アメリカ本土、カナダ、グアム、サイパン |
---|---|
アジア | インド、インドネシア、韓国、カンボジア、シンガポール、スリランカ、タイ、台湾、中国、パキスタン、フィリピン、ベトナム、香港、マカオ、マレーシア、ミャンマー |
オセアニア | オーストラリア、ニュージーランド |
中東 | アラブ首長国連邦、イスラエル、オマーン、カタール、クウェート、サウジアラビア、ヨルダン |
中南米 | グアテマラ、グアドループ、ブラジル、フランス領ギアナ、ペルー、マルティニーク、メキシコ |
アフリカ | アルジェリア、エジプト、ガーナ、タンザニア、チュニジア、南アフリカ、モザンビーク、モロッコ、レユニオン |
自身が所有している端末で現地の通信事業者を使えるかどうかは、楽天モバイルの公式サイトで確認できます。あらかじめ渡航先の対応状況を確認しておきましょう。

また、対象の航空会社・機体でも海外ローミングを利用できます。フライト中の機内でも毎月2GBの範囲内でデータ通信を利用できます。機内で使う場合も追加申し込みは不要です。
機内ローミングが利用可能な航空会社・機体
エアリンガス | エアバスA330 |
---|---|
アシアナ航空 | エアバスA350 |
ビーマンバングラデシュ航空 | ボーイング787 |
キャセイパシフィック航空 | エアバスA350 |
エジプト航空 | ボーイング787 |
エミレーツ航空 | ボーイング777 |
エティハド航空 | エアバスA350、ボーイング777、ボーイング787 |
エバー航空 | ボーイング777 |
ITA航空 | エアバスA330 |
クウェート航空 | ボーイング777 |
ルフトハンザ航空 | エアバスA330、エアバスA340、エアバスA350、エアバスA380、ボーイング747 |
マレーシア航空 | エアバスA350 |
SASスカンジナビア航空 | エアバスA330 |
シンガポール航空 | エアバスA350、ボーイング777、ボーイング787 |
スイスインターナショナルエアラインズ | エアバスA330、エアバスA340、ボーイング777 |
TAPポルトガル航空 | エアバスA330 |
トルコ航空 | エアバスA330、エアバスA350、ボーイング777、ボーイング787 |
ウズベキスタン航空 | ボーイング787 |

機内ローミングの設定方法(iPhoneの場合)
飛行機が離陸し、携帯電話利用禁止のサインが消えたら端末の機内モードをオフに切り替えます。モバイルデータ通信が「AeroMobile」に接続されているか確認してください。
海外ローミングの設定方法
楽天モバイルを海外で利用する場合、「出国前」「到着後」「帰国後」にそれぞれ設定が必要です。とはいえ複雑な操作ではなく、アプリで設定を切り替えるだけです。
【出国前】my楽天モバイルで「海外ローミング」をオンにする
出国前に、my楽天モバイルのWebページまたはアプリで海外ローミングの設定を切り替えます(ここではアプリを使った方法を紹介)。

my楽天モバイルアプリで設定する場合
方法は非常に簡単。「契約プラン」タブを開き、「国際」の欄にある「海外ローミング(データ通信)」をオンにするだけです。同設定は初期状態でオンになっているはずですが、念のため確認しておきましょう。
海外でOS標準の通話・メッセージアプリを利用する場合は「国際通話・国際SMS(海外でOS標準の電話アプリ・メッセージアプリ利用時)」、海外で楽天リンクを使って通話・メッセージを利用する場合は「国際通話・国際SMS」の設定がオンになっているかどうかも確認してください。
【到着後】端末の設定アプリで「データローミング」をオンにする
現地に到着したら、端末の設定アプリでデータローミング設定を切り替えます。


iPhoneの場合
iPhoneは[モバイル通信]→[モバイルデータ通信のオプション]と進み、「データローミング」をオンにします。



Androidスマホの場合
Androidスマホであれば、[ネットワークとインターネット]→[インターネット]→設定ボタン
と進み、「データローミング」をオンにします。Androidスマホの操作手順は機種やバージョンにより異なる場合があります。
【帰国後】海外ローミングの設定をオフにする
帰国したら、手順【1】と【2】の設定をそれぞれオフにします。

my楽天モバイルで「海外ローミング(データ通信)」の設定をオフに切り替えます。
「国際通話・国際SMS(海外でOS標準の電話アプリ・メッセージアプリ利用時)」と「国際通話・国際SMS」がオンであれば、これもオフにします。

iPhoneの場合

Androidスマホの場合
端末の設定アプリを開き、データローミングの設定をオフに戻してください。
国際通話・国際SMSにかかる料金
海外で通話またはSMSを利用する際は、基本的に専用アプリ「Rakuten Link(楽天リンク)」を使用します。楽天リンクを使えば一部の国際通話・国際SMSが無料となりますが、なかには料金が発生するケースもあります。
ここでは、楽天リンクを使った際に国際通話・国際SMSの料金が発生するケースを解説します。
通話料金:楽天リンクなら一部の国際通話が無料
国際通話する際は、基本的に楽天リンクを使用します。楽天リンクなら一定の条件を満たせば通話料金が無料となりますが、それ以外のケースでは国・地域別の従量課金が発生してしまいます。
国際通話の頻度が多いなら「国際通話かけ放題」のオプションに加入するのも選択肢のひとつです。
おもに楽天リンクを使用する場合
楽天リンクによる国際通話は、「発信側がいる国」「着信側がいる国」「相手が楽天リンクユーザーか否か」などの状況により料金が発生する場合があります。下図を参照してください。

日本→海外に発信する場合、相手も楽天リンクを使っていれば通話料金はかかりません。しかし、相手が楽天リンクを使用していないと、国・地域別の従量制通話料金が発生します。
海外→日本への発信は、相手が楽天リンクを使っているかどうかにかかわらず通話料金がかかりません。海外→海外への発信は、国・地域別の従量制通話料金がかかります(楽天リンクユーザー同士の通話は利用不可)。
また、楽天リンクユーザー同士の国際通話であれば着信側の料金は無料ですが、発信先の相手が楽天リンクを使用せずに着信した場合は着信側にも国・地域別の従量制通話料金がかかってしまう点には注意が必要です。
各国の通話料金
楽天モバイルの通話料金は、利用する国やアプリ(OS標準の通話アプリまたは楽天リンク)により異なります。
楽天リンク使用時の料金 | OS標準の通話アプリ使用時の料金 | ||||
---|---|---|---|---|---|
発信 | 着信 | ||||
滞在先の電話番号 | 日本の電話番号 | その他の国の電話番号 | |||
アメリカ本土 | 34円/30秒 | 185円/分 | 195円/分 | 280円/分 | 195円/分 |
ハワイ | 34円/30秒 | 185円/分 | 195円/分 | 280円/分 | 195円/分 |
グアム | 34円/30秒 | 利用不可 | |||
オーストラリア(※1) | 68円/30秒 | 115円/分 | 265円/分 | 280円/分 | 120円/分 |
タイ(※2) | 68円/30秒 | 75円/分 | 195円/分 | 265円/分 | 195円/分 |
ベトナム | 68円/30秒 | 80円/分 | 295円/分 | 295円/分 | 95円/分 |
シンガポール(※3) | 68円/30秒 | 80円/分 | 195円/分 | 270円/分 | 180円/分 |
フィリピン | 68円/30秒 | 75円/分 | 175円/分 | 265円/分 | 155円/分 |
韓国 | 57円/30秒 | 50円/分 | 190円/分 | 265円/分 | 95円/分 |
香港(※4) | 57円/30秒 | 110円/分 | 260円/分 | 265円/分 | 145円/分 |
台湾(※5) | 57円/30秒 | 185円/分 | 185円/分 | 185円/分 | 185円/分 |
中国 | 57円/30秒 | 75円/分 | 195円/分 | 265円/分 | 165円/分 |
イギリス | 108円/30秒 | 110円/分 | 260円/分 | 280円/分 | 155円/分 |
イタリア | 108円/30秒 | 80円/分 | 280円/分 | 280円/分 | 110円/分 |
スペイン | 108円/30秒 | 80円/分 | 180円/分 | 280円/分 | 110円/分 |
ドイツ | 132円/30秒 | 185円/分 | 185円/分 | 185円/分 | 185円/分 |
フランス | 108円/30秒 | 110円/分 | 260円/分 | 280円/分 | 155円/分 |
(※1)オーストラリア:Yes Optusは利用不可
(※2)タイ:DTAC、TRUE-H / TrueMove Hは利用不可
(※3)シンガポール:SGP-M1 / M1、Singtelは利用不可
(※4)香港:SmarTone HK / SMC HK / SMC HKは利用不可
(※5)台湾:Far EasTone / FETは利用不可
上記以外の国・地域の通話料金や国際電話のかけ方は楽天モバイルの公式サイトを参照してください。
「国際通話かけ放題」オプションに加入する場合

「国際通話かけ放題」オプション(月額980円)なら日本→海外、海外→海外、海外→日本の発信が無料となります。
日本→海外への発信は楽天リンクおよびOS標準の通話アプリどちらも国際通話がかけ放題となりますが、海外→海外または海外→日本への発信は楽天リンクを使用したときのみ無料です。
楽天リンクを使用した場合 | OS標準の通話アプリを使用した場合 | |
---|---|---|
日本→海外に発信 | 国際通話かけ放題 | 国際通話かけ放題 |
海外→海外に発信 | 国際通話かけ放題の対象外 | |
海外→日本に発信 |
SMS送信料:iOSとAndroidで料金の仕組みが異なる
楽天モバイルで国際SMSを利用した際に料金が発生するかどうかは、iOSとAndroidで大きく異なります。
iOSの場合

海外にSMSを送信する際に注意すべきは、iOS版の楽天リンクアプリでは相手も楽天リンクユーザーでない限り国際SMSを送受信できないという点です。
海外からSMSを送信し、送信側・受信側の双方が楽天リンクを使用していたケースのみ送受信可能(無料)ですが、それ以外のケースはiOS標準のメッセージアプリで送信しなければなりません。
iOS標準のメッセージアプリで送った際の送信料は下記の通りです。1通分=100円(不課税)の国・地域別従量課金が発生します(一部の国・地域は利用不可)。
- 全角
- 1~70文字:1通分
- 71~134文字:2通分
- 135~201文字:3通分
- 202~268文字:4通分
- 269~335文字:5通分
- 336~402文字:6通分
- 403~469文字:7通分
- 470~536文字:8通分
- 537~603文字:9通分
- 604~670文字:10通分
- 半角のみ
- 1~160文字:1通分
- 161~306文字:2通分
- 307~459文字:3通分
- 460~612文字:4通分
- 613~765文字:5通分
- 766~918文字:6通分
- 919~1071文字:7通分
- 1072~1224文字:8通分
- 1225~1377文字:9通分
- 1378~1530文字:10通分
Androidの場合

Androidでは、送信側・受信側の双方が楽天リンクを使用していればSMSの送信料は無料です。また、海外→日本へのSMS送信は、相手が楽天リンクを使用しているかどうかにかかわらず料金はかかりません。
相手が楽天リンクを使用していない場合、対象の国・地域であれば送信料は無料です。それ以外の国から楽天リンクで国際SMSを送ると、国・地域別従量課金が発生します。
アイスランド、アイルランド、ハワイ、アメリカ本土、アンドラ、イギリス、イタリア、インド、インドネシア、エストニア、オーストラリア、オーストリア、オランダ、カナダ、カンボジア、韓国、キプロス、ギリシャ、グアドループ、グアム、クロアチア、サイパン、ジブラルタル、シンガポール、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、タイ、台湾、チェコ共和国、中国、デンマーク、ドイツ、トルコ、ニュージーランド、ノルウェー、ハンガリー、フィリピン、フィンランド、ブラジル、フランス、フランス領ギアナ、ブルガリア、ベトナム、ペルー、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、香港、マカオ、マルタ、マルティニーク、マレーシア、南アフリカ、ミャンマー、メキシコ、モロッコ、ラトビア、リトアニア、リヒテンシュタイン、ルーマニア、ルクセンブルク、レユニオン、ロシア
(※)2020年3月3日時点
国・地域別従量課金(Androidの場合)
Androidで国際SMSの国・地域別従量課金が発生する場合、楽天リンクとAndroid標準のメッセージアプリでそれぞれ金額が異なります。
楽天リンクを利用する際は対象の国・地域であれば無料ですが、それ以外の国・地域では国・地域別従量課金が発生します。国・地域別従量課金は1通分=100円(不課税、一部の国・地域は利用不可)です。
楽天リンク(対象の国・地域以外) |
(※)全角・半角は問わない |
---|---|
Android標準メッセージアプリ |
|