OCNモバイルONEからLINEMOへ乗り換え前に確認、メリット・デメリットまとめ

乗り換えで後悔しないために知っておきたいこと

本記事では「OCNモバイルONE」を利用している人向けに、「LINEMO(ラインモ)」へ乗り換える際のメリットやデメリットをまとめて紹介します。

事前にチェックしないと、今まで使っていたサービスが利用できなくなったり、料金が割高になったりするので注意が必要です。見落としがちなポイントも含めて解説しているので、乗り換えを検討している人は参考にしてみてください。

目次

OCNモバイルONEからLINEMOに乗り換えるのはアリ? 両サービスを一覧表で比較

最初に、OCNモバイルONEとLINEMOそれぞれの特徴を以下の表にまとめてみました。

OCNモバイルONEとLINEMOの比較
  OCNモバイルONE LINEMO
500MG(0.5GB) 550円 -
1GB 770円 -
3GB 990円 990円
6GB 1320円 -
10GB 1760円 -
20GB 4807円(新規受付は終了) 2728円
通話料金(従量制) 11円/30秒 22円/30秒
通話料金(かけ放題)
  • 1430円/時間無制限
  • 935円/1回10分以内
  • 1650円/時間無制限
  • 550円/1回5分以内
通信制限中の速度 最大200kbps
  • スマホプラン:最大1Mbps
  • ミニプラン:最大300kbps

OCNモバイルONEは、音声対応SIMカードの内容を記載。価格はすべて税込表記です。

低容量プランで考えると、両者の利用料金にあまり大きな差はありません。むしろ毎月のデータ使用量が3GB以上20GB未満の人は、中間容量がないLINEMOに乗り換えると支払い料金が増えてしまいます。

しかし、20GB大容量プランで比較すると、LINEMOのほうが2000円近く安い料金で利用できます。データ使用量が頻繁に10GBを超える人は、LINEMOへの乗り換えを検討する余地があるでしょう。

仮に20GBを使い切ってしまっても1Mbpsの速度で通信できるので、データ使用量の変動が大きい人にもおすすめです。

OCNモバイルONEとLINEMOのその他サービス比較表
  OCNモバイルONE LINEMO
支払方法 クレジットカード
  • クレジットカード
  • 口座振替
フィルター機能 1台まで275円、5台まで500円 0円
データ繰り越し ×
データシェア ×
スマホセット販売 ×
解約金 0円 0円
MNP転出手数料 0円 0円
契約事務手数料(初期費用) 3300円 0円

価格はすべて税込表記

サービス内容や手数料もチェックしておきましょう。まず、家族割りや長期契約割りは両方用意されていません。解約金やMNP転出手数料も発生しないため、気軽に乗り換えができます。

違いがあるのは、データ容量の繰り越し/シェアサービスです。OCNモバイルONEでは、当月に余ったデータ容量を翌月末まで繰り越せるため、データ量を余すことなく使えて、速度にかかる頻度も減らせました。LINEMOには、こういった繰り越しサービスは用意されていません。

支払い方法にも違いがあります。OCNモバイルONEはクレジットカードのみですが、LINEMOは他に口座振替も利用できます。口座振替に切り替えたい人にとっては嬉しいポイントでしょう。

OCNモバイルONEからLINEMOへ乗り換えるメリット・デメリット

OCNモバイルONEからLINEMOに乗り換える際に考えられるメリット・デメリットを紹介します。それぞれの特徴と自分の状況・優先事項を照らし合わせて、乗り換えるべきかの判断材料にしてください。

メリット1:通信速度が安定する(お昼や夕方でも速度が大きく変わらない)

OCNモバイルONEの通信イメージ

OCNモバイルONEは、NTTドコモから通信回線の一部を間借りして、契約者にサービスを提供しています。あくまで一部しか使えないのでキャリアの通信回線と比べると帯域幅が狭く、回線が混み合いやすい傾向があります。

そのため、大勢の人が一斉にスマホを利用する時間帯(昼や夕方)や、都市部や駅の構内など人が多く集まる場所では通信速度の低下が起こることがあるのです。

LINEMO通信イメージ

一方、LINEMOはソフトバンク回線を借りるのでなく、そのまま使えます。通信の品質はソフトバンクユーザーと変わりません。

帯域幅に余裕があるので、ユーザーが増える時間帯や場所でも速度の低下が起こりにくくなります。1車線を10人が通るよりも、2車線で5人ずつ通るほうが到着が速くなるのと同じようなイメージです。

メリット2:大容量プランを割安で利用できる

OCNモバイルONEは、どちらかというとデータ量をあまり消費しないライトユーザー向けの料金体系となっており、20GB以上の大容量プランはかなり割高です。

OCNモバイルONEとLINEMOの大容量プラン比較表
OCNモバイルONE LINEMO
20GB 4807円 2728円
30GB 6897円 -

価格はすべて税込表記。月間20GBおよび30GBのコースは、2021年4月1日より新規申込の受付を停止しています。また、2021年9月29日をもって20GBおよび30GBコースへの変更申し込み受付も終了しますが、契約中のユーザーは引き続き利用できます。

同じ20GBのプランで比較しても、LINEMOのほうが2000円近く安く利用できます。 OCNモバイルONEで20GB以上のコースを契約しているなら、LINEMOへ乗り換えることで大幅に利用料金を抑えられるでしょう。

さらに、OCNモバイルONEでは20GB・30GBコースは廃止されてしまったので、大容量プランへの変更はできません。データ使用量が10GBを超過することが多いなら、LINEMOへの乗り換えをおすすめします。

メリット3:スマホプランなら速度制限後も十分な速度で通信できる

LINEMOでもOCNモバイルONEでも、所定のデータ量を使い切るといわゆる「速度制限」がかかり、インターネット通信のスピードが低下します。

通信制限後の速度

OCNモバイルONEで月の所定データ量を超えた場合、通信速度が最大200kbpsに低速化してしまいます。一般的なMVNOサービスの制限速度は128kbpsなのでそれよりもわずかに早いですが、画像の読み込みや動画の再生時にもたつくことがあります。

その点、LINEMOのスマホプランなら、20GBを使い切っても送受信時最大1Mbpsで通信できます。1Mbpsは、200kbpsの約5倍の速度です。検索やSNSの閲覧はもちろん、動画の視聴でもさほどストレスなくおこなえるでしょう。

ミニプランの制限中の速度は300kbsp

速度制限中に最大1Mbpsで通信できるのは、LINEMOのスマホプラン(月額2728円)のみ。月額990円の「ミニプラン」で規定のデータ量(3GB)を超過した後は、300kbpsに速度が制限されます。

メリット4:LINEのデータ消費量がカウントされない

「LINEMO」と銘打っているだけあって、LINEMOにはLINEユーザー向けの特典・サービスがたくさん用意されています。

LINEギガフリー イメージ

そのひとつが、スマホプラン/ミニプランに組み込まれている「LINEギガフリー」です。

LINEのトーク送受信、音声・ビデオ通話など対象サービスは、どれだけ使ってもデータ通信量を消費しません。規定のデータ量超過後も、LINEだけは高速通信のまま使い続けられるというわけです。

LINEギガフリー「対象」の機能
  • 各タブトップの表示
  • 音声通話・ビデオ通話
  • トーク(テキスト・音声・スタンプ・画像・動画・ファイル)などの送受信
  • 「みんなで見る」機能による画面シェア
  • 各トークにおける設定・アルバム・ノートなどの表示・設定
  • タイムラインの表示・投稿・シェア
  • ディスカバーの表示
  • ウォレットタブでのLINE Pay利用
  • ウォレットタブでのLINE家計簿の利用
  • 友だち追加画面の表示・設定・友だち追加
  • プロフィールの表示・編集・投稿・検索
  • 設定および各項目の表示・編集

日常のほとんどの連絡をLINEで済ませている人には、嬉しいサービスです。

もちろん、トークや通話では相手もデータ容量を消費するので配慮は必要ですが、よく連絡する家族や恋人と一緒に加入すれば、よりデータ量の節約が見込めるでしょう。

また、LINEスタンプ使い放題のサブスク「LINEスタンププレミアム」の加入者には、毎月LINEポイント240Pを付与するという嬉しい特典も。月額料金がちょうど月額240円のベーシックコースなら、実質無料で使えます。

デメリット1:データ容量をあまり消費しない人はLINEMOのほうが割高

データ容量をあまり消費しない人は、OCNモバイルONEからLINEMOへ乗り換えると料金が割高になる可能性もあるので注意してください。

OCNモバイルONEとLINEMOの月額料金比較表
OCNモバイルONE LINEMO
500MG(0.5GB) 550円 -
1GB 770円 -
3GB 990円 990円
6GB 1320円 -
10GB 1760円 -
20GB 4807円(新規受付は終了) 2728円
30GB 6897円(新規受付は終了) -

OCNモバイルONEは、音声対応SIMカードの内容を記載。価格はすべて税込表記。

LINEMOに用意されているのは、20GBの「スマホプラン」と3GBの「ミニプラン」の2種類。シンプルで分かりやすいのは魅力ですが、中間的な容量プランが用意されていないのは気になるところです。3GB以上20GB未満のプランが選択できないので、結果的にデータ量を持て余して損をしてしまう可能性があります。

一方、OCNモバイルONEは0.5GB〜30GBまで6種類のプランが提供されています。過不足なく適切な容量を選択できるので、無駄にコストがかかってしまうこともありません

自宅やオフィスなどでは、Wi-Fiに接続するためにあまりデータ通信量を消費しないという人も多いはず。自身のデータ通信量を確認したうえで、乗り換えを検討するのがいいでしょう。

デメリット2:通話料金はOCNモバイルONEが安い

OCNモバイルONEもLINEMOも、通話料金込みのプランは存在しません。基本的には、どちらも通話時間に応じて料金が加算される「通話従量制」です。

OCNモバイルONE LINEMO 通話量比較

この点、LINEMOの国内通話は22円/30秒ですが、OCNモバイルONEは11円/30秒と半額です。通話従量制のまま使うなら、OCNモバイルONEのほうが断然お得だといえるでしょう。

これまでOCNモバイルONEの国内通話料が半額になるのは「OCNでんわ」アプリからの発信に限定されていました。しかし、2021年4月7日から標準の電話アプリからの発信でも11円/30秒で通話できるようになっています。

OCNモバイルONE かけ放題プラン

時間無制限のかけ放題オプションで比較しても、OCNモバイルONEのほうが若干割安です。

OCNモバイルONは月額1430円で国内通話が時間無制限でかけ放題。対してLINEMOの時間無制限かけ放題アプションは月額1650円なので、OCNモバイルONEのほうが220円安く利用できます。

OCNモバイルONEとLINEMO 比較

とはいえ、LINEMOは1回5分以内の通話がかけ放題の「通話準定額」も提供しており、こちらは月額550円で利用可能です。OCNモバイルONEは1回10分かけ放題が月額935円なので、通話時間が5分以内も収まりそうな場合はLINEMOのほうが料金を安く抑えられるでしょう。

またOCNモバイルONEでは、かけ放題プランを適用させるのに専用アプリ「OCNモバイル」を使う必要がありますが、LINEMOならどの電話アプリを使ってもかけ放題が適用されます。通話機能の使い勝手の良さで選ぶなら、LINEMOのほうがおすすめです。

デメリット3:データ容量の繰り越しやシェアができない

データの繰り越し イメージ

OCNモバイルONEでは、当月に余ったデータ容量を翌月末まで繰り越せます。また、主回線のデータ容量を最大5枚のSIMカードで共有できるため、家族や恋人同士でデータをシェアすることも可能です。

LINEMOには、こうしたデータ繰り越し機能やデータシェア機能はありません。

毎月のデータ消費量にムラがある人にとっては、繰り越しやシェアでデータ量を余すことなく使えるOCNモバイルONEのほうが使いやすいかもしれません。

デメリット4:手持ちのスマホがLINEMOで使えない可能性がある

OCNには、回線の契約と合わせて端末をお得な価格で購入できるスマホセットサービスがあり、割引価格や1円で手に入る中古スマホが用意されています。機種にあまりこだわりがなく、「とりあえずスマホを持てればよい」という人にはありがたいサービスでしょう。

一方、LINEMOはSIM(eSIM・SIMカード)のみを販売しており、端末をセットで購入することができません。そのため乗り換えの際は、手持ちの端末がLINEMOで動作確認ができているかどうかが、非常に重要なポイントとなってきます。

手持ちのスマホがiPhoneの場合

Apple マーク

公式サイトの動作確認端末を確認したところ、iPhoneなら「6s」以降の全機種がLINEMOに対応していました(iPhone 13含む)。なお、ドコモ/au/ソフトバンクいずれで購入していても、動作確認の結果は同じです。

手持ちのスマホがAndroidの場合

Android マーク

Androidスマホだと、動作確認済みの端末がかなり限られてしまうので要注意です。ソフトバンク・ワイモバイルの販売機種については動作確認済みが多いものの、ドコモ・au販売の端末、SIMフリー端末はほとんど動作確認が済んでいません。

自分のスマホがLINEMOで利用できるか、必ず事前に公式サイトの動作確認端末でチェックしてください。

Androidスマホは購入したキャリアによって動作確認の結果が変わる

iPhoneと違い、Androidスマホはどのキャリアで購入したかによって、動作確認の結果が変わってきます。

というのも、通信会社はそれぞれに異なる周波数が国から割り当てられています。キャリアモデルのAndroidスマホは、そのキャリアの周波数にぴったり対応した仕様になっているので、他キャリア回線の周波数を掴めない可能性があるのです。まったく使えないことはないかもしれませんが、周波数の関係で繋がりづらくなるリスクがあります。

ドコモとauが販売するAndroidスマホは、現時点ではLINEMOで動作確認済みのものはありません。ドコモ・auで購入したAndroidスマホは、ひとまず避けるのが無難でしょう。

EDITED BY
MOEGI