Nothing「CMF Phone 1」レビュー 良心的な価格で高いデザイン性、気になる性能は?

背面カバーを交換できるなどカスタム性がウリ

手頃な価格で素敵なデザインの製品を展開する英Nothingのサブブランドである「CMF」から、Androidスマートフォン「CMF Phone 1」が2024年9月26日に新登場。これまでイヤホンなどをリリースしてきましたが、ついにスマホも買えるようになりました。

今回はこの新製品「CMF Phone 1」をレビューしていきます。Nothingのメーカー公式直販サイトとMVNOのIIJmioで販売されます。

CMF Phone 1
CMF Phone 1
ブランド
CMF by Nothing
発売日

同梱のケーブルなどにもこだわりが見える

CMF Phone 1は、他のCMFの製品同様にコスパが高く、デザインにこだわったモデルです。背面のカバーを着せ替えできるという、あまり見られないコンセプトを採用しているので、その点を中心にチェックしていきます。

なお、価格は記事執筆時(2024年10月23日現在)で4万4800円となっています。

箱の中身一式はこんな感じ

今回レビューするCMF Phone 1。同梱物一式はこんな感じ

Nothingの製品らしく、CMF Phone 1も箱を開けて内容物を見た時点でほかのスマホとはひと味違っていると感じます。

SIMトレーを外すピンはオレンジ色と凝ったもので、ケーブルも質感の良いものが付いてきます。充電器などは別売されており、揃えていくとNothingやCMFっぽい世界が出来上がるわけです。

今回借りたモデルはブラック。ほかにオレンジとライトグリーンがある

今回借りたモデルはブラック。ほかにオレンジとライトグリーンがある

テーマになっているカラーは黒と白、グレー、オレンジ。モノトーンの世界にオレンジ(Nothingの場合は赤)がアクセントになります。もちろん、Nothingの製品と組み合わせて使ってもイメージは揃うでしょう。

ホーム画面などのデザインもオリジナルでできる

ホーム画面などのデザインもオリジナルでできる

Nothing製のイヤホンを接続する際にもオリジナルの画面で統一感がある

Nothing製のイヤホンを接続する際にもオリジナルの画面で統一感がある

ホーム画面やアイコンなどのカスタマイズも専用の素材が大量に用意されており、どれを選んでも“らしい”デザインに。別売の有料・無料の素材もたくさんあるのでカスタマイズして楽しめます。

大画面ながら比較的軽量、性能はごく一般的

CMF Phone 1は、MediaTek Dimensity 7300という中級クラスのチップを搭載。メモリは8GBですが、RAMブースターで最大16GBまで増やせます。ストレージは256GBと一般的です。

ベンチマークのスコアは中のやや下といったところ

ベンチマークのスコアは中のやや下といったところ

性能は中のやや下くらいなので、普段使いにはストレスを感じることがないものの、ヘビーなゲームをするにはおすすめしません。

画面サイズは6.67インチとかなり大きく、額縁は少し太めではあるものの、気になるほどではありません。120Hz駆動で、ピーク時2000ニトと非常に明るいので、昼間の屋外でも利用してみても見やすく感じました。

本体は比較的軽い

本体は比較的軽い

注目すべきは、この大画面モデルながら197gもしくは200gと比較的軽い点です。200gは、仕上げがヴィーガンレザーのタイプになります。

バッテリー容量は5000mAhと一般的で、急速充電も33W。ディスプレイ内蔵指紋センサーを採用していますが、おサイフケータイがないのが最大の弱点です。

背面のカバーを交換できるが着脱に難儀

カバーと同梱物。付属のドライバーなど結構こだわっている

カバーと同梱物。付属のドライバーなど結構こだわっている

CMF Phone 1は、背面のカバーを交換できるのが最大の特徴でしょう。

背面はプラスチック製ですが、質感が良くてチープには感じません。別売(買い方によっては付属)のカバーと交換して、自分らしい一台にカスタマイズすることができます。

まずSIMトレーやネジを外す

まずSIMトレーやネジを外す

苦労してカバーを取り外した

苦労してカバーを取り外した

交換するためにはまずSIMトレーを外します。続いて背面右下にある円形のダイヤルを取り外し、さらにネジを4つはずします。これでようやくカバーを取り外せるのですが、ここまでで結構大変です。

イラストだけ見れば作業できる。だが、カバーを外すのは苦労する

イラストだけ見れば作業できる。だが、カバーを外すのは苦労する

外し方のマニュアルも英文ではあるものの用意されているのですが、そのとおりに作業してみても簡単には取れませんでした。何度も試してみましたが、結局慣れることなく苦労しました。

ネジを合計5つも外すのですから、その後のカバーの脱着はコツなど掴まなくても簡単にできるようにして欲しいところ。さもないと気軽に着せ替えをする気にはなれません。

逆の手順で別の色のカバーを装着。違うモデルのように表情が変わる

逆の手順で別の色のカバーを装着。違うモデルのように表情が変わる

CMF Phone 1は、背面カバーを交換できることからわかるように基本的にはケースを使わないで利用すべきモデルです。そう考えると、大画面ながら非常に軽いと考えられます。仮にケースが傷だらけになっても自分で取り替えられるので、ガラスフィルムだけ貼りつけて使えばよいわけです。

ケースはネジまでセットになっていてかなりよくできているのですが、4980円とちょっと高いのがネックです。

カバー以外にも魅力的なアクセサリーが複数用意されている

ケース以外にも取りつけられるアクセサリーがいくつか用意されています。

CMF Phone 1スタンドは、動画視聴に便利

CMF Phone 1スタンドは動画視聴に便利

CMF Phone 1スタンド(1980円)は、本体裏の円形のネジを取り外して、そこにねじ込んで使う折りたたみタイプのスタンドで、動画を見るときに重宝しそうです。

CMF Phone 1ストラップは質感がよく、一番のおすすめ

CMF Phone 1ストラップは質感がよく、一番のおすすめ

CMF Phone 1ストラップ(2980円)は、結構太めの紐状のストラップ。なかなか素敵で、思わず欲しくなりました。

CMF Phone 1カードフォルダーはちょっとスマートさに欠ける

CMF Phone 1カードフォルダーはちょっとスマートさに欠ける

CMF Phone 1カードケース(2980円)は、まず板のようなベースをスマホの背面に取りつけ、そこに磁石でくっつくカードケースを取りつけます。MagSafeに比べるとスマートさに欠けるのが残念ですが、iPhone以外が採用していないところをみると特許でもあるのでしょうか。ちなみにカードは3枚まで入ります。

どれもデザインはいいのですが、個人的には少し値段が高く感じました。とはいえ、他の製品では代えがたい魅力を持っているので揃える価値はあるでしょう。もとい、アクセサリーを使わないならCMF Phone 1を手に入れる意味があまりないと思います。

他のNothing製品をみると売り切れになっているアクセサリーが目立つので、欲しい人は急いだほうがいいかもしれません。また2024年10月31日までに本体を購入すると、ケースが1つとアクセサリーのどれか1つがプレゼントされます(なくなり次第終了)。

カメラはシングルだが普通に満足できる

カメラは、ソニー製の50メガピクセルを採用しています。f1.8で明るく美しい写真が撮れますが、基本的にはシングルカメラなのでスナップ用です。

撮影モードは標準と2倍望遠の2種類。望遠はデジタルのはずですが、超広角は撮れません。動画は4K30fpsまで撮影できるので、カメラや動画の性能にあまりこだわらない人には十分なスペックでしょう。ただし、超広角や望遠を撮りたい人には物足りないので理解してから手に入れてほしいところです。

今回は、例としてiPhone 16 Proと比較してみましたが、撮影した範囲内の写真は見劣りすることはありませんでした。逆に言うなれば、iPhone 16 Proが対応している超広角や光学5倍ズームはCMF Phone 1では撮れません。

iPhone 16 Pro

標準の写真はどちらもきれいで、甲乙つけがたい。色合いはiPhone 16 Proが濃厚だ

iPhone 16 Pro

2倍ズームを比べた。こちらもどちらも美しいが、CMF Phone 1は拡大するとアラが目立つ

iPhone 16 Pro

ポートレートは両モデルとも素晴らしい

まとめ:個性的なスマホでカスタマイズを楽しみたい人におすすめ

自分らしさをとことん追求できる唯一無二のスマホ

自分らしさをとことん追求できる唯一無二のスマホ

CMF Phone 1は、デザインが魅力的なスマホです。価格も4万4800円と良心的ですが、スペックを考えるとすごく安いわけではありません。性能を考えるなら、Nothing Phone(2a)を5万5800円で買ったほうがおすすめです。カメラも超広角がついていますし、おサイフケータイも利用できます。

CMF Phone 1は、デザインと着せ替えやアクセサリーの取りつけのカスタマイズ性に魅力を感じる人向けのモデルといっていいでしょう。ユーザーを選びますが、このように個性的なスマホはなかなかないので、高く評価します。ただ、ドコモなどのプラチナバンドに非対応など、バンドの対応がSoftbank以外はいま一歩な面があるので、購入する前に一度確認することをお勧めします。

CMF Phone 1
CMF Phone 1
ブランド
CMF by Nothing
発売日
EDITED BY
MATSUBA