ヤフーは2023年7月14日、「ヤフオク!」と「PayPayフリマ」のサービス名称を、2023年秋に「Yahoo!オークション」と「Yahoo!フリマ」に変更すると発表しました。
ヤフオク!は、1999年に開始された老舗サービスで、日本国内における代表的なオークションサービスとして提供されています。一方のPayPayフリマは、2019年に提供開始となった比較的新しいサービス。PayPayと連携し、各種キャンペーンなどでユーザーへの訴求をおこなっています。
2023年秋から、「ヤフオク!」は「Yahoo!オークション」に、「PayPayフリマ」は「Yahoo!フリマ」に改名されます。いずれも「Yahoo!」をサービス名に冠し、ヤフーブランドに統一されることになります。ヤフオク!は、2013年に「Yahoo!オークション」から「ヤフオク!」に名称変更されているため、次の改名で元のサービス名称に戻ることになります。
ヤフーはブランド統一によって、両サービスの連携の強化を図るとしており、複数の新機能のアップデートも予告されています。なお、サービスの改名後も各種手数料の変更はありません。

「Yahoo!フリマ(PayPayフリマ)」と「Yahoo!オークション(ヤフオク!)」のデザインが共通に
ヤフオク!とPayPayフリマの共通アップデートとして、匿名配送の拡充とデザインのリニューアルが実施予定です。デザインのリニューアルでは、それぞれのサービスで表示する各情報やボタンなどを共通のレイアウトとして、それぞれのサービスにおけるシームレスな購入体験を目指します。

Yahoo!オークション(ヤフオク!)上で、Yahoo!フリマ(PayPayフリマ)の商品を検索・購入できる
また、各サービスの個別のアップデートも実施されます。ヤフオク!では、2023年10月からPayPayフリマの商品がヤフオク!上で検索・購入可能になります。これまでもヤフオク!からPayPayフリマへの同時出品は可能だったところに、さらなるサービス連携機能が盛り込まれる形です。
PayPayフリマでは、動画出品の縦型対応や、グッズ交換機能Android版の対応を予定しています。

ヤフオク!とPayPayフリマは、人気商品カテゴリや商品単価が大きく異なる
サービスの改名やデザインのリニューアルなどで、両サービスを近づけるのには将来的なサービス統合の狙いもうかがえます。ただ、ECサイトとして重複していた「Yahoo!ショッピング」と「PayPayモール」の統合とは異なり、ヤフオク!とPayPayフリマはオークションとフリマでサービス内容が明確に異なります。また、各サービスの人気商品カテゴリと商品単価に見られるユーザー層の違いからも、強引な統合はユーザーの離脱を引き起こすリスクもあるでしょう。
一方でヤフオク!は、フリマとしての出品も可能で、PayPayフリマへの同時出品にも対応しています。今後、PayPayフリマ上の商品もヤフオク!で購入できるようになれば、PayPayフリマでなければできないことが少なくなっていきます。このように徐々にヤフオク!によるPayPayフリマの取り込みを進めていき、最終的にはヤフオク!(Yahoo!オークション)に一本化するのでは、という見方もできます。