Twitterがツイート閲覧を一時的に大幅制限、未認証なら1日600件 「Twitter終了」「Twitterダメ」などの声がTLにあふれる

認証済みアカウントは1日あたり6000件まで

「Twitter終了」「Twitter復活」「Twitterマジ」「Twitterダメ」「API制限」「Twitter不具合」「Twitter障害」──。Twitterに関してこれだけ不穏なキーワードがトレンド上で飛び交ったことはなかったのではないでしょうか。

Twitterのイーロン・マスク氏は2023年7月2日、ツイートの閲覧件数を大幅に制限する一時的な措置を実施したと発表しました。理由は「極端なレベルのデータスクレイピングとシステム操作に対処するため」とのことです。

発表当初、閲覧できる投稿数の制限は以下のとおりだとされました。

  • 認証済みアカウントは1日あたり6000件まで
  • 未認証アカウントは1日あたり600件まで
  • 新規の未認証アカウントは1日あたり300件まで

数百から数千のアカウントをフォローしているユーザーであれば、すぐに超過してしまうほどの厳しい制限です。

その後、制限を緩和するとの追加で発表しています。

  • 認証済みアカウントは1日あたり8000件まで
  • 未認証アカウントは1日あたり800件まで
  • 新規の未認証アカウントは1日あたり400件まで

昨年来、イーロン・マスク氏が買収したTwitterではさまざまな”改革”がおこなわれてきましたが、直近の変更はかなり過激なものです。

  1. 3月30日:開発者向けのAPI利用が有料に
  2. 6月28日:フォロワー/フォローのAPIが(有料サービスであるにもかかわらず)事前予告なく、利用できなくなる
  3. 6月30日:非ログインユーザーに対する一時的なTwitter閲覧制限を開始。ログインしていないとログイン画面が表示され、ツイートを見られないように
  4. 7月1日前後:「API呼び出しの回数制限を超えました」と表示されるユーザーが続出
  5. 7月2日:一時的な投稿閲覧数の制限を発表

TwitterのAPIを利用する開発者に対する締め付けだけでなく、ログインしていないユーザーはTwitterを閲覧できなくなる制限を設けるなど、Twitterを育んできたエコシステムの価値が低下しつづけています。かつては外部の開発者たちがサードパーティ製クライアントを開発することで、Twitterのユーザー数拡大に大きく寄与しました。今ではTwitter本体に取り込まれた画像投稿の機能は、元はサードパーティの外部サービスが先行して提供していました。インターネットの利用者であれば、ログインしていなくてもTwitterを閲覧できる状況が当たり前でした。

今では全てが失われつつあります。

6月末にログインしないとTwitterを閲覧できなくしたことに関して、マスク氏は「一時的な緊急措置」「数百の組織 (おそらくそれ以上) が Twitter データを非常に積極的にスクレイピングしており、実際のユーザー体験に影響を与えるほどだった」と説明しています。スクレイピングとは、サービス外部からサービスにアクセスし、サービス内の情報を機械的に取得する行為。現状、Twitterのサービスに大きな負荷がかかっているのは事実なのでしょう。一方、開発者向けのAPIを制限して有料化することで、Twitter自身がスクレイピングに拍車をかけているため、モグラ叩きゲームの様相を呈しているとも思えます。

Twitterは今回、Twitterを活用していればいるほど厳しくなる制限をユーザーに課しました。有料のTwitter Blueを利用していても、たったの6000件です。タイムラインで6000件以上のツイートを表示しているユーザーは少なくないでしょう。Twitterタイムラインでは制限がかかったと報告するユーザーが多数見受けられます。

今回の投稿閲覧制限は「一時的」とは言うものの、Twitterの価値を大きく毀損する制限であることに疑いの余地はありません。愛用していればいるほど拒否されるサービスになってしまうとは、筆者はさすがに想定していませんでした。

EDITED BY
AC