ついに「Face ID」がマスク対応へ iOS 15.4 betaの新機能

コロナ禍での感染予防と使い勝手の両立に苦しめられました

iPhone/iPadの顔認証システム「Face ID」がマスク着用に対応するようです。iOS 15.4 betaに機能が搭載されていることが分かりました。YouTuberのBrandon Butch氏が伝えています。

マスク着用時にFace IDを有効にする設定は、「設定」アプリ→[Face IDとパスコード]に追加されます。

設定画面では「Face IDは、顔全体を認識する設定にしたときのみ、もっとも精度が高くなります。マスクをしているときにFace IDを使うために、iPhoneは目の周りの特徴的な部分を認識して認証します。マスクをしながらFace IDを使うためには、iPhoneに目を向ける必要があります」(筆者訳)と説明されています。精度は下がるものの、ユーザーの目の周りの特徴だけでFace ID認証を実行できるようになるということで、マスク着用時のFace IDは”目の周り認証”と呼んで差し支えない認証機能となるようです。

Face IDがマスク着用時にも対応するように機能が変更される理由は、言うまでもなくコロナ禍のためでしょう。Face IDの失敗を回避するためにマスク着用を避けることによる感染リスク増大と、Face IDをマスク対応させることで精度を欠いてセキュリティが低下するリスクを天秤にかけたとき、後者を許容することをAppleは選択したことになります。苦しい決断です。

これまでのFace IDは通常、マスクを着けていると機能しませんでした。そのため、マスク着用時にもFace IDを機能させようとするハックが流布したり、iOS 13.5/iPadOS 13.5でFace ID認証失敗時に即座にパスコード入力画面を表示できるように機能が変更されたりと、ユーザーもAppleもコロナ禍で苦心してきました。

またiOS 14.5/watchOS 7.4でApple WatchによってiPhoneのロックを解除できるようになったものの、解除の確実性や速度の点で必ずしも満足できる水準に達していたとは言えませんでした。とくにApple Watchで画面ロックを確実に解除できるわけではない事実は、ロック解除のたびに「解除されるかどうかを待つ」「解除されればOK」「解除されなければパスコードを入力する」という判断を迫ることになるので、ちょっとしたストレスになっていたユーザーは多いのでは。

iOS 15.4の一般リリース日は分かりません。マイナーバージョンアップのリリースは事前に予告されないのが通例。まだ最初のベータ版が配信されたばかりなので、ユーザーがマスク対応したFace IDを利用できるようになるのは、しばらく先になりそうです。

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AC