スマホでフルHD動画を快適に見られる時代到来、ドコモがH.265(HEVC)のデコードソフトライセンスを提供へ

2013-02-05 23:35
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2013年2月4日、ドコモは、新動画圧縮規格H.265HEVC)の復号(デコード)ソフトのライセンス提供を3月中に開始することを発表した。

H.265(HEVC)とは、動画圧縮の新しい規格で、現在広範に利用されているH.264(MPEG-4 AVC)の後継規格。H.264の2倍程度の圧縮性能を有する。今回ドコモが提供するソフトは、H.265(HEVC)によって圧縮した動画を、スマートフォンやPC上で元に戻す(デコードする)ものだ。

スマホ・タブレットではWVGA(800×480 30fps)、フルHD(1920×1080 30fps)の再生に対応し、PCでは加えて4K(3840×2160 60fps)再生にも対応する。コマ落ち、遅延を無くし、滑らかな動画再生を可能とするとのこと。スマホでのフルHD再生に対応したデコードソフトの提供は世界初。

H.265デコードソフトのライセンス提供の背景

このライセンス提供の背景としてあるのが、モバイル端末による動画再生の飛躍的増加とモバイル端末ディスプレイの画面解像度の向上だ。

TYouTube動画

まず、ここ数年でスマートフォンが着実に普及してきており、それとともにYouTube動画を始めとした動画コンテンツをストリーミング再生する機会が多くなっている。そのため、配信動画コンテンツをストレスなく視聴できるようにすることと、モバイル通信の帯域確保のために動画トラフィックを削減することが重要な課題となってくる(2016年末には、すべてのモバイル通信量のうち70%を動画トラフィックが占めると予測されている。)。

また、近年のモバイル端末ディスプレイのフルHD化が動画トラフィックを増加させる方向に働く要因になっている。動画コンテンツの高画質化が求められるからだ。例えば、2013年のドコモのスマートフォン春モデルでは、5端末がフルHD以上のディスプレイを搭載している。

そのため、動画の品質の高さを維持しつつ従来よりもさらに動画データ量を削減できるH.265(HEVC)の利用が、これから進むことになると思われる。そして、その際に、このH.265をモバイル端末上で動作させるためにデコードソフトが必要となるのだ。

現在、各キャリアでLTEサービスが出揃い、最大で112.5Mbpsの通信速度を享受できる環境になりつつある。さらには、数年後に最大通信速度が1Gbpsの時代がやってくることも、ほぼ間違いない。その時、標準の動画圧縮規格としてH.265(HEVC)が利用されているだろう。ユーザが高品質の映像コンテンツをモバイルでスムーズに楽しむことができるようになる。例えば、通信が可能になった地下鉄の車内で、新作映画や新作アニメをフルHDでストリーミング再生して楽しむ未来が、すぐそこまでやってきているのだ。

モバイルにおける動画配信サービスの将来が楽しみでならない。