ドコモはカーナビゲーションサービス「ドコモ ドライブネット」を提供中だが、今回のCEATECにおいて、次期バージョンとして近く実装される「音声意図解釈機能」および「動態管理機能」を紹介していた。少し大袈裟かもしれないが、カーナビの最終形態を垣間見た気がした。
音声意図解釈に「しゃべってコンシェル」のエンジンを利用
ドコモ ドライブネットは、通信を利用して最新地図、リアルタイムな渋滞情報、駐車場満空、GS価格情報など、常に最新情報を入手できるのが特長のドコモのAndroid端末向けカーナビサービス。一部は無料で利用できる。
申し込み後(月額315円)専用アプリをインストールし、ドライブネットクレイドル(GPSレシーバーや加速度センサー、ジャイロセンサー、スピーカー、マイクを備え、高精度の現在地表示、音声案内や音楽再生、ハンズフリー通話などが行える車載キット)と接続すれば、すべての機能が使える本格カーナビとなる。
今回、追加される「音声意図解釈機能」とは、音声秘書機能アプリ「しゃべってコンシェル」のエンジンを利用することにより、ドライバーがスマホやタブレットに自然に話しかけた内容を解釈し、その要望や意図に適したナビルートなど最適な提案をしてくれるというもの。
例えば「銀座に行きたい」「自宅へ帰りたい」と話しかければ、「ご希望の場所はこちらでしょうか」と銀座や自宅までのルートを提示してくれる。目的地や周辺情報の検索はもちろん、渋滞情報表示、操作指示(例:ナビをやめて)など幅広く利用できるという。
また、「ミッキーに会いたい」というような曖昧な発話内容に対しても、様々な可能性を考慮して、ディズニーランドへのルート案内であるとか、周辺のディズニーストアの位置を表示するなど、複数の提案までしてくれるというから驚きだ。
CEATECの体験ブースでは、「このへんにコンビニある?」といった質問をぶつけてみた。すぐに認識し「お調べした結果をご案内します」と、手際よく周辺のコンビニが表示されたマップを提示してくれた。
そもそもタッチすら必要としない、この操作性は圧巻だ。加えて、従来のナビアプリでは難しい高精度の測位性能、パイオニアのような実績あるカーナビメーカーとの連携などによる正確・リアルタイムな情報提供。
今後、音声意図解釈機能がさらに向上すれば、まさに隙のない「気持ちまで伝わる」カーナビへと進化を遂げるのではないだろうか。
なお、本機能は2012年提供予定とされているが、ブースの説明員の話によれば、ドコモのスマホ冬モデルの発売タイミングに合わせて提供スタートになる見通しだという。
法人向けのサービス「動態管理機能」
このほかブースでは、法人向けの「動態管理機能」も公開されていた。上がそのデモ画面だ。
これは主に配送業者やタクシー会社などで、複数の車両位置、運行状況を管理者(企業側)のパソコンなどで一元的に確認・管理できたり、反対にドライバー側から現在状況を報告できるという機能。
例えば、迎車が発生した場合、荷物の集荷が発生した時などに、目的地までのルートをドライバーのナビへ管理側から指示を入れることができるという。提供時期は2013年の予定となっている。