モトローラーは、レノボの子会社となってから積極的にスマホを投入しています。今回は、Moto Gシリーズの新モデルが登場したのでレビューしていきましょう。
同社のスマホには、「Moto Z」「Moto X」などのシリーズがありますが、もっとも手ごろなのがMoto Gシリーズです。前モデルに当たるMoto G4 Plusは、手ごろな価格ながら、DSDS(デュアルSIM、デュアルスタンバイ対応)で人気になりました
新モデルには、格安のMoto G5と中級モデルのMoto G5 Plusが登場。今回は、安価なMoto G5をレビューしていきます。価格は、Amazon調べで2万4395円。格安スマホのエントリーモデルとしては、最もライバルの多い価格帯への投入です。
ベーシックな本体は持ちやすい
iPhone 7 Plusと比べるとずいぶんコンパクトなことがわかります
本体は、価格を考えれば妥当なクオリティでしょう。最近流行している狭額縁ではないし、極薄でもありません。しかし、ディスプレイが5インチなのでサイズが頃合いなために持ちやすく、また背面が丸みを帯びているので、手によくなじみます。比較的手の小さな女性でも負担が少なく扱えるはず。片手でフリック入力する際にも軽快に使えるでしょう。
本体は薄型とは言えませんが、背面が丸みを帯びているので持ちやすいでしょう
ボディは金属製ですが、一般的な金属ボディの中・高級モデルとは少し違います。背面は樹脂性のパネルで脱着できるようになっています。脱着式のパネルの上に金属が張ってあります。つまり、アルミの固まりを削り出して作った高級モデルとは少々異なるのです。
設計としてはやや古いのですが、SIMカードの脱着にピンが必要ないのが便利です。また、バッテリーも提供されれば、ユーザーが交換できるでしょう。
背面はパネルを脱着する方式です。パネルに金属の板が張り付けられています
P9と比べるとサイズは大きいのに液晶が少し小さくなります。このあたりが高級モデルとの差。狭額縁でもありません
液晶はこのクラスとしては十分
液晶は5インチで解像度はフルHD(1920×1080ドット)です。1万円台の格安スマホの中には、1280×720ドットなど解像度の低いモデルがありますが、フルHDなら十分な解像度と言えるでしょう。特にサイズが5インチと小さめなので、フルHDでも不満を感じることはないはずです。ちなみに、iPhone 7の解像度も低く、この点はMoto G5のほうが勝っています。
高級モデルのように液晶のフチはアールを描いていません。ボディのパーツが液晶面より高くなっているので見た目にも美しくない上に、指が引っかかります。ただし、この設計は良い点もあります。床などに落としたときに直接液晶が地面に当たりにくいので、割れる可能性が低減できるのです。
液晶のフチが高くなっています。見た目には美しくありませんが、割れ対策にはなっています
カメラはこのクラスでは十分
カメラは1300万画素でスペックは十分です
バックカメラは1300万画素、インカメラは500万画素です。実際に色々と撮影してみましたが、画質は十分と言えるでしょう。また、レスポンスも満足できます。
iPhone 7 Plusと比べても明るい屋外で撮影した写真はそう見劣ることがありません。ただ、やや暗めの部屋で撮影すると若干ながらノイズが気になります。とはいえ、こちらもあえて比べなければそう気にならないでしょう。
ちなみに、iPhone 7 Plusのカメラは広角側でf/1.8です。Moto G5はf/2.0となっています。
明確に劣っているのが、4K動画が撮影できないことです。ビデオは1080ピクセル(30fsp)までです。例えば家族の動画などを末永く残したいときには、将来画質が悪いと思うかもしれません。
屋外で撮影した植物の写真はどちらも大満足です(左:iPhone 7 Plus 右:Moto G5)
暗めの屋内で撮影するとiPhoneのほうがノイズが少なく明るく撮れます(左:iPhone 7 Plus 右:Moto G5)
DSDSに対応するがmicroSDカードも使える
コネクターは、一般的なmicroUSBを採用しています。そろそろ、USB-Cが主流になってきそうですが、当面は問題なく使えるでしょう。
コネクターはmicroUSBなので、すでに持っているケーブルなども使えます
格安モデルながら、指紋センサーをホームボタンに内蔵しています。反応も良好で気持ちよく使えます。
指紋センサーを搭載します
SIMは2スロットを用意し、どちらもナノSIMです。DSDSに対応するのがポイントです(DSDSへの対応は夏のアップデート後の予定)。さらに、microSDカードは2つのSIMと別に用意されています。これが大きな特徴です。2つのSIMを挿した上で、ストレージを利用できるのは大きなメリットと言えます。
2枚のSIMの下にmicroSDカードスロットを用意します
なお、対応する帯域は以下のようになっています。こちらも十分でしょう。
- LTE:Band 1、3、5、7、8、19、20、28、38、40
- UMTS/HSPA+:850、900、1900、2100MHz
- GSM:850/900/1800/1900MHz
Bluetoothはバージョン4.2に準拠していますが、Wi-Fiが11acに非対応なのはとても残念です。
性能はホドホドで2年程度は文句なし
気になる性能ですが、AnTuTuベンチマークを取ってみたところ45000台と、なんとか我慢できるパフォーマンスでした。さすがに大満足というわけにはいきませんが、2年程度は満足して使える性能です。
メモリーは2GBでストレージも16GBしかありませんが、よほどヘビーなゲームでもプレイしない限りは、当面は問題なく使えるはずです。
バッテリーは2800mAhとこちらも標準的です。独自の高速充電に対応しているのが特徴ですが、付属のACアダプターを使うのが前提になります。この点は、市販のモバイルバッテリーが使えるQuickChargeに比べると分が悪いところです。
性能はギリギリ合格と言ったところ。ヘビーなゲームはプレイせずに2年程度使うなら妥協できそうです
付属のACアダプターを利用すると急速充電に対応。15分の充電で最大4時間使えます
まとめ
2万円台半ばのスマホとしては、とても満足度が高いはずです。特にSIMを2枚挿して使いたい人にはおすすめします。
ただし、メインで使うスマホとして考えると、これといった特徴はありません。価格を考えれば当たり前ですが、特別に美しいカメラやディスプレイに魅力を感じるなら、4〜5万円クラスのモデルを選ぶほうが理にかなっています。
Moto G5は、あくまでもコスパ重視で選択しても、さほど妥協することなく使えるのがメリットです。低価格ですが、「安物感」はほとんどないので、満足できるはずです。
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構成・文:戸田覚
編集:アプリオ編集部