「moto g7」レビュー、低価格のSIMフリースマホをシリーズ3台まとめて比較

「moto g7」レビュー:低価格のSIMフリースマホをシリーズ3台まとめて比較

モトローラの低価格スマホ「moto g7」シリーズが一気に3モデル登場しました。「moto g7 PLUS」「moto g7」「moto g7 Power」のどれもSIMフリーで手ごろなため、選択に迷ってしまいそうです。この3モデルはそれぞれどんなユーザーに向くのかを含めて、詳しくレビューしていきます。

本体サイズは3台とも近い

まずは、3台のスペックをチェックしてみましょう。本体はかなり近いサイズで、6.2インチクラスの大画面ディスプレイを搭載しています。

スペック比較
moto g7 PLUS moto g7 moto g7 Power
価格 4万1904円 3万3264円 2万7864円
ディスプレイ 6.24インチ 6.2インチ
解像度 2270×1080ドット 1520×720ドット
プロセッサ Snapdragon 636 Snapdragon 632 Snapdragon 636
メモリ RAM 4GB、ストレージ64GB RAM 4GB、ストレージ64GB
寸法 157×75.3×8.27mm 157×75.3×7.92mm 159.4×75.3×9.3mm
ネットワーク(4G) B1 / B2 / B3 / B4 / B5 / B7 / B8 / B18 / B19 / B20 / B26 / B28 / B38 / B40 / B41 B1 / B2 / B3 / B4 / B5 / B7 / B8 / B19 / B20 / B28 / B38 / B40 / B41
ネットワーク(3G) B1 / B2 / B5 / B8 / B19(B6含む)
ネットワーク(2G) 850MHz / 900MHz / 1800MHz / 1900MHz

どのモデルも大画面なので、手にして少々負担を感じる人もいるかもしれません。ほとんど同じサイズで、スペックの異なる3モデルを同時期に発売するのは珍しいことです。

デザインは、moto g7とmoto g7 PLUSはほとんど同じで、ノッチが小さく、イマドキの外観です。moto g7 Powerは大容量バッテリーの搭載が特徴なので、明らかに厚く重くなっています。

「moto g7」シリーズレビュー

同梱品はほぼどのモデルも同様で、ケースも付いてくる

moto g7 PLUS:上位モデルはちょっと割高

最上位モデルはmoto g7 PLUSです。見た目は、中間のモデルであるmoto g7とほとんど変わりません。スペック上では微妙に厚くなっていますが、手にしてもほとんどわからないはずです。

特徴は、カメラが優れていることです。メインカメラは1600万画素+500万画素で、光学手ぶれ補正を搭載しています。写真にこだわるならこのモデルが一番向いています。ただし、他の同価格帯のスマホと比べて、特に優れているわけではありません。

27Wの急速充電やドルビーオーディオに対応します。性能も3モデルの中では一段上なので、長期間快適に使いたい人には一番のおすすめモデルです。とはいえ4万円を超えると、ライバルにもスペックが充実したモデルが少なくありません。おサイフケータイを搭載しないのがネックになります。

「moto g7」シリーズレビュー「moto g7」シリーズレビュー

moto g7 PLUSは最上位モデル。カラーはディープインディゴと、写真のビバレッドになる。深みのあるいい色でデザインは上々

「moto g7」シリーズレビュー

3台の中ではカメラは最も高性能だ

「moto g7」シリーズレビュー

右の充電器が付属。27Wの急速充電に対応する

「moto g7」シリーズレビュー

SIM2枚にmicroSDカードも増設可能

「moto g7」シリーズレビュー

スペックはちょっと高いが、さほど差がないのが残念

【moto g7】バランスのよいベーシックモデル

moto g7はベーシックなモデルで、セラミックブラックとクリアホワイトという白黒のカラーを用意。ボディサイドはステンレスで、価格の割には高級感があります。おそらく最も売れ筋になるはずです。

性能は上位モデルとほぼ差がなく、価格を考えれば十分なパフォーマンスです。カメラの性能が若干落ちますが、こちらも普通に使うなら問題ないでしょう。3万円台前半ならお買い得といえるモデルですが、おサイフケータイが付いていない点は要注意です。

「moto g7」シリーズレビュー「moto g7」シリーズレビュー

上位モデルとほとんど変わらないデザイン

「moto g7」シリーズレビュー

モトローラの製品らしく、丸で囲まれたカメラを採用

「moto g7」シリーズレビュー

SIMトレーも上位機と同様だ

「moto g7」シリーズレビュー

ベンチマークのスコアは3機種ともさほど変わらない

【moto g7 Power】駆動時間の長い低価格モデル

最廉価モデルのmoto g7 Powerは、5000mAhの大容量バッテリーを搭載して駆動時間が長いのが特徴。カタログ値のバッテリーライフは、なんと約3日です。ただし、その分やや厚く重いので、購入前には手にしてみたほうがよいでしょう。

ディスプレイは上位2モデルとノッチのサイズが異なり、下部分の縁も大きく残っています。それでも外観のデザインはそれほど安っぽくありません。本体カラーはセラミックブラック1色です。

注意したいのは、ディスプレイの解像度が低いこと。よく見ると文字のキレもいまひとつで、写真を表示した際の美しさも劣っています。スペックは3モデルの中では最も低いのですが、体感上の差はほとんどありません。バッテリー駆動時間が長いのは魅力ですが、解像度の低さはいただけません。

「moto g7」シリーズレビュー「moto g7」シリーズレビュー

最廉価モデルのmoto g7 Powerはノッチや額縁などが違う

「moto g7」シリーズレビュー

SIMは他のモデルと同様だ

「moto g7」シリーズレビュー

カメラはシングルなので格下の印象が強い

「moto g7」シリーズレビュー

ベンチマークのスコアはあまり変わらない

ディスプレイなどを比較

3モデルとも、ディスプレイのサイズはほとんど変わりません。iPhone XS Maxと近いサイズの大画面モデルです。有機ELのiPhone XS Maxに比べると明らかに劣るのですが、パッと見の美しさは及第点です。ただし、斜めから見るとmoto g7 Powerは一段暗く、また解像度も低いので格下です。

充電端子はどれもUSB-Cなので、将来の互換性も安心です。

「moto g7」シリーズレビュー

左からiPhone XS Max、moto g7 Power、moto g7、moto g7 PLUS。iPhone XS Maxが明るすぎて白飛びしている

「moto g7」シリーズレビュー

斜めから見ると、moto g7 Powerは明らかに暗い

「moto g7」シリーズレビュー

ノッチの形も違っており、moto g7 Powerは幅広になる

「moto g7」シリーズレビュー

充電端子はどれもUSB-Cだ

カメラを比較

今回はiPhone XS Maxを含めて、4台で写真を比較してみました。さすがに、iPhone XS Maxは明るく美しい色合いで一段上という印象を受けます。

moto g7 PLUSは光学手ぶれ補正が付いているのが特徴ですが、今回のような写真ではほとんど効果が感じられませんでした。特別にこだわりがないなら、moto g7でも十分でしょう。これ以上カメラにこだわるなら、別のモデルも検討したほうがいいかもしれません。

なお、moto g7 Powerのカメラはやや暗いのですが、さほど画質にこだわらないなら妥協できます。ただし、シングルカメラなのでポートレート撮影には期待しないほうがよいでしょう。

通常撮影

moto g7 PLUS「moto g7」シリーズレビュー
iPhone XS Max「moto g7」シリーズレビュー
moto g7「moto g7」シリーズレビュー
moto g7 Power「moto g7」シリーズレビュー

iPhone XS Maxは別格として、他の3台はさほど差はありません。

近接撮影

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iPhone XS Max 「moto g7」シリーズレビュー
moto g7「moto g7」シリーズレビュー
moto g7 Power「moto g7」シリーズレビュー

moto g7 PLUSの写真がやや黄色っぽく撮れているのが気になります。

暗所撮影

moto g7 PLUS「moto g7」シリーズレビュー
iPhone XS Max「moto g7」シリーズレビュー
moto g7「moto g7」シリーズレビュー
moto g7 Power「moto g7」シリーズレビュー

暗い部屋での撮影を比較。moto g7 Powerがやや暗くなっています。

まとめ

moto g7シリーズを3台まとめてレビューしました。詳しく見ていくと疑問に思うのが、ここまで同じサイズで近い価格帯の製品が3つも必要なのかという点です。おそらく、スマホの料金が機種代と通信代で分離されることになり、2〜4万円程度のSIMフリーモデルが売れると考えたための戦略でしょう。格安の大画面モデルの選択肢を広めたわけです。

惜しむらくは、スペックを含めて差が少ないことです。たとえば、HUAWEI P30 liteは3万円台でトリプルカメラを搭載します。また、Galaxy A30も手ごろな価格ながらおサイフケータイを搭載し、ディスプレイは有機ELです。

これらと比べると、moto g7シリーズは全体的に特徴が乏しく思えます。今後値下がりしてくれば、お買い得感は高まるでしょう。おすすめはmoto g7です。moto g7 Powerはこれから買うにはディスプレイの解像度が低すぎます。moto g7 PLUSは、moto g7を見てしまうとスペックが大して変わらないため魅力薄に感じます。

構成・文:戸田覚

編集:アプリオ編集部

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